ゼルバ復活⑦
その夜の事である。
ギヨウは、一人で待っていた。
それは、もちろんゼルバをである。
約束をしたわけではない。
だが、ギヨウは待っていたのだ。
「そろそろ、答えは出ましたか?」
そこに、ゼルバはやってくる。
例え示し合わせていなくても、ギヨウの前にゼルバはやってくるのだ。
「答えは、最初から出てるよ」
悩んで出ていったくせに、ギヨウはそんな事を言った。
「それは良かった」
ゼルバが嬉しそうに笑った。
その答えが、どちらかもわからないのに。
「最初から、俺が目指しているのは天下無双だ。強い奴は全員ぶっ飛ばさないといけねえからな」
ただの一瞬も、迷うべきではなかったのだ。
「頼もしい事ですね。頼りにしてますよ、ギヨウ」
ゼルバは、やはり嬉しそうに笑ったのだ。
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また、同じころ、一人でいるミュエネの元に、森の民の族長が訪ねて来る。
いや、正確には、ミュエネも待っていたのだ。
「おお!ミュエネよ!久しいな!何故、森に戻って来なかったのだ?馬くらい取りに来ればよかったのにの」
「だって、戻ったらみんなは止めるでしょう?」
「そんなことはないがの」
「そうね」
ミュエネは納得する。
現状を考えれば、そういうことになるからだ。
そして、ミュエネはそれを聞くために族長を待っていたのだ。
「なんで、みんな森を出てきたの?ゼルバを助けるのはわかるけど、そこまですることはないでしょう?」
「ふむ……そうじゃな……ただ、儂らもエルエ国の奴等には森を焼かれた恨みがあるからの」
それは、ミュエネが住んでいた付近の村の話だろう。
「復讐なら、私がやるだけで十分よ」
ミュエネはそう言ったが、
「本当にそうか?」
族長は核心をつく。
「どういうことかしら?」
「自分では気が付いてないかもしれんが、村にいた頃とは全く顔付きが違うわい。ついに小僧とつがいになったか?」
そう言われて、ミュエネは顔を赤くする。
「べ、別に!そういうのはないわ!」
そして、声を荒げたのだった。
「でも――」
更にミュエネは言葉を続ける。
「私は、もう復讐なんてどうでもいいのかもしれないわ」
ミュエネもそれは感じていたのだ。
「ただ、ギヨウの側で戦えれば、いいかもしれないわ」
それを聞いて、族長は笑う。
「カッカッカッ!それは、儂じゃなくて小僧に言ってやるんじゃな」
「言えないわよ」
こんな恥ずかしい言葉。
「まだまだ先は流そうじゃのう……」
これで話は終わりである。
「そういえば、お前の馬を連れて来てやったぞ」
そのため、族長は立ち上がると、
「こっちじゃ」
ミュエネを連れて馬の所へと移動する。
「久しぶりね」
馬を見るなり、ミュエネは優しい目でそう言ったが、
「行きなさい」
何故だかすぐに、馬を森へと返してしまった。
「いいのか?」
「ええ、私の座るところは決まっているもの」
やはり、ミュエネは昔とは違う笑顔で、そう答えたのだった。




