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初ドラゴンです5



 エアさんがあの後持って帰ってきたのは水とコオロギでした。エアさんがあの後持って帰ってきたのは水とコオロギでした!大事なことは二度おして言う必要があると、私のスピリチュアルが囁いていました、失礼。


『肉食の爬虫類に食べさせるのは昆虫だよ。特にコオロギは栄養価が高いそうだ。…ドラゴンが肉食の爬虫類のような生態をしているのかは…。』


 どおして、と聞いた時のエアさんの言い分です。最後は目をそらされました。

 さて、問題です。ドラゴンは爬虫類でしょうか?

 確かに。確かにこのドラゴンちゃんは舌が又二つに分かれています。蛇のような特徴を持ったドラゴンと言った風で、私も言い表しましたが、さながら蛇龍といったところです。

 蛇が翼をもって足を持ったというよりも、トカゲが翼を持ったといった方が良いでしょう。そう、このフォルムはおそらくトカゲに近いのです!(私はトカゲをちゃんと見たことがありませんからイメージでしかありませんけど!)

 さて、私は答えを提示することが出来ます。

 この子、ドラゴンの幼体がコオロギを食べれば、それはほぼ爬虫類といってもよいのです。たぶん。そんなわけでエアさんがどうやってか地面を伝わせて連れてきたコオロギをこの子の前まで誘導しました食べました。…oh,No time.まさかの瞬殺でした。

 そんなわけで、この子の食料問題は解決しました。

 彼の恐怖の対象ともされるドラゴンがエアさん辞書の中で爬虫類のカテゴリに入ってしまうとは、まさか過去の私は想像できたでしょうか?

 いえ、ロマンとか夢とか、大切なものが失われてしまった気がしますが、この子の食糧問題が解決したのは喜ばしい話です。飲料も水で問題ない様子。エアさんと二人で心配していた問題が解決してほっとするばかりです。この子が育たない事には、私はこの島から脱出できませんし、島からの脱出どうこうを抜きにしてもこんなに可愛い子を見殺しにしてしまったら私のメンタルが持たなかったでしょうから。


「この子の名前どうしましょう?」


 落ち着いて、太ももの上にこの子を置いてエアさんに質問しました。


『僕はそういうことを考えるのは苦手だから、アイに任せるよ。』

「そんなこと言わず!私も名前を考えるのは苦手な方ですから、エアさんの知能を貸してください!二人で知恵を絞ればこの問題も解けるはずなんです」

『まるで難問に挑戦する研究者みたいな言い方をしなくても。分かったよ、知恵を貸そう。といっても、僕が出来る事なんて数しれてるよ?』

「エアさんはとても賢いでしょう。私と二人であれば問題ありません!」

『その無駄に自信あふれているのはどうしてなのか僕は甚だ疑問だけど』


 エアさんがこぼした言葉を鮮やかに流して、この子の名前について思考をはじめます。

蛇の龍…頭文字をとってヘノリ。駄目です、響きがかっこよくありません。ヘリ。…?なんだか耳になじみがある単語になった気がします。


『「ヘリ:ヘリコプターの略」だね。ずいぶん昔の乗り物だよ。さすがに乗り物の名称を付けるのは可哀そう…というかアイ、僕の名前を付けてくれたときはぱっと思いついてなかった?(だからもう少しネーミングセンスがあるものだと思ってたよ)』

「あれは事前に考えてたからです…案外思いつかないものですね」


 うーん、うーんと頭を悩ませます。


「ピロッ!」


 元気よく鳴くこの子にはやっぱり癒されます。


『ピューーロとかどうだろ。このドラゴンの鳴き声からとってみたけど。』

「いい響きですね!それです!」


 ピューロ。うん、良い響きですね。


『やけにあっさり決めたね。それでよかったの?』

「ええ、せっかくエアさんが出してくれた案だっていうのもありますけど、単純に私も気に入っちゃいました。響きというのが大事なのですよ」


 エアさんの名前も響きで決めちゃったところがありますしね。

 かっこよく聞こえれば良くて、かわいく聞こえればいいのです。感情本位、これがきっと最強なのだと私は唱えましょうか!…失礼、興奮してしまいました。


「ピューロ」


 そう言いながら頭を撫でてみる。ぷにぷにしています。ぷにぷにしすぎて、器官まで潰してしまわないかと不安になって押し込みすぎるのをためらいますが、それでもこのぷにぷにふわふわ暖かは虜になってしまいます。

 しかし、ピューロが十分に飛べるようになるまで、どれほどかかるのでしょう?

 …もしかしてこの計画はなかなか長くなるかもしれないのでしょうか???




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