おはようございます1
ふわふわです。
うららかで暖かな日差しに冷たい空気が肌を撫でます。草は優しく支えてくれているみたいで、安らかな睡眠に手招きをされてるみたいです。さながらママに頭を撫でてもらいながらうとうと眠りにつくベッドの上です。
「…きて……」
なんだか声が聞こえます。
私にはわかります。これは悪魔の呼び声です。現実という名の循環する終わりのない世へと呼び戻すためのキーワードなのです。邪の道にそれる前に、天使の手招きに招待されるとしましょう。草原の上、優しい風になびく草花に見守られながら、白いテーブルを囲ってお茶会をはじめましょう。香りのよい紅茶においしいお茶菓子を…。
『アイ!おきて!』
「あい!起きました!」
とても大きな音が耳元で炸裂した反動で勢いよく飛び起きて大きな返事をします。
目がよぼよぼです、えっと…なんでしょう、誰でしょう。まだ全然目が覚めてない頭をぐるぐる回して起こしながら、辺りを見渡して、何とか声のした方を向きます。
そこに浮かんでいたのはロボットでした。機械的で寂れた材質と目のような白い真珠がついているのが特徴的です。特に動作なく、安定してぷかぷか浮かんでいます。不思議です、まるで夢の中でできくる雲みたいな羊さんです。そのくらいのぷかぷか具合です。決してふわふわしてそうな体躯はしていませんけれど、その曇りない眼には愛嬌があります。
「えっと、どなた?」
『そんなコテッと可愛らしく首を傾げられても僕に名前はないよ。敢えて言うなら飛行型治療用ロボットで人工知能…じゃないや、AIだ』
ろ、ぼっと?ロボットとはなんでしょう。いつの間にかすっと透き通っていた頭を働かせて、必死に思い出そうとします。ロボット?人工知能?えーあい?いえ、それよりも、この方はつい先ほど私の事をアイと呼びました?アイ、愛、あい?なんだろう、とても大事なことを忘れてる気がーー。
「いっ!」
とたん、頭に鈍痛が走り、とっさに額を抑えます。
『アイ、大丈夫?頭が痛む?』
「そ、の…。あの、あいというのは何でしょうか?」
混乱してしどろもどろです。口が上手く動きません。舌が良く回りません。混乱して頭もこんがらがる始末で、何とか聞き返します。
『それは君の名前だよ、アイ。僕のデータベースにある辞書によると、「愛:かわいがる。愛しく思う。いつくしむ。いたわる。」、なんて意味だったりするみたい』
アイ…愛。自分の名前。
『その様子だったら記憶障害みたいだね。とりあえずそれだったら…』
と、途中まで言って彼?いや、ロボット?は私の顔をみて言葉の続きを言うのをやめたました。
『…バイタルがとても安定した。それに君、笑ってる』
「愛…とてもいい名前だなって、感心してしまってました」
自然とほほ笑みがこぼれる。頬の筋肉の気合が足りないみたいです。
『それが自分の名前だよ。よかったね、良い名前で。他に悪いところはない?』
他の悪いところを聞かれたので、改めて体を起こして確認します。体を回してみた所、背中が痛いなと思ったけど、その程度です。なんだかとても快調でした。
『それはよかった。食欲はどう?長く何も食べてなかったし、空いてると思うけど』
お腹に意識を集中してみると「ぐぅ~」と何とも間抜けな音が辺りに響きます。ここには彼しかいなものの、恥ずかしくなって頬が赤くなってしまいました。
『お腹で返事されるとはね。』
「あ、あはは…です」
『果物を取って来るよ。アイは動かずにここで待っててくれ。』
彼は小さな体を高く飛ばして、岩陰の先へと消えていってしまいました。
はてさて、待っててと言われてしまいました。
どうしましょう?
こんにちは。上から読んでも下から読んでも同じなしがないながしです。初投稿なので拙い部分もあると思いますが適当にのんびりと投稿を続けていきますので何卒何卒。