表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

居場所

作者: 禮矧いう

 光の月とまで言われる晴天の五月の昼時にも関わらず、人は肌を晒してあるいている。夏場紫外線ばかり気にしている彼女でさえ、暖かくなりはじめのこの日を楽しもうとしている。知らぬ間に肌には沢山の光が刺さり、体を痛みもなく傷つけていると聞いたのはいつのことだったのだろう。

 口の中が切れ、顔が腫れて、足のひん曲がった状態でアスファルトに身を投げている僕の周りには人だかりができている。他のところも怪我をしているのだろうか。あまり良く分からないが、何か僕の周りで僕を助けようと必死になってくれている人もいるようだ。

 頭の上で輝く太陽ばかりと目があって、全然他のことなんて見えないが、大量の視線だけは分かる。

 はてさて僕はどうなるのであろうか。

 何だか目を開けているのが億劫になった。気持ちが悪いけれど気分はいい。

 目を閉じる前に彼女を一目みたいなと思ったけれど、確認するのが怖くなるだけだったので目を閉じた。

 目蓋がこんなに暖かくて明るいとは知らなかった。

 そういや、おなかすいたな。

 さようなら。

 またね。

 ゆっくりおいでね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ