第9話 リベンジ
さて、リベンジはいいがまずはうさぎもどきことラビッツを見つけないことには話にならない。あちらが気づいてない状態で気配遮断で近寄り、一撃で仕留めることができるならベストである。
「俺の残りMPは32、つまり32秒は俺の時間だってことだ……念のためにパプゴをポケットに2個ほど入れておくとしよう。それ以上持っているといざというときの邪魔になりそうだからな」
「よし、早速探しにいくか」
洞窟にパプゴを2つだけおいて俺は洞窟の外へ出た。
「まずはパプゴは生息していた場所で探してみるか。あそこならラビッツもパプゴ目当てにいるかもしれないからな」
そうと決めたら俺は元来た道を歩いて行った。
しばらく歩いているとあのパプゴがあった場所につく。
しかし少し前ここを通った時と様子が少々違うようだ。
地面に食い散らかされたパプゴが落ちている。
「これは、なにかに食い散らかされた跡。そしてこのキバの跡は」
間違いない!ラビッツはここを餌場にしている……
「よし!そういうことならやることは一つ、ここで待ち伏せだ!」
都合よくここら一体は草むらと木におおわれている。
隠れるにはもってこいだ!
「ここにするか」
無事隠れておける場所があった。あとはここであのラビッツがくるのを待つだけである。
隠れ始めて数十分、目の前の草むらで、がさ、がさ、と音がした。
「きたか!」
そして現れたのはあのにっくきラビッツ、しかし少し違う。
「俺を襲ったあいつより少し小さいみたいだ。とりあえず鑑定っと」
{ラビッツ}level2
HP45
MP10
力3
体力5
素早さ11
幸運1
{スキル}なし
{称号}なし
「やはりだ、俺を襲ったラビッツより弱い。同じ魔物でも強さに差があるのか。しかしこれは好都合だ、同じ魔物なんだから弱い方が当然狩りやすい……」
ラビッツをみているとやつはパピゴを食べるのに夢中なようだ。
「あれうまいもんなーと、呑気に見ている場合じゃないな。いまがチャンスだ」
狩りの開始だ。
「気配遮断、よし……いくぞ」
俺はなるべく音をたてないように草むらから出た、まぁ音でばれてこちらをみられたところであのラビッツには俺はみえないわけだが。
俺は慎重にラビッツの背後まで歩いた。
そしてやっとラビッツの真後ろまで到達した。
ラビッツはまだパプゴを食べるのに夢中だ、いける!
俺は持っていたナイフを持ち上げて、思いっきりラビッツの首元にぶっさした。
「ギィィィィィ!!」
大きな悲鳴を上げて、その後すぐラビッツは絶命した……
「はぁはぁ、やった、やったぁああああああああ」
森の中で大声を出すのは間違いなく危険行為なのだがそのときの俺はそんなこと忘れて叫んでいた。
「やった、やったああぁ。」
数十年間生きてきてこの大きさの生き物を殺すのは初めてであったが、不思議と可哀想とかそのような感情はなかった。
「そ、そうだ。levelはどうなったんだ!」
急いでステータスを開いた。
佐藤悠馬level1→4
HP70/70
MP50/50
力5→14
体力5→14
素早さ2→8
幸運20→38
{スキル}
経験値20倍
スキル経験値20倍
鑑定level10
気配遮断level7
短剣術level1
{称号}異世界転移者 引きこもり
「おおおlevelが4になってる!ステータスもかなりあがってるな!
HPとMpは両方50を超えたか、右は最大数値で左が現在の数値というわけか。
どうやらlevelが上がったら全回復するみたいだな。本当にゲームのようだ。
力と体力は順調に伸びているな、素早さは伸びがほかにくらべていまいちだな
幸運は伸びがすさまじいな。今回も運よくラビッツを見つけることができたし
幸運はもしかしたらすごい重要なのかもしれないな。
スキルは……へえ、新しいスキルが増えている。
短剣術か、多分さっきナイフをつかったからスキルが増えたんだろうな。
気配遮断は7のままか、もしかしたら8になるかもと思ったが、
スキルlevelが高くなるにつれて上がりにくくなってくるようだ。
称号は変わりはしない、と。さすがに称号は簡単には取得できないようだ」
さてと、ステータスの確認はすんだ。
「あとは、このラビッツか。非常食にもなりそうだしいちお持って帰るか」
とりあえず目標は達成した。
「よし、洞窟に戻るか……」
そのまえに一個だけパプゴを食って帰ろう……




