第65話 顔合わせ
第3章スタートです。
……おお、朝だな。
随分ぐっすり寝れたようだ。
やはり最近の戦いの連続で少し疲れが溜まっていたようだな。
しかしそれも昨日で終わったんだ。
今日からはまた気楽に依頼でもこなし、level上げでもするとするさ。
おっと、今日はたしかギルドマスターに呼ばれていたんだったな。まぁおそらくは大侵攻のについての話になるだろうな。
さて、じゃあ早速ギルドに行く準備でもするかなぁ。
まぁ準備といっても特にやる事はないのだが……
「よいしょっと」
俺はベッドから体を起こし、いつものように軽くストレッチ。
よし、昨日激闘を繰り広げたわけだが、特に体に異常はないな。
しかしこの行動クセになってるな。なんて言ったっけ、ルーティーンだっけか。
「まぁいいか。さっさと服を着て朝飯でも食べにいくとするかね」
ちなみに言っていなかった事だが俺は寝るときは上半身裸だ。
昔海外の映画で裸で寝ていたので俺もかっこいいと思い真似したのが切っ掛けである。それが今も続いているというわけだ。
そして服を着ようとした瞬間、
「ユーマさん、起きてますかー。そろそろ朝ごはんに時間になりますよ」
サリーだ。珍しいねぇ俺の部屋まで呼びに来るなんて。
俺は扉の前まで移動し、扉を開けサリーに、
「よおサリーおはよう。丁度いまから朝ごはんを食べに行こうと思っていたところだよ」
俺がそう言いながら扉を開けるとサリは、
「ユ、ユーマさん! そ、その恰好は……」
あ、やば、俺の恰好寝てたままだ。
「ああ、済まないサリー。俺は寝るときいつも裸なんだ」
「ユーマさんの裸、す、凄いです……て、私何言ってるの! し、失礼しましたぁあああああ!」
そう言ってサリーは顔を真っ赤にして走り去ってしまった。この廊下割と狭いから走ったら危ないんだがな。
けど、気のせいか少しサリー嬉しそうだったような。まぁ気のせいかな。
俺のこんなたるんだ上半身みて喜ぶやつなんているわけないからなぁ。そう思い俺は贅肉を掴もうとする、すると一つの違和感が。
「あれ、俺の体こんなに引き締まってたっけ」
この世界に来て今まで意識したことなんてなかったのでわからなかったのだが、なんと俺の体は前の世界にいたころより圧倒的に引き締まっていた。
簡単に言うと、細マッチョのような体になっていたのだ!
「おおお! これもまさか異世界にきた影響なのか! それともlevelが上がって力や体力が増えた影響なのだろうか。どちらにしてもかなり嬉しいぞこれは」
ふむ、てことはもしかしてサリーは俺のこの見事な体に見とれちゃった感じなのかな。まったく、俺も罪深い男だぜ。
まぁ冗談はさておき、サリーには一応後で謝罪しておくことにしよう。
「よし、俺の体が異世界仕様になっているのは分かった。じゃあ今度こそ服を着て、朝飯でも食べにいこうかね」
そうして俺はいつも着ている服を着て、一階に向けて歩いていく。
さすがに朝早いのですれ違う人などは当然いない。
そして一階に着くと、
「おーいユーマ! こっちだ」
いつものイグルがいた。本当にこいつはいつもいつも朝が早いやつだな。
そう思いつつも、いつものようにイグルの正面の席に座る。朝ここで朝食をイグルと取るのもなんか日課のようになってきたな。
「イグル、おはよう」
「おう! ユーマは昨日サイクロプスと戦ったて疲れただろうに今日も早いんだな。今日くらいはゆっくりと休んでいてもよかったんじゃねえのか?」
「いや、そういうわけにもいかないんだ。実はギルドマスターに呼ばれていてな。おそらく大侵攻についての話だろうがな」
「へぇ、まぁ大侵攻はもうお前とめちまったんだ。多分お礼を言われるだけだろうさ」
そんな事を話しているといつものようにサリーが、
「ユーマさん、イグルさん朝食です。ここに置いておきますね。では私はこれで失礼します」
そう言いサリーは料理を置くとすぐに走り去っていった。
それを見ていたイグルは楽しそうに、
「おいおいユーマ、おめえまたサリーちゃんになんかやったんかよ~。サリーちゃん明らかにおめえを見るときだけ顔が赤くなって恥ずかしそうにしてたぜい」
こいつは、いつもいつも人の事をよく見ているやつだな。
さすが鷹の目を持っているだけある。まぁ関係ないだろうけど。
「実はな、サリーに俺の裸を見られてしまったんだ。上半身だけな」
俺がそういうとイグルはどこか納得したように、
「なるほどねぇ、そりゃサリーちゃんみたいな子が、おめえみたいなやつの裸を見ちまったらああなるもの仕方ねえなぁ」
「なぁイグル、やっぱり俺ってそこそこいい体してるのか?」
「ん? 嫌味かよユーマ。おめえがそこそこいい体なら俺の体なんてモヤシみてえなもんじゃねえか!」
ふむ、やはりこの世界の住人であるイグルから見ても、今の俺の肉体は中々の物らしいな。
「そうか、変なこと聞いてすまんな」
「まぁいいけどよ、じゃあ飯でも食べますかい」
「そうだな。食べるとしよう」
その後数分で朝食を食べ終え、
「よっしゃ! じゃあ俺はまたこの街の周辺で狩りでもしてくるぜ」
「じゃあ俺もギルドへ行くとするよ。またなイグル」
そう言い俺とイグルは別れる。
そして俺もジニアから出て行こうとすると、
「あ、あのユーマさん、さっきはすいませんでした」
そういいサリーが俺に謝ってくる。
いやいや、謝るのはどう考えても俺の方だろう。
「いや、サリーが謝る事じゃないさ。俺の方こそ変な物を見せてしまいすまなかった。これからは気を付けるようにする」
俺がそう言うと、サリーはまだ少し赤い顔で、
「い、いえユーマさんは悪くないですよ。それに変な物でもなかったですし。……むしろ男らしくて……素敵でした」
今、男らしくて、素敵と言ったか。
そんな事言われると、照れてしまうじゃないか。
「そ、そういわれると俺も少し照れてしまうな。けどありがとな。体の事をほめられたのは生まれて初めてだ」
このままサリーと話していたいところなんだが、今日はギルドで用事がある。仕方ないな。
「じゃあサリー、俺はこれからギルドに行くからまた夜な。今日も夕飯楽しみにしてるからさ」
「は、はい! いってらっしゃいです」
そして俺はジニアを出てギルドへ向かう。
後ろを見てみるとサリーが手を振っていた。本当に可愛いな。
俺もサリーに手を振り返しギルドへと歩いていく。
そして数分後、
「よし、着いた着いたっと」
扉を開けギルドに中に入っていく。
するとすぐに周りの冒険者からの視線が突き刺さる。しかしその視線に悪意のこもった物は一つもない。あるのは憧れや尊敬といった善意のこもったものばかりだ。その視線に少しだけ照れながらも、俺はメルさんの元へと歩いていく。
「こんにちはメルさん、ギルドマスターに会いに来たのですが、今大丈夫でしょうか?」
「大丈夫よユーマ君。いまちょうどみんな集まっているとこだわ」
みんな? 俺が今から会う人はグレンさんだけではないのだろうか。
メルさんに質問しようか迷っているうちに、
「じゃあユーマ君いまから案内するから、着いてきて」
そしてメルさんに案内された部屋はいつもより若干広くて豪華そうな部屋だった。そこにメルさんと共に入っていく。すると、
「おお、来たか来たか! 待ってたぞユーマよ」
最初に部屋に入り声をかけてきたのはグレンさんであった。しかし今回はグレンさんだけではなく、両隣に二人の人物が座っている。一人は40代くらいの男性で、もう一人は軽く70は超えていようかという老人だ。
「ふむ、この方がグレンさんがおっしゃっていたユーマ君なんですね」
「ほう! たしかに中々優秀そうな冒険者じゃのう! しかも魔力の匂いを感じるぞい」
どうやら二人とも俺の事をグレンさんに聞いて事前に知っているようだ。
しかしこの二人、一体何者なんだ、とりあえず自己紹介するか。
「初めまして、俺の名前は佐藤悠馬、ユーマとお呼びください。一応Aランクの冒険者をしています。今日はグレ、ギルドマスターに話があると呼ばれてきたのですが、お二人の名前を聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」
俺がそう二人に質問すると、二人は少し感心した様子で、
まずは若い方の男が自己紹介を始める。、
「ふむ、冒険者と聞いていたのですが、随分丁寧な方なのですね。これはたしかに将来が楽しみです。申し遅れました、私の名前はミゲル・ベリスタと言います。まだまだ若輩者ですが、一応この街の領主をやらせてもらっています。宜しくお願いしますねユーマ君」
次にもう一人の老人が、
「そうじゃのう、お主どうじゃ? 魔法が使えるなら学園に入学せんか? 見たところ年は問題なさそうだし歓迎するぞい。わしの名前はアルベルト・ローエンシュタインと言う。一応フロックス魔法学園の校長をやらせてもらっとる。今後ともよろしく頼むぞい」
ふむふむ、なるほどね、領主様に魔法学園の校長と。
つまり、いまこの部屋の中に街の偉い人が集まっているということだな。
はぁ、俺は今からこの人達と話をしなければいけないのか。少しだけため息をつきたい気分になったのであった。
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