第58話 新たな上位種に向けて
朝……か。
さて、少し早いが朝飯でも食べにいくとするか。
今日はおそらくストン森林に行くことになるだろう。
少しでも体力を蓄えとかないとな。
ベッドから起き上がり、軽くストレッチ、よし体に異常はない。
行くとするか、そう思い一階に向けて歩き出す。
そして一階に着くといつものように、
「おーユーマー。こっち座れよー」
イグルだ。こいつ本当にいつもいるなぁ。
まぁいい、とりあえずイグルの正面の席に座る。
「よおイグルおはよう。昨日はどうだった? levelは上がったか?」
俺がそう質問するとイグルは自信満々な顔になり、
「おうよ! 昨日は一日狩り続けたからな、1レベル上がったぜ! ユーマの方はどうだった?」
「俺も昨日はかなりlevelが上がったよ。なんせオークキングを6体も倒したからな。そのお陰でかなり強くなれたよ」
俺がそういうとイグルは驚いたような、あきれたようなよくわからない表情になり、
「はぁ、おめえは相変わらずおかしな事やってやがるなぁ。一日でオークキング6体とか、おめえじゃなかったら絶対信じてねえぜ」
「まぁ俺も正直かなり疲れたさ。中々見つけられなくてな。そういえばイグル、お前マルブタって冒険者知っているか?」
「マルブタ? 当然知ってるぜ! あいつは外見でかなり損をして、そのせいで少しばかりひねくれちまってはいるが、本当はかなりいいやつだと思うぜ。しかもかなりの実力者だ。それでマルブタがどうしたんだ?」
「それがな、昨日オーガス森林であいつを偶然助けたら懐かれてしまってな」
「へぇ、あいつが誰かに懐くなんて珍しいな。まぁあいつは将来有望だ。無理しない限り大事にしてやってくれや」
「ああ、分かってるさ。あれだけ懐かれたら無下にはできない」
しかし、やはり外見でかなり損をしてしまっているみたいだなマルブタは。まったく、くだらない。外見なんてそうそう変えられるものじゃない。もっとちゃんと見るべきところがあるだろう。まぁ俺もあまり人の事は言えないがな。
俺とイグルがこんな話をしているとマリーが朝食を持ってくる。
「ユーマさんイグルさん今日の朝食です! いっぱい食べて今日も一日頑張ってくださいね!」
そう言いテーブルに朝食を置いてサリーは厨房に戻っていった。
そういえば、
「なぁイグル、サリーや街の人達は大侵攻が起きるかもしれないと知っているのか?」
「ん? ああ、知ってると思うぜ。 昨日この街の領主様が発表していたからな。」
なるほど、サリーやサリアさんは大侵攻が近いうちに起こるかもと知っていても、あくまでいつも通りか。こういう時いつも通り過ごすというのは予想以上に難しい。大したもんだ。
「そうか、ならサリーやこの街のためにも頑張らないとな」
「だな! よっしゃ飯いっぱい食って今日も一日頑張ろうぜ!」
そうして俺とイグルはいつも通り最高の朝飯を腹に納め、
「さて、ではイグル俺はギルドに行くとするよ。メルさんの話だと今日にもストン森林の調査の結果が出るみたいだからな。そしたら今度はストン森林で上位種狩りだ」
「まじかよ! まったくおめえはすげえよ! おめえなら大侵攻が起きる前に上位種全部倒しちまうんじゃねえかと思っちまうぜ!」
「そのつもりさ。じゃあ俺は行ってくる、イグルも頑張れよ」
「おう! じゃあな」
そうして俺とイグルは別れ、ギルドに向けて歩いていく。
さてさて、おそらく今日はストン森林だ。あそこの上位種はどんなのがいるかまだ知らないし、コカトリスも十分厄介だ。気合い入れていこう。
そんな事を考えているうちに、ギルドに到着した。
扉を開けて中に入っていくと昨日より人数は増えているようだった。
なんでかと思い耳を澄ましてみると、
「お、きたぜ首狩りだ」
「やっぱり首狩りはこの街に残ってくれるんだ! これならいけるぞ!」
「しかも話に聞いた限り、首狩りは昨日だけでオーガス森林の上位種をすべて倒したらしいじゃないか! これならいけるぞ!」
「ああ、この街に来たばっかりの首狩りが頑張ってくれているんだ! 俺たちが逃げるわけにはいかねえよな!」
ほう、俺がオークキングをすべて始末したってのはいい方向に話がいってるみたいだな。しかしなんで知っているんだろうか、そう思いメルさんの方をチラっと見てみると舌を少しだして笑っていた。ああ、メルさんがばらしたのね。まぁ可愛いので許そう。
「こんにちはメルさん」
「こんにちはユーマ君。ごめんねオークキングの件広めちゃって。けどギルド全体が暗かったから少しでも明るい話をと思って。」
「いえ、気にしていないので大丈夫ですよ。いい方向にいったみたいでよかったじゃないですか。それに隠すような話じゃないですからね」
「ありがとユーマ君! お礼にキスしてあげよっか?」
キス……だと……
大変うれしい提案なのだが、もう少しだけ小さい声で言ってくれないだろうか。周りの視線が物凄い事になってるんだが!さっきまでは俺に向かって好意的な視線ばかりだったのに敵意がかなり混じっている!
「嬉しい提案なのですが。遠慮させてもらいますね。それよりストン森林の調査の件について話を聞いてもいいでしょうか?」
「ちぇ~。まぁいいわ。えーとストン森林の調査の結果なんだけど、上位種が全部で3体発見されたわ。全部コカトリスの上位種ね」
3体か、オークキングと比べるとかなり少ないな。しかしコカトリスの上位種か、こいつはかなり厄介そうだな。
「その上位種の名前を聞いても?」
「ええ、その魔物はゴリトリスって言ってね」
なんか、想像していたのとかなり違う名前だな……
「な、なんか変な名前ですね」
「そうね、けどゴリトリスはオークキングよりかなり強いって言われてるわ。昔街に攻めてきたときはかなりの人が被害にあったはずよ」
へぇ、名前の割りにかなり強いみたいだな。
「その、ゴリトリスってコカトリスとどう違うんですか?」
「そうね、ゴリトリスとコカトリスの最大の違いはその身体能力ね。コカトリスはランクB相当にしては身体能力自体はかなり低い部類よ。けどゴリトリスは違う。その身体能力はオークキングを超えると言われてるわ。しかもコカトリス以上の毒も持っているって噂よ」
まじか、話を聞いた限りだとかなりの強敵だな。
しかも毒もコカトリス以上だと! これは少し毒耐性を上げておいたほうがいいかもしれないな。
「それはかなりの強敵ですね。メルさん一つ質問なのですが、スキル以外に毒耐性を上げる方法ってなにかないでしょうか?」
「一番簡単なのはマジックアイテムね。たしかマジックアイテムの指輪に毒耐性をあげる物があったはずよ。効果が高いものだとかなり値が張るって聞いた事があるわ」
なるほど、まぁ多少値が張るとしても仕方ないだろう。安全には変えられないことだ。そうときまれば久しぶりにリサの店に行ってみるとするか。
「わかりました、では知り合いの店で毒耐性の上がるマジックアイテムを買ってからゴリトリス討伐に行きたいと思います。色々ありがとうございました」
そうメルさんに言いとりあえずギルドから出ていく。
さて、まずはリサの店に行くとするか。
そう思い俺はリサの店に向け歩き出した……
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