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第46話 ギルドマスター



武器屋を出て歩き始めて数分後、


「よし、なんとか昼前にギルドに着くことができたな!」


思ったより武器屋で時間を使いすぎて、

もしかしたら時間に間に合わないかもと思っていたので、とりあえず一安心だ。



よし、じゃあ早速ギルドマスターとやらに会いに行くとしますか!

一体どんな人だろうな。少し楽しみだ!

そんな事を考えながら扉を開けてギルドに中に入っていく。

すると、


「おい、来たぜあいつが首狩りだ」


「まじかよ、あんなガキみてえなやつがオークキングを倒したあの首狩りのユーマかよ。」


「まぁ人は見かけじゃ判断できねえってことだな。sランクの紫電だって見た目はお子様なのに恐ろしく強いからな」


「だな。冒険者を顔だけで判断するのは馬鹿のやることだ」


色々言われてんなぁ。

ていうか俺の二つ名は首狩りでほぼ決定みたいだな。

正直に言うともうちょい穏やかなやつにしてほしかったけど、

俺の今までの戦い方を思い出すと文句はあまり言えないな……

そんな事を考えていると懐かしいおっさんの声が、


「よぉー首狩りのユーマさんよ。いやーおめえもすっかり有名人になっちまいやがったな!もう先輩面もできねえなこりゃ!」


グレースさんだ。

ていうかこの人いつもギルドにいるな。暇なのかな。

ああ、そういやこの人武器修理に出してるんだっけか。

なら仕方ないな。


「いえいえ、俺なんてまだ戦闘だけが取り柄のひよっこですよ。」


俺がそういうとグレースさんは、


「は!そうかそうか!なら仕方ねえな!当分は俺が冒険者ってもんについてきっちり教えてやるから覚悟しとけよ!」


「はい、よろしくお願いしますね」


やっぱりグレースさんはいい人だ。

最初に知り合った冒険者がこの人で俺は恵まれてるな。

もしグレースさんに何かあったら全力で手助けしよう。


「そういやユーマよ。お前今日はギルドになにしにきたんだ?ちなみに今日の依頼のお勧めはハイオークなんていいと思うぜ!」


「そうですね。依頼ももしかしたら受けるかもしれませんが、とりあえずの今日の用事はギルドマスターと昇格についての話ですね」


俺がそういうとグレースさんは少し苦笑いして、


「そうか、あのおっさんに会うのか。」


どうやらグレースさんはギルドマスターに会ったことがあるようだ。


「ギルドマスターとはお知り合いで?」


「まぁな。あのおっさんはギルドマスターだけど親しみやすくて、いい人だぜ。ただ一つ欠点があるがな」


欠点?


「欠点ってなんですかね?」


「ああ、いまはあのおっさんも冒険者を引退しておとなしくなってはいるが、昔はかなりの戦闘狂だったんだよ。ユーマも気を付けろよ?おとなしくなったとはいえ話をしている最中にいきなり攻撃してくることもあるかもしれないからな」


まじか!

ま、まぁさすがに昇格の話をするだけで攻撃してくるなんてことはないだろ。


「そ、そうなんですか。わかりました。一応気を付けておきます。」


「それがいい。じゃあ俺はそこらへんでのんびりしてるから、まぁ行ってこいや」


「はい。行ってきますね」


グレースさんと別れ、メルさんの元に歩いていく。

するとメルさんも俺に気付いたようで少し笑いながら話かけてきた。


「こんにちはユーマ君。いえ、首狩りのユーマ君って呼んだほうがいいかしら?」


「メルさんまで、やめてくださいよ。俺はあんまりその首狩りっての好きじゃないんですから」


「ふふ、ごめんなさいね。けど二つ名がつくってことはそれだけで冒険者の中である程度認められたってことよ。それは忘れないでね。」


「分かってますよ。二つ名がついた事自体はすごい光栄に思っています」


「ふふ、なら安心ね。さてユーマ君。まだちょっとだけ予定の時間には早いから、今のうちにコカトリスやオークの素材のお金を渡しておくわね。オークキングだけはもう少し待ってもらうことになるわ」


ああ、そういえばギルドに魔物の素材売ったんだっけか。

やばいやばい。忘れてた。


「お願いします」


「じゃあまずコカトリスの方は金貨4枚よ。次にオークの方は全部で金貨5枚になるわ」


俺は合わせて金貨9枚をメルさんから受け取る。

ふむ、オークの方が多いのか。まぁオークの方は20匹以上あったからな。


「ありがとうございます」


「ふふ、冒険者になって二日でこれだけ稼ぐ人は初めて見たわ。さてユーマ君、そろそろ約束の時間だから行きましょうか。私が案内するわ」


おっと、もうそんな時間か。


「はい、よろしくお願いします」


「じゃあこっちよ」


そして俺とメルさんはギルドの扉を抜け奥に歩いていく。

ふむ、ギルドというのは中々広いものだな。

これは俺一人だったら迷っていたかもしれない。

数十秒歩いただろうか、随分大きな扉の部屋の前まで着いた。


「さぁユーマ君この部屋よ。この中でギルドマスターが待っているわ。ユーマ君にいう必要はないかもしれないけどあまり失礼な態度はとっちゃだめよ?」


「分かっています。」


「じゃあ行きましょうか」


おや、メルさんも一緒に来るようだ。

まぁいい、とりあえず入るとしますかね。

そう思い俺は分厚そうな扉を開ける。

次の瞬間!




「ふん!」




いきなり俺の顔めがけて拳が飛んできた!!




少し前までの俺なら反応できなかった速度だ!

だがオークキングを倒しlevelが上がった俺なら十分反応できる!




俺は顔に迫ってくる拳を片手で受け止める!



ち、中々重いな!

オークキングほどではないがオークよりははるかに強い!



「!?」




部屋の中にいた人物は拳を片手で止められて少し驚いている様子だ。

ふむ、顔を見る限り50代といったところか。

しかしその体は到底50代には見えない。筋肉の塊のようなおっさんだ!




さて、俺もいきなり攻撃されて黙っているほどおとなしくはない。

さすがに武器は使わないが。一発お返ししようかとした次の瞬間。




「ちょっと!いきなり何やってるんですかギルドマスター!」





そんなメルさんの声が聞こえてきた。

このおっさんがギルドマスター?






その時グレースさんのギルドマスターに対する言葉を思い出す。








なるほど、戦闘狂ってこういう事ね……












最後まで読んでいただきありがとうございます!

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