第35話 ジニア
数分後俺は今度こそ無事にジニアに着くことができた。
「よし。今度は邪魔もなく着くことができた……」
さてジニアの見た目はバリス村のあの宿にそっくりである。
まさか姉妹なので宿の見た目まで似ているのだろうか……
そう考えながら俺は宿の中に入っていった。
中に入るとテーブルがいくつか置いてありその奥に受付のような所がある。
うむ!内装までそっくりだ!!
すると非常にマリアさんに似た声が聞こえてきた。
「いらっしゃいませ!宿屋ジニアにようこそ!
これはまた。
おそらくこの人がマリアさんの妹でサリーの母親のサリアさんだろう。
マリアさんと物凄い似ていらっしゃる……
姉妹でもここまで似るものなのだろうか。
まぁこんなことを考えていても仕方がない。
「初めてのお客さんね!うちの宿をご利用に?」
「あ、はい。バリス村のマリアさんからここの宿を紹介されまして」
「へぇ姉さんの知り合いなんだ!じゃあ少しは負けてあげるわよ!」
おお、本当に負けてくれるらしい。
正直お金は盗賊の件はコカトリスの件で割と潤っているのだが、
まぁ負けてくれるならありがたい。
「で、うちの宿だけど一泊銅貨3枚で食事付で銅貨5枚なんだけど、姉さんからの紹介ってことで特別に食事付銅貨4枚に負けてあげるわ!」
ありがたいな。
「では、とりあえず10泊ほどお願いします。全部夕食付で」
「あいよ!えーと10泊食事付で……銀貨4枚だね!」
俺はアイテムボックスから銀貨4枚を取り出し手渡した。
「丁度だね!しかしアイテムボックスなんて珍しいスキルもってるんだねー。冒険者か何かかい?」
「そうですね。今日冒険者登録をさせていただきました」
「おや、じゃあ新人じゃないか!この宿にも新人冒険者って結構来るんだけど気を付けるんだよ!新人はすぐ調子に乗って自分の実力にあわない依頼とか受けちまうからね!」
ふむ。登録してすぐBランクの依頼を受けたことは黙っておこう……
「はい。自分の実力は分かっているつもりなので無茶はしませんよ」
「ならいいさ!さてあんたの部屋だけど階段上って突き当りの部屋だね。あと夕食だけどいつもは今から1時間後ってとこなんだけど今日はちょっと娘が留守だから遅れたらごめんね」
まぁサリーは親友の所に行っているはずだから、
遅くなるのも仕方ないだろう。
「わかりました。夕食の時間には降りてくるようにしますのでそれでは。」
そういい俺は階段を上り泊まる予定の部屋についた。
中に入ってみると部屋の中までマリアさんの所の宿にそっくりだった。
とりあえず夕食まで時間がある。
俺はベッドに横になり、
「ふぅ。フロックスに着いたばかりだったのに色々あったなぁ。鍛冶屋にいってラルド討伐の報告。それからサリーに会って依頼を受けてコカトリス討伐。そこからさらに冒険者の襲撃だ」
やばいな。めちゃくちゃハードじゃないか……
ただし疲れはあまり感じない。levelが上がって体力が増えた影響だろう。
……ん?level、、あ!ステータスの確認していないじゃないか!。
そういえば最近見てなかったな。
夕飯までの時間がかなりある。確認でもしておくとするか。
佐藤悠馬level38
HP300/300
MP210/210
力120
体力120
素早さ80
幸運240
{スキル}
経験値20倍
スキル経験値20倍
鑑定level10
気配遮断level8
気配察知level2
短剣術level4
火魔法level3
水魔法level1
風魔法level1
回復魔法level3
料理level1
アイテムボックスlevel3
話術level2
{称号}
異世界転移者
引きこもり
ラビッツハンター
駆け出し魔法使い
駆け出し料理人
むっつりスケベ
「ほう、コカトリスを倒した成果だろう、かなりlevelが上がっているなぁ。さすがBランク相当ってとこか。力と体力はいよいよ100を超えたか。素早さは相変わらず他のに比べたら低いが80あれば今のところ十分か。幸運は言うまでもないな。スキルは、、気配察知とアイテムボックスと話術のlevelがそれぞれ上がってるな。称号は特に変化なしか。」
ふぅ。久々にステータスを見たがかなり成長している。
ほぼすべてのステータスがグレースさんの2倍以上になっている……
いまなら真正面からでも力押しできてしまいそうだな。やらないが。
しかし気配遮断だけはやっぱりlevelが上がりにくいみたいだ。
まぁlevel8だから仕方ないと言えば仕方ないだろう。
その後ステータスの確認を終えた俺は再びベッドに横になり、
夕食の時間までのんびり過ごしていた。
そして約1時間後。
そろそろ時間だろう。
そう思い俺は部屋を出て階段を下りて行った。
するとすぐサリーが俺を見つけて声をかけてきた。
「あ!ユーマさん。本当に来てくださったんですねうれしいです」
「ああ約束だからね。そういえば親友の子は大丈夫だったかい?」
「はい!リサなら薬を飲ませたあとすぐに症状は消え、今は安静にしている状態です」
「それはよかった。」
「はい!明日には体力も回復するだろうって。それでですね、お礼がしたいから今度店に来てほしいって伝えてほしいと言われたのですが、その……」
なんだ、急にサリーがモジモジしだしたぞ。トイレか!
「その、リサのお店はマジックアイテムを扱う店でして……」
ほう、マジックアイテム!
たしかグレースさんが火をつけるマジックアイテムを持っているような事をいっていたな。
「それでですね、今度機会があれば私と一緒に行ってみませんか!?」
ふむ、そんな店があるなら是非行ってみたい。
しかもサリーが案内してくれるなら万々歳だ。断る理由がない。
「いいよ」
俺がそういうとサリーは小さくガッツボーズみたいな事をしていた。
「じゃあ今度一緒に行きましょうね!絶対ですよ!じゃあ私夕ご飯の準備があるのでユーマさんは座って待っていてくださいね!!ではまた後で!!!」
そう言い残しサリーは走り去っていった。
やはりトイレでも我慢していたのだろうか……
まぁいい。とりあえず空いている席に座って待つとしよう。
席に座って待っているとサリアさんが声をかけてきた。
「あんた娘のためにコカトリスなんて凶悪な魔物、倒してきてくれたんだって!?」
「そうですね。たしかにサリーの依頼を受けコカトリスを討伐しました」
「とりあえず礼を言っとくよ。娘のためにありがとうね!けどあんた宿に来たとき無茶はしないって言ってなかったっけ?」
「はい、無茶はしていませんよ。コカトリスは俺の実力なら十分倒せる強さだったので依頼を受けただけです。さすがに自分の力より上の依頼は受けないので大丈夫ですよ。俺は死ぬのが嫌いですからね」
「そうかい。なんかあんたは大物になりそうな気がしてきたよ……」
そう言い残しサリアさんは厨房に戻っていった。
その後サリーが大量の料理を持ってきてなんとか食べきれた。
もちろん料理の味は最高だった。