第3話 転移
……神様、不思議と驚きはそれほどなかった。
「おや、いきなり信じてくれるのは珍しいねぇ~、普通は神様なんていったらうさんくさいと思いそうなもんだけどね~」
うさんくさいと言われればその通りだが、俺はたしかに死んだ、ここが死後の世界かどうかはわからないがこんな場所にいる人が普通の人なんかな訳はない。そう思った。
「ああぁ、ちなみにここは死後の世界ではないよぉ。生と死のはざまみたいなもんだねぇ」
生と死のはざま?なら俺は死んでいるのか、それとも生きているのか。
「このままいくと死ぬだろうねぇ。ただこのまま死ぬには少しもったいないかと思ってさぁ。ちょっと話をしてみたかったわけなんだよね~」
このまま死ぬともったいない?俺は自分でいうのもなんだが長所も特にない平凡なただのニートだ。その俺が死んだところでなにがもったいないというのだろうか……
「君はきづいてないだろうけど君なかなか才能豊かなんだよねぇ~、君さえよければ異世界でもいってみないかい?」
俺が才能豊か?まったく心あたりもない話だ。いやそれよりも異世界ってなんだ、よくラノベとかであるゲームの世界のようなものだろうか……
「そんなようなものだよ~。いまなら特別な力とかもあげるからどうだろう、いってみないかい?」
特別な力、なんだろう、いい響きだ。ネットゲームとかでもそうだが人より優れた力、人がもってない力を持っている、正直憧れる……
「ちなみに転生ではないのでそのままの今のままの姿でいってもらうことになるねー」
転移というやつか、正直いってみたいが。
「すみません、もし断ったら俺はどうなるんでしょうか?」
神様はニッコリ笑いながらこたえた。
「このまま死ぬね~」
答えはきまった、まだ死にたくはないのだ!
「異世界いきます、いってみます」
神様は俺のその答えに満足そうに笑って答えた。
「それはよかった~。よし今から送ってあげるね~」
そして俺の意識が遠のき始めた。消える前に神様の声が耳に聞こえた。
「じゃあね~、今度の人生は幸せになるように祈ってるよ~」
そして新しい人生が始まった。
読んでいただきありがとうございます。
これからもこの調子で頑張っていくのでよろしくお願いします。