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第29話 到着


「おいユーマ起きろ。朝だ、そろそろ出発するぞ」


そんなグレースさんの声で俺の一日は始まった。


「おはようございますグレースさん。」


「おう!よく寝てたようだな。初めての野宿だとなかなか寝付けないってのが多いがお前には心配なさそうだな。」


「はい。予想以上によく眠ることができました」


「よかったじゃねえか。それじゃ出発するぞ。」


「はい。」




そうして俺達は昨日と同じように速さで歩き始めた。

そういえば……



「グレースさん、このままのペースで歩いて行ってフロックスにはいつ頃着くことができるのでしょうか?」


「そうだな。おそらくだがあと5~6日くらいで着くことができるはずだ。」


ふむ、結構かかるな……まぁ仕方ないか。

そうしてしばらく歩いていると異常にきづいた。


「グレースさん」


「ああユーマも気づいたかさすがだな、ゴブリンが2体ってとこか」


「なら俺が片づけて」


「いや俺が行こう。盗賊との闘いのあとしばらくなにもしていなかったから、このままだと腕がなまっちまう。ゴブリンじゃ少々物足りないがまぁ何もしないよりはましだろう。ユーマはそこで見ててくれや」


「わかりました」


ふむ、これはいい経験かもしれないな。間近でBランク冒険者の戦闘を見れるんだ。しかしゴブリンか、一応鑑定だけでもしておくとするか。{鑑定}



ゴブリンlevel7

力14

体力19

素早さ11

幸運2

{スキル}なし{称号}なし



うん弱いな、おそらくシルバーウルフと同程度かそれ以下だろう。

そんなことをしているとグレースさんがゴブリンに向けて走り始めた。



「いくぞおらああああああ」



そこまで早いというわけじゃないな。ラルドより少し早いくらいだ。

グレースさんはそのままゴブリンの正面まで走っていき大剣を鞘から抜き放ち、


「そぉぉぉらあああ!」



「ギャアアアアアアアア」



そのままゴブリンを一刀両断した。

ゴブリンも持っていたこん棒のようなもので防御しようとしたもののこん棒ごと両断されていた。

なんて力技だ……


「つぎぃいいいいいい」



そしてそのまま大剣を背負い直しもう一体のゴブリンの元に走っていき、

さっきと同じようにゴブリンを両断した。

ふむ勉強にはならなかったな、相手が弱すぎる上に俺とは戦闘スタイルが違いすぎる。



グレースさんは剣についていた血を振り払い鞘に納めこちらに歩いてきた。


「グレースさんお疲れ様です。」


「ああ。やっぱゴブリン程度じゃぁだめだな!手ごたえがなさすぎて訓練にもなりゃしねぇ。もっと斬りがいのある魔物でも出てくんねえかな。しかしちょいと剣の調子がわりいな」


おいやめろ。フラグでもたったらどうするんだこの脳筋野郎め。


「いいじゃないですか平和で。安全にいきましょう安全に」


「ユーマはそこまで強いのに戦いはあまり好きじゃねえんだな」


「そうですね。あまり無駄に戦うのは好きではないですかね俺は。まぁ盗賊とかなら喜んで戦いますがね。やっぱり悪いことはよくないですから。」


「ああそうだな。さてユーマ、このゴブリンだがお前のアイテムボックスにしまっておけるか?もし無理な場合はこのままおいていくが」


「ああいいですよ。しまっておきますね」


「ありがとよ!さて先に進むとするか。」



そしてまたゆったりと歩みを再開した。



夜になると。



「よしここらで今日は終わりだ。飯の用意するか」


「昨日と同じパプゴとラビッツでいいですかね?」


「ああ!本当にありがとなユーマ。フロックスに着いたら俺がなんかご馳走してやるぜ!」


ほうそれは楽しみだな。とびっきり高級な物でも頼んで困らせてやろうか。


「いっとくがそこまで高いものはなしだからな。」


ちっ……読まれたか。


「なんだよその悔しそうな顔は!いっとくが俺だってそうそう金に余裕あるわけじゃねえんだからな。今回の盗賊からの護衛だって結局失敗だから賠償金をギルドに払わなけりゃいけないからな」


「なんでですか? 村は無事守れたし盗賊だって全滅させたじゃないですか?」


「いや盗賊を村に入れちまってしかもリーダーを逃がしちまった。その時点で失敗だ」


そんなものなのか。


その後飯を食いながら。



「そういやユーマはよ、フロックスに行ったらやりたいこととかないのか?俺と同じ冒険者にでもなるか?そんだけ強いんだから余裕だと思うぜ」


「そうですね、とりあえずですが冒険者になってみようと思いますよ」


それを聞いたグレースはんはにやっと笑い


「そうかそうか!なら俺の後輩になるってわけだな!色々俺が教えてやるから覚悟しとけよな!」


「はい。そのときはご指導よろしくお願いします」


「素直すぎてつまんねーな……まぁあっちで困ったことがあったら俺にいいな!できる限りは手助けしてやるからよ!」


「わかりました」



俺がフロックスに行ってやりたい事か。



そんなことを考えながら夜は更けていく……





その後六日間ほどは何事もなく平和に進んでいた。

やはりなにもないのが一番である。



「よしユーマそろそろだ。おそらく今日のうちに着くことができると思うぞ」


「なるほどわかりました。」


ふぅ、もう少しでようやくフロックスに着くみたいだ。

さすがに7日間以上歩きっぱなしはさすがに疲れたな。

フロックスに着いたらとりあえず盗賊の件を済ませてマリアさんの妹さんが経営しているという宿屋にいってゆっくり休みたいな。


そんなことを考えているとふと視界の端に森のような所がみえた。


「グレースさん。あんなところに森なんてあるんですね」


「ああ、あそこの森な。ストン森林っていって街から近いせいで結構有名なんだが……」


「どうしたんですか?」


「ああ、あそこには極力近づかない方がいい。あそこは生息している魔物も比較的弱いのばかりでそこはいいんだが……一匹だけかなり厄介な魔物がいてな」


ほう、厄介な魔物か。そこまで言われたら気になるじゃないか。


「どんな魔物なんですか?」


「ああ、そいつの名前はコカトリスっていってな。見た目はニワトリやら蛇やらいろいろ混ぜ込んだような外見なんだが、厄介な毒をもっていてな、その毒を食らっちまうと体が石になっちまうんだ」


へぇ……たしかにそいつは面倒だな。


「その毒って回復魔法とかで治らないもんなんですか?」


「治るには治るらしい。だがたしかlevel3以上の回復魔法しか効果がないっていう噂だ」


回復魔法level3か……俺の回復魔法はまだlevel1、当分の間は近づかない方がよさそうだ。





そしてさらにしばらく歩くと。





「お!ユーマみえてきたぜ!あれが俺たちの目指してる街フロックスだ!」



おおあれがフロックスか、門でけぇ。バリス村の門とか比較にならないほど大きくて頑丈そうだ。これならよほどの事じゃない限り壊れることはないだろう。



「すごいですね、ここから見ても相当大きな街だってのがわかりますよ」


「フロックスはここらじゃ一番大きな街だからな!」




おそらくこの街とは長い付き合いになるだろう。

しかし、やりたいことか……この街で見つけることができるだろうか。





バリス村からざっと8日、俺たちは無事フロックスの街に着くことができた。



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