第21話 宿屋
ガントさんと別れた俺はもう一人の門番さんに軽く挨拶をし
村へと入っていった
村に入った俺はとりあえず周りをみてみる
ふむ、 やはり結構大きい村だな
およそ20~30ほどの建物が並んでいる
建物はすべて木造のようだ 俺のすんでいた世界では木造住宅というのはあまり見かけないものだ、しかしここでは木造住宅が主流なのだろう
「さて とりあえず紹介された宿屋に行ってみるとしますかね」
たしかガントさんのいっていた宿屋はここをまっすぐすすんで6件ほど先といっていた 俺は周りの家などを眺めながら歩き始めた
歩いていると道具屋のようなものがみえてくる
しかしなんだか商品が散らばっている そうか確か盗賊に襲われたんだったなこの村は・・・ 少し気の毒におもったが俺にできることは何もないのできにせず歩いて行った。
歩き続けていると村人とすれ違うこともある
普通に挨拶を返してくる人もいれば、なんだこいつは?と怪しいやつをみるかのようににらんでくる人もいた、 まぁ実際いまの俺の恰好は怪しいと思うので仕方ないだろう。 子供に怖い人でも見るかのようにおびえられたのが少しショックだったのは内緒だ・・・
そうしているうちに宿屋のような建物についた
おそらくここがガントさんのいっていたオススメの宿屋だろう
「ふむ そこまで広いというわけではないな だがいい雰囲気の建物だ
とりあえず入ってみるとするか・・」
そうして俺は宿の扉を開けて中にはいっていった
中に入ってみると受付席のようなものだろうか そこにすわっていたおそらく年が20~25歳前後のかわいいというより綺麗という言葉が似合いそうな美人さんが声をかけてきた
「いらっしゃい! 」
そう声をかけられた俺はその美人さんの座っている受付席に歩いて行った
うーん 近くでみるとさらに綺麗だな・・少しだけ緊張してしまう・・
「初めまして 俺は今日この村にきた佐藤悠馬といいます
一泊したいのですが部屋は空いてるでしょうか?」
「はい、 丁度一部屋空いてますよ お泊りになるのでしたら食事はどうなさいますか? 泊まるだけなら2銅貨で食事もつけますと3銅貨になります。」
俺は腹が減っている うまいものも食べたい 当然ここは
「食事つきでお願いします」
「かしこまりました では一泊食事とあわせて3銅貨となります。」
俺はポケットから銅貨3枚をとりだし丁寧に美人さんに渡した
「はいたしかに。 夕食はいまから大体1時間後ですがここで食べるか部屋に直接とどけることもできます どうなさいますか?」
「ここで食べさせてもらいます」
さすがに部屋までもってきてもらうのは悪いからな・・
それにたまには大勢人がいるところで食べるのも悪くはないだろう
「かしこまりました。 ではこれから部屋に案内いたします
マリー 降りてきなさいー!」
そう美人さんが少しだけおおきな声をあげると階段をドッドッドと降りてくる音が聞こえてくる
「呼んだママー??」
降りてきたのは美人さんをそのまま10歳ほど若くしたような大変かわいらしい女の子だった 短めのスカートがすごく似合っている というか いまこの子この美人さんのことママってよばなかったか?・・・
「新しいお客さんよ 部屋に案内してあげてくれる?」
「わかったー お客さん名前はなんていうんですか!!?」
元気いいなこの子・・・
「ああ俺の名前は佐藤悠馬っていいます ユーマとよんでください」
ガントさんも俺のことユーマとよんでいたしこっちのほうが呼びやすいだろう
「ユーマさんですねー 私はマリーっていいます よろしくですよー
ではユーマさんの泊まる部屋に案内しますのでついてきてくださいねー」
そういいながら階段を上がり始めてマリーのあとを俺はついていった・・・
マテ・・マリーはいまスカートをはいている
そして先にマリーが階段をあがって俺がそのあとをついていく形だ
この状態で俺は顔を上げると・・
何もみてない何も見てない何も見てない 忘れよう
「あれユーマさんどうしたんですかぁー 少し顔が赤いようですけどー?」
マリーは無邪気にそんな質問をしてきた こいつ狙ってないだろうな・・・
「イヤ ナニモナカッタデスヨ 」
「そうですかー ならよかったです!
あ ここがユーマさんの泊まる部屋になりますよー」
どうやら着いたようだ
俺は扉をあけて中にはいっていった
ふむ そこまで広くはないがなかなか綺麗な部屋だ
ベッドが一つに小さなテーブルが一つおいてある
「マリー案内ありがとう 助かったよ」
「いえいえー では食事はいまから約1時間後なので忘れないようにねー」
そういいながらマリーは扉をしめ仕事にもどっていった
俺はようやく一息つきベッドに横になった
うん 寝心地も悪くない 洞窟の簡易ベッドに比べたら月とスッポンだ
ふぅ~ まずいなぁ このままベッドに横になっていたら寝てしまいそうだ
ご飯までひまなのでステータスでも確認しとくか
ステータスオープン
HP210/210
MP135/150
力74
体力74
素早さ48
幸運158
{スキル}
経験値20倍
スキル経験値20倍
鑑定level10
気配遮断level8
短剣術level3
火魔法level3
水魔法level1
料理level1
アイテムボックスlevel2
話術level1
{称号}
異世界転移者
引きこもり
ラビッツハンター
駆け出し魔法使い
駆け出し料理人
むっつりスケベ
「ふむ MPはかなり回復したな
スキルに話術が増えている これはどこで取得したんだ
ガントさんと色々話したときだろうか・・
おい・・なんだ称号のムッツリすけべって!
あれか! あれが原因か!
仕方がないだろう あの状況で上を向かずにいられる奴は男ではない!
そう仕方がなかったのだ・・ 後悔はしていない・・」
そんなこんなしているうちにどうやら1時間ほどたったみたいだ
1階が騒がしくなってきた
「そろそろ飯の時間か 時計でもあればわかりやすいんだがな」
そんなことを考えながら俺は食事をとるため部屋から出て1階に歩いて行った
1階につくとそこは1時間ほど前よりかなりにぎわっている
飯の時間だからだろう
「あ ユーマさん降りてきたねー 空いてる席に座っててねー
ご飯できたら持っていくからー」
いい子だ・・・かわいいしすごいいい子だ・・
俺は空いてる席をみつけ座り料理がくるのを待っていた
数分もしないうちにマリーがおいしそうな料理を持ってきた
「お待たせー 今日はシルバーウルフのステーキにスープとサラダだよー」
ごくり・・ 正直に言おう めっちゃうまそうだ
はじめて食べた丸焼きラビッツもうまかったがこれには勝てそうもない・・
「じゃぁ食べ終わったら食器だけ返しに来てねー じゃぁごゆっくりー」
そういってマリーは自分の仕事にもどっていった
さて・・もう我慢できない
「いただくとするか・・」
ステーキをまず一切れ食べてみた
・・やばい・・うますぎる・・
シルバーウルフなんて聞いたことないからどんな肉かわからないが
とにかくうまい!
次にパン 異世界のパンというと硬い味のないパンを想像していたがこのぱん
柔らかい!!!
最後にサラダ これも文句なしにうまい このシャキシャキ感 たまらねえぜ
俺は数分とたたずにすべて食べきった
超うまかったあああああああああ
こりゃたしかにガントさんがオススメするわけだ
「ああぁ 最高にうまかったー・・・」
食後の余韻にひたりながらのんびり水をのんでいると
宿屋の扉がバッと開いた
客でも来たのだろうか そう思いチラッとみてみると
「今かえったぜええええ お ユーマじゃねえかあああ
迷ってるんじゃねえかとおもったがちゃんと着いてて安心したぜええ」
ガントさんだった
「ガントさんじゃないですか もしかして俺がちゃんとここにきてるかもしかして確認しに来てくれたんですか? それともガントさんもこの宿を利用してるんですか?」
俺の質問にガントさんは一瞬なにいってんだコイツみたいな顔をして
次の瞬間
「なにいってんだユーマここは俺の家だぜ?」
はい?
「あー お父さんおかえりー」
マリーがすごい笑顔でガントさんに抱き着いて行った
おとう・・・さ・・ん?
「ああただいまマリー ちゃんと母さんの手伝いしてたかー」
すると美人の奥さんが
「あらあなたおかえりなさい 今日も仕事お疲れ様」
「おう ただいまマリア!」
なんてこったい