第16話 別れ
・・目の前には粉々に砕け散ってしまった俺の唯一の武器ナイフ君・・・
一瞬なにが起きたか理解できなくて
数分の間、俺は粉々になったナイフをみつめていた・・・
それからさらに数分 少し気持ちが落ち着いてきた
「まじかぁ・・まさか壊れるとは思っていなかった・・
いや・・よく考えれば拾ったときすでにこのナイフはボロボロった
そこから約30体ほどのラビッツとの戦闘だ
すでにいつ壊れてもおかしくなかったのかもしれないな・・
むしろ戦っている最中に壊れなかっただけ幾分ましともいえる・・」
いや落ち込んでいても仕方がないな
俺はアイテムボックスから草葉をだしそのうえにナイフの残骸をのせ
さらにパプゴをひとつ添えておいた
「お墓・・・みたいなものかな
ありがとなボロボロナイフ
お前がいなかったら俺は生き残れていたかはわからなかったよ」
・・よし
ナイフのことはこれでおしまいだ じゃあなボロボロ!
さて次に考えることだが
「・・・武器・・どうしましょう・・」
そう・・唯一の武器が壊れてしまったのである・・
「まぁまだ一応魔法で攻撃できなくはないな
ファイアボールは結構な威力を持っていた
おそらくまともに当てることができればラビッツなどは瞬殺であろう」
そういえば気配遮断の使っているときに魔法をつかったらどうなるのだろう
魔法も一緒に見えなくなるのか それとも魔法だけ見えるのか
今度ラビッツ相手にでも実験しておくか
「あとは・・とがった木の枝くらいか これは正直武器になるかは怪しいな
相手に刺さる前にこっちが折れてしまいそうだ」
しかしやはりメインとなる武器などがないと心もとない
魔法は気配遮断のためにほいほい使いまくるわけにもいかないからな
そうなるとやはり・・・
「この森林から・・・出るしかないな・・」
おそらくそれしか方法はないだろう
こんなところに武器が都合よく落ちているなんて
おそらくもうないだろう
そうなるとどうしても村や町などにいって武器を調達する必要がある
「はぁ・・・この洞窟気に入ってたんだけどなぁ・・
まぁ仕方がないな 今後のためだ
よし そうときまれば早速いくか・・」
必要なものをすべてアイテムボックスの中につめこみ
俺は洞窟をあとにした・・
しばらく歩いただろうか
俺はいつもの場所にたどり着いた
「ふぅ・・少し休憩していくか」
しばらく歩いて少し疲れたので少しだけここで休憩していくことにした
頭上に菜っていたパプゴをちぎりとり かぶりつく
「うんうまい・・・安定の味だ」
休息をとりながらここからどっちにいけば森からでられるかと考えを浮かべていた。
たしか前にパプゴを鑑定したときこの果物は森の入り口付近に生息していると書いてあったことを思い出した。
なら森の出口はここからそこまで遠くないはずである
そうして考えているとふと森の先から人の話し声らしきものがきこえてきた
「なにか聞こえてくるな・・これは・・人の話し声か?・・
話の内容は詳しくはきこえてこないが何かから逃げてきたみたいだ」
とりあえず隠れて様子をみてみるか・・・
もし魔物から逃げてきたとかだったらすまないがこのままスルーさせてもらおう
しばらくするとがっしりとした顔に傷のある男一人と
どちからというと痩せている男二人が目の前の空間に飛び込んできた
3人の服装はどう考えてもただの村人・・ではない
服のところどころに血がついているのも気になる・・・
少し経つとやつらの会話がきこえてきた
「はぁはぁ・・アニキ! なんとか逃げられたみたいですね!」
「ああ ここまで逃げればとりあえず安心だ
森の中だ そう簡単には追ってこれねえはずだ!」
「しかし今回は運が悪かったっすね!
襲っている村にまさかあの強さの冒険者がいるなんて・・」
「ああ あいつはおそらくランクBくらいの強さはあるな・・
サブとアブが逃げ遅れてあいつに斬られちまったがまぁ仕方がねえ!
俺らだけでも逃げられただけ御の字だ」
ふむ・・村を襲うなどの発言からこいつらはおそらく・・・盗賊か
念のため鑑定を使っておくことにする
とりあえず一番偉そうなやつに{鑑定}発動。
ラルドlevel28
HP90/135
MP0/0
力38
体力41
素早さ28
幸運16
{スキル}
剣術level1
短剣術level1
{称号}
盗賊
「盗賊で間違いないみたいだな・・・」