第1話 一つの終わり
今年25歳、名前は佐藤悠馬、絶賛引きこもりのニートだ。
「大学を中退してから7年間、俺はやることも特になくひたすらネットゲームにあけくれている……だが俺は最近危機を感じていた、そう課金ができなくなりそうなのである! ネットゲームをやったことのある人ならわかってくれるとは思うが、今や課金なしではネットゲームはなかなかやっていけない。俺も親にもらっている小遣いからやりくりしていたがいよいよやりくりが厳しくなってきたのだ! だけどどうする、俺は引きこもりニート、それなのに親に小遣いを値上げしろなどいえるほど図太い性格はしていない。まぁニートをやっている時点ですでにかなり図太いとは思うが……残された方法は、バイトくらいしかないか。よしそうときまればいっちょバイトでも探しにいってみるか! しかし俺最近独り言多くなってるな、長年引きこもっていたから癖にでもなっているのかね……」
生まれてこのかた働いたことなどないはずなのに、この時の俺はなぜか調子にのっていた……。
次の日、意気揚々と家を出ていく。途中、久しぶりに見た母さんが驚いた顔でこちらを見ていたが無視した。
とりあえず歩いていける距離に本屋があるのでそこに行ってみるか。そう考え街道を歩いて行く。
頭の中ではこれで課金できるようになると考え、それ以外の事にまるで注意を向けていなかった。
その時だった。大型トラックが猛スピードで突っ込んできたのだ。
まずい、普通の車ならまだしもこの大きさのトラックにはねられたら間違いなくお陀仏だ!
そう思い慌ててよけようとするも、引きこもっていた体がそんな俊敏に動くわけもなく。
気付いた時には目と鼻の先にトラックが迫っていた。
「あ……俺死ん……」
本当にあっさり、俺の人生は終わった。
読んでいただきありがとうございます。
これからもこの調子で頑張っていくのでよろしくお願いします。