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魔法と剣と俺だけ銃の世界  作者: 俺のだけのバリアフリー
7/40

魔法の威力

門を出て誰も俺を見ていない事を確認すると走る速度を少しだけ速める。

事件現場に着くまでに今日ゲットした400DPで装備を整えようとした瞬間に装備画面のAKが目に入る。


・・・・AKの事忘れてたあああああああああああああ!

ま、まぁ。これから試せるし?あえて今まで温存してたんだし?


ぐちぐちと脳内で誰にするわけでもない言い訳を言い自分を慰めながらもAKの改造をする、ストックとショートマガジンを200DPで元に戻す、結局使わずに元のAKに戻ってしまった。

残りの200DPの内100DPでグリップを取り付け後は温存しておく。 職員さんはゴブリンの群れと言っていた、そうなると今から起きる戦闘は1対多数の戦闘だ。相談数も30発戻したしグリップと木製のストックで反動が押さえられ命中率が上がっている。


デジタルプリントの操作画面を閉じて装備画面を開く、先程のAK47はもちろん装備して後はハンドガンとナイフを装備する。この世界で手に入れた武器は今回はなしだ、いくら雑魚のゴブリンと言えど数が集まればなんでも強くなる。 そんな不安な戦いに行くのだ一番慣れている装備で行くのがいいに決まっている。

装備を終えて正面を向くと少し離れた所で煙が見える


「・・・あれか」


走る速度を緩めてAKを構えたまま状況が分かる距離まで近づくと目的の奴隷商人の一行が見えてきた


「う、うわあああああ!」

「ひぃ!?な、なにをしている!私を守れ!積み荷は絶対にやられるなぁ!」


黒い首輪をつけた男や女3人に囲むように守られている高そうな服を着ているデブのおっさんが何もせず喚いている。

その後ろには片方の車輪が無残にも潰されている馬車と2体の馬の死体が転がっていた、どうやら荷物がよほど大切らしく逃げずに戦っているみたいだ。


ボロボロの服を着て黒い首輪をつけている2人の男が剣でゴブリンと戦っているが足に鎖がついていて思うように戦えてなく苦戦している、その後ろにボロボロの服に黒い首輪をつけ手を前に突き出している少女が居るが顔が真っ青で唇も紫色だ、その少女の後ろに隠れる様に喚いているのが奴隷商人だろうか。


ゴブリンの数はざっと10体くらいだろうか、その一番後ろに杖を持って無駄に装飾品を着けているゴブリンが立っているあれが指揮官だろうか。

他には倒れている奴隷に何度も剣を突き立てているゴブリンや首のない女の身体を相手に犯しているゴブリンもいる。


AKのコッキングレバーを引き薬室に弾を送る、足を止め狙いを定めようとした時、杖持ちゴブリンが杖を4人へと向ける、杖の先に赤い光が現れ徐々に大きくなる。


やべ!あれまずいんじゃないか!?


嫌な予感を感じていそぎ杖持ちゴブリンに発砲する


バン バン


距離があったので胴体を狙ったが1発目は右肩2発目は腹に当たった。

被弾して杖持ちのゴブリンの姿勢が大きく崩れ魔法の狙いがずれて直撃はしなかったが後ろの馬車に辺り爆発する。


「うわああああああああああああああばしゃがあああ」


奴隷商人の悲鳴が聞こえるがそれどころではない、他のゴブリンが指揮官を倒したからか知らないが一斉にこちらを向くと  数秒の間の後一斉にこちらに走ってくる。


ギェエエエエエエエエエエエエエエエ!ギャギャ!ギェエエエエエエエエエエエエエ!


ゴブリンだがその醜悪な顔面が沢山こちらに向かってくる。 一瞬びびってしまうが反応が遅れたら俺が死ぬ、一瞬で平常心を取り戻し近い順番からタップ撃ちしていく。

マガジン内の段数は視界の右下に表示されているので弾切れを起こさないように気を配りながら尚且つ射撃目標のゴブリン達から目を離さない


パパパ パパパ


残り6発


パパパ パパパ


0!


グリップから手を放し手のひらを開けると新しいマガジンが現れ、マガジンで空のマガジンを落とし装填し、そのまま視界を確保したまま左手を下から回しコッキングレバーを引きリロードを終わらせそのまま射撃に戻る。


目の前で倒れた屍を踏むこえてこちらに突っ込んでくる姿は昔見た第二次世界大戦で機銃とトンプソンを持ったアメリカ兵に玉砕しにいく日本兵の様だった。 だからって相手はゴブリンとか言う化け物だから情けは掛けないけどな!




数秒後銃声もゴブリンの鳴き声も聞こえなくなって、残ったのは火薬の匂いと血の匂いとゴブリンのうめき声だった。

流石にこちらに走ってくる対象にヘッドショットなんて出来ないので確実に当てる為に胴体を狙ったのだ、そのおかげか動けなく死んでもないゴブリンが割と居た。

メラメラと燃える馬車に近づきならまだ生きている足元に倒れているゴブリン達の頭をハンドガンで撃ち抜いていく。


馬車にたどり着くと一人の男奴隷は気を失っていたがもう一人の男奴隷は目を見開いたまま倒れている、どう見てもその目にはもう生気はなかった。

もう少し馬車に近い所に奴隷商人が燃えている荷物の下敷きになっているのを発見する、自業自得だと思いながら近づくと奴隷商人をかばうように少女の奴隷が商人のおおかぶさっていた、奴隷が奴隷商人を自分の意志で命を張って守るとは考えにくいこれは多分魔法が来る前戦闘中に「私を守れ」と命令していたからだろうか、なんともやるせない。


駆け寄って上に乗っていた荷物を退けて少女と商人を引きづりだし馬車から離れた所に寝かせる。


「・・・・・・・・」


少女を引きづり出してから分かったが右足がない、無いと言うより恐らく先程の荷物の重さで千切れたんだろうボロ雑巾の様な傷が痛々しい。 商人の荷物の中に布があったので引きちぎり傷口を強く締めてやる。 背中と首と顔にも火傷があるみたいだ。

気を失っている男は左腕に火傷があるが憎たらしいことに奴隷商人は少女に守られたおかげか服が焦げただけで体は無傷なようだ。


その後積み荷と馬車の残骸で何とかソリのようなものを作り3人を街へと運べたが、他の死体達は運べないので布をかぶせて置いてきた事を門番の兵士には伝えたので後で迎えに行ってもらえるだろう。


冒険者ギルドに3人を連れて入るととギルド内にどよめきが走る。

カウンターに立っていた女性職員さんと奥から素材引き私の時のおっさん達が駆け足で寄って来て3人を奥まで連れて行く、今回倒したモンスターの解体をお願いしよう思っていたのだが受付の人も3人の対応に追われているらしく忙しそうに動いていた。


・・・明日でいいか


わざわざ忙しい所に仕事も持って行くのも可愛そうなので今日の所は退散することにした。

アイテムボックスの原理などは分かっていないがゲームでは食料が腐る事はなかった、それが食料そのものが腐らない設定だったのかアイテムボックスに入れているから腐らないのかは知らない。 しかし今日明日で死体が腐る事もないだろうたぶん




宿に戻った俺は奥からいい匂いがするカウンターに立っているおっさんからスープとパンの晩飯セットを貰い部屋で食べていた。


コンコン


むしゃむしゃ ん?


ノックが聞こえたのでパンを齧りながらドアを開けるといつもの職員さんが立っていた。


「どうふかしたふぇふか?」

「今すぐにギルドに来てください」

「ぎふどに?いまごはんふぉ」

「今すぐです!」


折角食事していたのに強い口調で言われたので仕方がなくついていくことにする


「用意してくるので待っててください」

「急いでください」


ドアを閉めてパンをすべて口に含みスープで流し込むみドアをまた開けると先程と格好も変わらない俺に「なんの準備だったんだろう?」と言った表情をしたがすぐに切り替えギルドに案内してくれた。



職員さんに連れられギルドの奥の部屋に案内されると中にはあの奴隷商人が包帯をぐるぐる巻きにして座っていた。

元から商人と話していた男の職員が「彼です」と商人に告げると


「君か!ワシを助けてくれたのは! いやぁ助かったよ!おい、例の物を」

「はい」


奴隷商人が合図をすると後ろから腕に包帯を巻いた男の奴隷がジャラジャラとお金が入った金袋を持ってきた。

金袋を持ってきた男をよく見ると生き残った奴隷の様で巻いている包帯には血が滲んでいる、腕を火傷したと言っても見た感じかなりひどかったはずだ顔色も悪いしまだ安静にしておかないといけないんじゃないのか?


「それはお礼だよ、商品と積み荷を失ったのは痛いが命あっての物種だからながははは!」


ボヨンボヨンと前に出ている腹を揺らしながら愉快に笑っている、包帯ぐるぐるの癖に元気だな。


「そこの男性はまだ休ませた方がいいんじゃないか?」

「んー? ああ奴隷だからよいよい、お前も大丈夫だろ?ん?」


奴隷はそう聞かれると青白い顔を一度だけ縦に振った。

どう見ても大丈夫じゃなくてしんどそうなのだが・・・


「ワシを助けた冒険者の顔は見たしもう帰っていいぞ、それでワシの積み荷だが・・・」


報酬はやったから帰っていいぞと言いたげにシッシと手を振り、男の職員と何やら話始める。

呼んでおいて次はさっさと帰れとは失礼な・・・確かにこんなやつ誰も助けたくないと言うのも分かる。


部屋を出るとまたいつもの職員さんに引き留められる。


「イクスさん!待ってください!」

「まだなにか?」

「いえ、その・・・・ご無事だったんですね」


俺を呼び留めたのはいつもの職員さんだった

3人を届けて俺の宿に迎えに来てくれて、これで奴隷商人襲撃事件から3回目なのでなんだか今更って感じだが・・・・本当に心配している様子だ。

確かに言っていた通りゴブリンの集団はやばかった、前衛を雑魚ゴブリンで固められて後ろで杖のゴブリンがあの炎で攻撃してくれば厄介だっただろうが、それも剣と盾で戦えばの話だ。

ただ走ってくるゴブリンを撃ち殺していただけなので大変でもなんでもなかった。


行かないと言っておきながら行ってしまったのだから心配にもなるだろう、ちょっと悪い事をしてしまったかなと少しだけ反省する。


「あんまり無茶はしないでくださいよ? それで死体は回収したのですか?」

「ああ、一応回収してきたよ。 よくわかったな」

「ふふふ、いつも荷物もないのに路地裏に死体が置かれてるんですもん何となくわかりますよ。」


まぁこう言う職業柄、秘密の多い冒険者は沢山いるだろうし慣れているんだろうな。 問い詰められるよりよっぽどいい。

少し待っていてくれと伝えて路地裏に死体を並べてからいつもの職員さんを呼ぶ。


「いいですよー」

「はい、では見せて・・・・きゃあああ!?」

「!?」


路地裏に女性を呼びつけて次の瞬間には悲鳴!?まずい!他人から見ればマズ過ぎる!!冤罪の典型的なパターンか!?

落ち着け落ち着けまずはホームについてドアが開けば腕を振りほどき、改札を飛び越えてそれから・・・・って違う!


「こ、これメイジゴブリンじゃないですか!?」

「めいじ・・・ゴブリン?」


確かギルドを出来るときにそんなのが居るかもしれないって言ってたのか、明治ゴブリンじゃなくてメイジのゴブリンだったか。

脳天に杖が刺さっている死体の姿を見るとそんなに強そうに見えないのだが・・・今だって白目をむきながら舌をベロンとさせている。


「またドロップアイテムを死体に刺して! もったいないですよ!」


そう言われても別々にしまうのもめんどいんだよ・・・・


そう言いながら杖を引き抜く、ゴブリンの死体の山に登って杖を持つ姿はまるで硫黄島の地に星条旗を突き立てる米兵の様だ。


「でも俺魔法なんて使えないんだけど」

「使えなくても売るだけでいい値段になると思いますよ?」

「魔法使いたいな」

「生まれつきの適正が無いと人間は使えないって聞きますよ? 練習すれば回復魔法など簡単な魔法は使えますけどあくまで生活に役立つ程度です、戦闘向きじゃないですけど冒険には便利ですね」


通常は魔法使いをパーティに入れるか居ない場合は自給自足するらしい。

ただダンジョン内であんまり魔法使いがライフラインの為に魔法を使うと魔力が減りいざと言うとき魔力切れを起こすらしい。

俺にはその魔力と言うのが分からないがDPを使わずに水を確保できるのは魅力的なのでチャンスがあれば覚えたいところだ。


「でもこんなにたくさんのゴブリンをよく一人で倒しましたね・・・・メイジゴブリンだけでもかなり苦戦する相手と聞くのですけど」

「メイジゴブリンは商人たちを狙ってるとこに運よく隙をついて一番先に倒したから、実際の所戦ってない」

「それでもすごいですよ、メイジゴブリンなんて人間の魔法使いと戦うのと大差ないですよ。」


ゴブリンの集団をまとめれるくらいなのだからかなり知能は高いんだろう。 それでも結局はゴブリンだけど。

いつもの様に職員さんの仲間がやってきて死体を運んでいく、みんな死体を見ると驚きの声を上げていた。

何人もの冒険者を見てきた人間が驚くんだ、きっと素材も高く売れるんだろう!


明日の素材代と今日のDPでウハウハ&ワクワクな俺は幸せな気分で宿に戻っていった

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