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魔法と剣と俺だけ銃の世界  作者: 俺のだけのバリアフリー
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冒険者、そして初めての敵

しばらくむやみに歩いていると何やら音が聞こえてきた。

自然の音ではない人の・・・声か?人と会うと言うのはプレイヤーな可能性もあるのでこっそりと身を隠していく。


「よーし!今日もがんばるぞー!」

「がはは! お前には負けん!絶対に追い付いて見せるぜ!がはは!」


聞こえてきた声は元気のある声と少し声が引くい声だった


なんだ?祭りでもしているのか?笑い声も聞こえるし・・・

いやでもまだ人間にはあったことないんだ、パーティーを組んでいるプレイヤーなら危険だが無敵まだあるし大丈夫か


草陰に隠れながら様子を見る。

男2人の2人組と男2人女1人の3人組が笑い合いながら洞窟へと歩いていた。

2人組と3人組は皮で出来た鎧と所々に金属のプレートを付けていた、3人組の女に関しては全く防御力のなさそうな布の服に・・・杖? どこのコスプレ会場だよ。

5人は洞窟の入り口までやってくると入り口に立っている前全身鎧で頭もヘルメットで覆っている男となにか話した後洞窟の中に入っていく、


むむむそう言う恰好で統一しているクランか何かだろうか・・・だとしたらあそこはクランの本拠点か?それでも今の不可解な状況を共有できる唯一の情報源だろう、接触してみる価値はある


武器を装備からすべて外し両手を上げながら前進鎧の男に近づいて行くと男はこちらを見た俺の存在に気付たようだ。


「俺に敵対の意志はない! 今この状況の事で情報交換をしたい!」

「・・・・・」


見た感じでは男は武器を持ってない、一応腰に剣を着けているが銃はないようだ。 こちらをじっと見ている、信じてもらえるか?

あ! 無視して違う所を眺め出した!くそ!


ゆっくりと男に近づいてもう一度目の前で問いかける


「今この状況のじょうほ」

「ダンジョンに入るのか」


・・・ダンジョン? はてダンジョンとは・・・RPGゲームのあのダンジョンか?


チラッと洞窟の中を見るとさっきの5人が魔法陣みたいなものの上で光に包まれて消えた。なんだあれ


「ダンジョンに入るなら冒険者カードを見せてくれ」

「ぼうけんしゃかーど?」

「・・・冒険者カードがないと入れないぞ」


な、なにを言っているのかわからん・・・やっぱり異世界なのか?ならば


「俺は冒険者になってないんだがどうすればそのカードを貰えるんだ?」

「は?んなことも知らないのか、ここから道なりに行った所にザガローナって街がある後は門番にでも聞きな」


ザゴローナ・・聞いたことのない街だな、そもそもMWOでは街と言ったらただの廃墟だったからな。



いまいち男の言っている意味が分からなかったがなにも分からないので男の言われた通りに道なりに歩くと大きな街が見えてきた。


廃墟では・・・無い様だなこんな街初めて見たぞ


その街は周りを薄汚れている壁で覆われそこそこ大きい門があった門の近くにさっきの男と似たような恰好をした男が居たので声を掛けてみる


「すまんが冒険者になりたいのだが」

「街へ入るには銅貨2枚必要だ」


ほらだせと言わんばかりに手を広げている、銅貨と言うと銅で出来た価値の低い通貨の事だよな。

そんなものは持ってないのだが・・・・


「すまないが俺は今一文無しなんだ、どうにかまけてくれないか?」


男はじーっと俺を見つめている、追い返されるだろか・・・・


「お前さっき冒険者になると言ったな、うちの兵士に案内させてやるから待ってろ」


そう言って男は門の街側にある建物に入っていった。


さっき兵士って言ってたな、さっきの洞窟にいた男もここの男と同じ格好をしていたしもしかするとさっきのも兵士だったのか?てっきりどこかのクランかと思ったがそう言う雰囲気ではないし見知らぬ他人を自分の作った拠点に入れる奴らなんていない。


すこしすると建物の中から先ほどの門番と一緒に若い男の兵士がやってきた、顔は出しているが鎧はほとんど同じだ。


「あとはまかせた」 

「了解    よう、お前一文無しで冒険者になりに来たんだってな案内してやるよ、こっちだ着いてきな」

「あ、ありがとう」


男はもう一人の兵士と一言ほど話した後俺に歯を見せながら笑い街の奥を親指で指した。

悪いやつではなさそうだったので大人しく兵士についていく、少し歩くと兵士が話しかけてきた


「今から冒険者ギルドって所に行く、そこで冒険者登録をして貰え通行料はつけといてやる」

「あ、ありが・・・ゴホン!助かる」

「じゃあ俺はもう戻る   おっとお前名前は」


歩き出した兵士が来るとこちらを向き直し聞いてくる、そう言えば名乗っていなかった名前も知らないのにツケなんて出来るわけがない。


「俺は・・・・」


まてよ、わざわざここで本名を言う必要があるか?今までここが異世界と言う事は自分の中では確定してる、誰も俺の事を知らない世界だどうせならカッコイイ名前をつけてやろう。


「・・・イクス・・・イクス・バートンだ」

「イクスか、じゃあな」


ふむふむ我ながら良い名前が決まったものだ


心の中でにやにやしながら冒険者ギルドに入っていく。

ギルドに入るとカウンターに3人程女性の職員が一定間隔を開けて立っていた、他には軽装の冒険者らしき人が数人程会議をするように輪を作っていた。

輪を作っている冒険者達は誰も笑みを持たずに何やら真剣に話し合っていた、そんな人達を横目でばれないように見ながら奥の情勢が立っているカウンターに歩いて行く


「えーっと冒険者登録と言うのをやりに来たんで・・・来たんだ」


取りあえず右端に立っていた職員さんにキメ顔をしながら声を掛ける、何事も第一印象が大切だ。

俺の顔を見た職員さんは一瞬ぽかんとしたがすぐに笑顔に戻った。


「こんにちわ、新規で登録ですね。 では少々お待ちください」

「う、うむ よきにはからえ」


キメ顔のまま棒立ちしていると職員さんが一枚のカードを持ってきて手を添えるとカードがぼんやりと光り出す


「おお」

「ではお名前をお願いします」


ほわんほわんと言う擬音が聞こえてきそうな青い光がとてもきれいだ、これも魔法なのか?かっけぇ

VRでこう言う映像を見た事はあるが・・・何と言えばいいんだろう直観的に言ってしまうとリアルだ!初めてみたけどリアルっぽい!


「あの、お名前を・・・」

「へ? あ、ああ名前ね イクス・バートンだ」

「イクス・バートン様ですね  ではこちらのカードの上に手をおいてください」

「こう? か?」


言われた通りカードの上に手をかざすと青い光が一瞬だけ強くなりすぐに消える、残ったのはなんの変哲もない少しだけ分厚い固い紙のカードだった。


「これで登録は終わりです、こちらのカードが冒険者カードですどうぞ」

「これが?紙じゃん・・スタンプカードじゃないんだから・・・・」


こんな紙で出来たカードなんて少し分厚いだけだし水にでも濡れたらふにゃふにゃになってしまうよ、冒険者って言うくらいなら水の中火の中風の中女の子のスカートの中で戦うものだろ?それがこんな紙切れなんて持ってたらすぐにダメにしてしまうだろう


「この冒険者カードは普通の紙ではなく魔力で特殊加工された特別な物になります、流石に剣で切ったりマグマに入れるのはダメですが、手で破こうとしたり水をかけただけでは問題ないですよ?」

「ほんとぉ?」


カードを触ってみるがどう見てもただの紙だ、まぁ俺の知らない異世界だしそう言う事も可能なのかもしれないな。


「では冒険者について説明しますね。

まず冒険者カードと言うのは言わば身分証明する物になります、街へ入るとき依頼を受けるとき、ダンジョンに入るときなどに見せると自分は冒険者ギルドに加入しているれっきとした冒険者だと言う証明になります。逆に冒険者カードがなければダンジョンには入れませんし街へ入るときも通行料必要になったります。

基本的に冒険者となったのであれば森のモンスターを倒したりダンジョンに入ったり依頼をしたりとなにをしても問題ありませんが、犯罪や人を殺したりすると場合によっては登録を抹消、指名手配になったりますのでご注意してください。

冒険者にはランクと言うものがありましてこれと言った決まりはありませんがその人の強さや装備、知名度によってランクが決まります。ランクの決定はこちら側が判断してお知らせします。なにかご不明な点はありますか?」


・・・・・さっき貰った冒険者カードをいじりながら聞いていたが長くて半分以上話が分からなかったがまぁゲームとかである冒険者とあまり変わりないだろう、俺こう言う説明はボタン連打でスキップする人種なんだ


「んーっとお金を稼ぐにはどうしたらいい?」


長い説明を聞いた後なので相手が女性でも緊張がほぐれてきた、ニートに女性と会話なんてそんなハードな試練、緊張しなほうが無理だ。


「依頼を受けたりして知名度をあげて行けばより多くの依頼が来たりします、依頼が個人に来たりするのはかなり有名にならなければないですけどね、後はダンジョンでモンスターを倒して素材を取ってきたり魔石を集めたりですね」

「魔石?」


「はい魔石です、よくアクセサリーやアイテムとして売られている物ですよ。 その顔は知らないと言った顔ですね。  魔石はモンスターを倒すとまれに出てくる魔力が石になったものです、モンスターが強ければ強いほどきれいで強力な魔石が出ると言われていますね。後はダンジョンでの宝箱で一発千金を狙うかですがあまり見つからないらしいので・・・」

「なるほど・・・依頼を受けたら経験値とお金貰えるとか?」


RPGの依頼や任務と言えば初めのレベルあげなどにぴったしなものだろう、いつもゲームしながら思っていたんだけど依頼を報告するれ「はいどうぞ」と言って経験値を渡されるんだろうか?気になる


「経験値・・・? えーっとそう言う話は聞きませんね・・・」


経験値概念そのものがないのか? あれか、レベルなしで技量だけで戦っていく感じのゲームみたいなものか


「まぁ他はないかな、とりあえず一文無しだから早速ダンジョン行ってくるぜ!」

「あ!もしモンスターの解体が分からなければ死体を持ってきていただければこちらで解体して買い取りますので」

「あんがと!」


あばよーと手を振りながらギルドを後にする。





ダンジョンの入り口に戻って来た、もう洞窟なんて言わないぞ。 見た目は完全にただの洞窟だが


「ん?お前また来たのか。登録は出来たか?」

「おう!ばっちしだ」


ドヤ顔しながら冒険者カードを見せると兵士が両手をあげた。 なんだ?


「俺に敵対の意志はない~、情報交換だ~」


とにやにやしながらバカにしてくる


「バカにするな!」

「いやぁあの時は変なキチガイが来たぞと思ったぞ。ははは。 まぁ入っていきな、魔法陣の上に立っていきたい階層を言えばその階層まで移動できる。 初めは一層から行けよ」

「へぇ便利だな」


エレベーターみたいなものか、魔法陣とやらを使うが初めての魔法だなワクワクしてきた。


洞窟の中に入ると先ほどそこから見えた魔法陣がほんの少しだけ光を帯びて地面に描かれていた。

魔法陣は壁に囲まれてもし魔法陣がなければただの小さな横穴だ。

魔法陣の上に乗り「一層」と小さな声でつぶやくと、かすかな光しか出てなかった魔法陣が強く光り出し俺を包んだ。


光が収まるとそこは岩の壁ではなく奥へ奥へと続く洞窟の通路に俺は居た。

通路の広さは大体ミニバンであれば通れるだろうがバス程の大きさになるとぎりぎりこするだろうと言った広さだ。


装備画面を開いてハンドガンとナイフを装備する。

念の為にハンドガンはホルスターに入れたままでナイフの柄に手を添えておく、俺にはナイフの使い方は分からないが今の筋力とゲームの自動攻撃があれば戦える、ゲームの自動攻撃とはなにも勝手に戦ってくれるのではなく格闘攻撃を開始するとシステムの補助がかかりまるでプロの様な動きをするのだ、ナイフ同士の戦いではいつどのタイミングでその格闘の自動攻撃を使って倒すかがカギになる、もっともプロのプレイヤー達はそれっぽい動きをしてスキを見せたところに格闘をーなどとやるらしいが、そもそもナイフ同士の戦いなんて滅多におきない。


しかし一時俺はナイファーとしてネタプレイ&ステルスプレイをしていたので多少の自信がある。


しばらく歩くと対面から歩いてくる影を発見する、ダンジョンにはたいまつなど光源がないがなぜか明るく暗闇からいきなり襲われると言う事はなさそうだ、と言っても流石に太陽の元ほどは明るくはないので距離がかなりあけばその姿をしっかりと見る事は出来ない。


近づいてくるにつれて敵の姿が見えてくる、どうやら超絶ビックサイズのネズミの様だ(現実世界から見て)

ネズミの姿をしっかりと見える程の距離になると敵も俺を発見したらしくチュウウウ!と威嚇している。

ネズミに近づくのは嫌だが格闘の自動攻撃システムが使えるかどうかも確認したいので太ももにしまっているナイフを抜く


チャキ


チュウウウウウウウウウ!


敵の鳴き声をマラソンの開始を知らせる銃声の合図の様に地面を蹴り上げて走り出す、一歩踏み出すたびにほんの少し地面がえぐれるためにドッドッドッと言う音を立てながら敵との距離を縮めていく。

敵との距離が寸前と行った所で右足を前に出して急ブレーキをかけながら右手のナイフを逆手に変えて殴るように左から敵の首元へナイフの矛先を向かわせる


「!?」


ネズミの胴体の下から光る何かがこちらに向かってきている、このままでは俺の顔面に直撃するだろう。

力任せに背中を反らせて『それ』を避ける。ドンッ!と音を立てて後頭部を地面にぶつけてしまうがそのままネズミを蹴り飛ばしネズミと俺はその地点からお互いに後方に飛ばされる。

ゴロゴロと数回転げて受け身を取りながらすぐに起き上がりネズミを見る


「くそ!なんだあれ!?」


痛いの大嫌い俺は元々ゲームでのコンフィグで痛みのパラメーターをかなり低く設定しているのであまり痛みはないしこの身体だ、怪我もない。

問題はネズミだ、ただの獣かと思っていたがどうやら身体の下に剣を隠し持っていたみたでネズミが立って剣を片手に持っている。

俺はまんまとくそネズミに騙されたと言う事だ。


ちなみに補足するとナイフを手元で逆手に変えるなんて動きは俺には出来るわけがない、逆手にするために回す動きをした瞬間に自動攻撃を起動させてナイフをキャッチさせて流れる様に攻撃をしてもらっただけだ。

しかし自動攻撃を発動させてしまえばナイフを防御に使えないので無理にでも体を地面に叩きつけたと言う事だ、だからイナバウワーをしながら空をナイフで切っていると言う情けない姿になってしまった。


相手が剣を持っている、そんな敵にわざわざ初めての実験相手にする必要はない。 ハンドガンを抜こうと手を伸ばすと


ちゅ!ちゅ!ちゅちゅちゅ!


ネズミが剣を振り回しながら喜んでいる、どうやらうまいこと騙せて嬉しいらしい。 


「て、てめぇ!ネズミの癖して俺をバカにしやがってええええ!」


ハンドガンから手を放しもう一度突っ込む、それを見たネズミは挑発も成功したとまた喜んでいる

ネズミの目の前でまた止まった俺に向かって剣を振る下ろす。


しかし先ほどの自動攻撃が発動したのを確認した俺はもう一つの確信を得ていた、そう自動攻撃があれば自動防御があるのだ。

振り下ろされた剣を自動防御ではじき返し姿勢を崩したネズミの背後に回り込む。


ガン!


ちゅ!?


「あめぇんだよ!!」


姿勢を低くして今度は逆手ではないナイフでネズミの脚を両方切りつける

シュ!と流れる様に刃が通り血があふれ出す



ちゅううううううう!



姿勢を崩して前のめりになったネズミの脳天に両手で持ったナイフを振り下ろす。


ぢゅ!!??


ネズミは身体をビクンと一度だけ跳ねさせて絶命した。

ただの肉の塊に変わり果てたネズミの死体に片足を乗せナイフを抜きビュッと付着した血を飛ばしながら


「獣風情が人間に勝てるわけねぇだろ」


と吐き捨てた。






「俺かっけええええええええええ!」


ぅっしゃああ!と声を上げてガッツポーズを決める。

やべぇ俺主人公だわ!ダークネス主人公だわ!クールキャラだわ!と一人でぶつぶつと興奮する


「ムフフフっとこんなとこ見られたら一生の恥だ、いかんいかん。」


確か解体が分からないなら持ってきてくれって言ってたな・・けどこれどうしよう


ネズミの死体が大きいが俺の力なら担いで持って帰れる・・・が、脳天から血を出している死体なんて担いだら俺がネズミの血でびしょびしょになってしまう。

それはとんでもなく気持ちが悪い事だ、絶対に嫌だ。


資材運搬用の機械なんかで持っていけば絶対に目立つしこの力の事をまだ人には言いたくないと言うかそんなもの作れるDPもない。

アイテムボックスに入れられないかと思い死体を選択してみると『しまう』の項目が出てきた、ゲームでも野生動物やそこらへんの岩でもしまえたからなそんなに驚きはしない。


もう少し奥に行って見るか、もっと経験を積んでもっとお金がほしいからな。せめて当分の生活代は必要だ。


ダンジョンの初の戦闘で見事勝利をおさめた俺はネズミをしまってから鼻歌交じりにダンジョンの奥へと進んでいった

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