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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

黒き青春

隣の佐藤さん

作者: 美桜

 佐藤さんあんまり関係ないです。


 ただ学園ラブものが書きたくて…へへっサーセン○| ̄|_






――いつも思う。

彼女以上に完璧な人間はいないと。


――そして思う。

僕以上に平凡な人間はいないと。

彼女が選ばれた特別な人間だったとしたら、僕という存在は何なのだろうと。


……何のために生きるのだろうと。



4月6日:入学式

高校生になった僕。

灰色の景色しか見えなかった僕の目に、一人だけ鮮やかな色彩をまとい現れた佐藤さん。


――君は、美しかった。

君は喜びに打ち震える僕の顔を見て吃驚した顔になったね。

その瞬間、僕は君に恋をした。

いや、恋というより独占欲か。

君の皆に見せる笑顔も凄く素敵だけど、その顔以外の表情を僕だけのものにしてしまいたくて、君を…閉じ込めてしまいたかった。



4月16日:席替え

初めての席替えだったよね、君と隣になれたのは。

これが……初めて。

ほら、そんなに怯えないで。


そんな顔されたら……ぞくぞくするじゃないか。



5月25日:遠足

僕が先生に言った「バナナおやつに入りますか」というギャグにクラスの中で君だけはニコリともせず、真っ青な顔をして俯いていたね。


……何か、気になるのかな。



6月3日:校内バスケ対抗試合

僕が何本シュートを極めても君は隣の子と喋っていて一度もこちらを見てはくれなかったね。

……ただの、一度も。

君が見ていてくれるのなら、もっともっと何本でも極められていたのに。


……ほら、僕を見てよ。


その瞳に僕を映して。



6月26日:誕生日

皆僕の誕生日を祝ってくれたのに、どうして君は……君だけは祝ってくれないんだい?

心から君に祝って貰えたのなら、他のやつなんてどうでもいいのに。

あぁ、でも嬉しかったなぁ。

震えて、汗ばんだ君の手と握手出来て。

本当なら、その汗を一滴残らず舐めとってあげたかったのだけれど。


怯え顔、素敵だったよ……キスしてしまいそうになるくらいに。



7月7日:七夕祭り

あまりイベントはやんないんだけどな……と思い、来た祭りで浴衣姿の君を見たよ。

インディゴの下地に薄桃色の蝶を描いた浴衣が、君の白い肌に良く似合っていたよ。

……隣の子は、君の友達かい?

楽しそうに腕を絡める様はまるで……いや、そんなわけないよね。


だって、君は僕だけの「物」なんだから。



7月28日:夏休み

下らない学校生活から解放されてよかったと共に来るこの気持ちは……君への想いなのだろうか。

……あぁ、君に会いたい。

君に会って思い切り君を抱き締めたい。

あぁ…でも、君は僕のこと嫌いなんだっけな。

だったら、隣から君のことをずっと、邪魔されることなく見ていたい。



8月30日:夏休み最終日

結局、僕は君とは一度も会えないままだったね。

でも、明日からまた君に会える。

そう思うと思わず顔がにやけてしまったりして、普段からあまり笑わない僕を皆は変な目で見ていたよ。



9月3日:異変 (2時限目)

何故だか君は斜め前の斎藤の席ばかり見てやしないかい?

僕や皆に見せる顔とは違う…何だか、僕が君を見ている様な目で。


……僕なんて目に入らないみたいに。



10月11日:疑心 (HR)

僕が斎藤と仲良くし始めてから君の、僕に対する態度が変わったことに僕はとっくに気付いていたさ。

……でも、信じたいんだ。

君のことを。

もう少しで分かる筈だ。


――そう。

だから準備をしておかないとね。

最高のシチュエーションを。


…あの時が来れば、きっと。



10月31日:ハロウィン

今日の僕はバンパイアさ。

黄色い声を上げる邪魔な女子達を退けて愛しい君のもとへと足を速める。

斎藤には確認済みだが、何だか嫌な胸騒ぎがする……。


そして、その予感が本当になる瞬間を見てしまった。

あの時、僕の見た光景を、君と出逢う前のように灰色の世界で見れたのなら、少しはましだったんだろうか。



11月15日:真実 (昼休み)

あの日、今まで生きてきた中で一番最悪なものを見てしまってから僕は斎藤との関わりを絶った。

顔が良く、女子には人気の彼だったが、あまり人と話すのが苦手らしく男友達がいなかった彼にとって僕がこの学校で出来た初めての友達だったのだろう。

いつも彼は僕の言うことを聞いてくれていた。

だけど、彼は僕を裏切った。

僕の彼女に対する想いを確認した上で。

あの日以来、彼女が斎藤にどれだけ汚されたのか、そればかりを考えてしまい、もう以前のように彼女を見ることも出来なくなってしまった。

僕の世界を変えてくれた彼女を彼奴は奪ったんだ。


そんな思いが頭にまとわりついて夜も一人では眠れなくなり、今まで気にもしなかった、群がってきた好きでもない女達を抱いたりもした。

毎日とっかえひっかえ相手を帰る僕に対し、彼女達は怒る訳でもなく、ただ黙って泣いているばかりだった。


学校に行っても僕は斎藤と一切の関わりをなくした。

いくら寂しそうな視線を向けられても、授業中痛いほどの視線を向けられても僕が彼に話し掛けることなど、もう金輪際なかった。

一度だけ廊下で肩を捕まれたことがあったが軽くその手を払い落としそのまま歩いていった。

その時の僕は知りもしなかったのだ。

後ろで静かに彼が泣いていたことに。



12月4日:事件(5時限目)

「……痛っ!!」

叫んですぐに指先から滴った血が調理場のシンクを濡らし、周りが湧いた。

『大丈夫だよ』

そう言おうとした僕の手が驚くほど強い力で引かれ、保健室まで連れて来られた。


手の主は――斎藤だった。


驚く僕を保健室に入れて、後ろ手でドアの鍵を閉める彼はもう、僕や周りが知る『斎藤』の姿ではなかった。

そこには僕が彼女を見るように僕を見る――『男』がいただけだった。




 短編にしようかな。と思って作ってボツになったネタを引っ張り出してきた奴です。

 だけどやっぱり連載にしようかな…なんて。


 作者の活動報告にて説明とお詫び、ネタバレをします。

 もしよろしければ、覗いてやってください。


 出来は…皆さんが知る通り、最悪。の一言に御座います。


 何が言いたいかわからない人は、そのまま回れ右で。

 BLを生理的に受け付けない!という人も、同上です。


 別に理解されなくてもいいんです。

 私がただ満足したかっただけなので。


 見てくださった方には本当に『敬意』の二文字にしか表せません。

 本当にありがとうございました。


 3.3 修正致しました。




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