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生命を紡ぐもの~ユニークスキル【?】で神獣を創り上げるまで~  作者: 大輔


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第21話「レオとライルとノール」

入学から三日が経った。


講義が始まると、Sクラスの実態がだんだんわかってきた。


魔力量が多い。それだけじゃなくて、頭もいい。貴族出身が多いから教育水準も高い。自己紹介で「家庭教師に四属性を教わった」なんて話をさらっとする奴がいて、さすがに少し驚いた。


俺は属性魔法が使えない分、講義では理論の吸収に集中した。魔力の流れ方、干渉の原理、術式の組み方。それ自体は面白い。やっていることの根本は、俺が今まで試行錯誤してきたこととつながっている部分が多かった。


ただ、友人がまだいなかった。


クラスは実力主義の空気が強くて、みんなどこか様子を見ている。俺もあえて積極的に話しかけるタイプじゃないから、最初の三日は一人で過ごした。


変わったのは、四日目の昼だった。


食堂で席を探していたら、一つのテーブルから「あ、アルマーレ! ここ空いてるぞ!」と大きな声が飛んできた。


見ると、赤みがかった髪の少年が手を振っている。Sクラスで見た顔だ。確か……レオ、だったか。


断る理由もないので、俺はそこに座った。


「よかった。一人で食べるのも悪くないけど、やっぱり誰かとしゃべりながらのほうが旨いよな」


レオは豪快に笑いながら言った。明るい。とにかく明るい。


「レオナルド・ファーン。レオって呼んでくれ。火属性一本で来たぜ。よろしく」


「ジン・アルマーレ。よろしく」


向かいに座っていた大柄な少年が、静かに俺を見た。


「ライル・グラン。平民出身だ」


あっさりとした自己紹介だった。目つきは鋭いが、声に敵意はない。ただ試すような視線だとは感じた。


「雷属性か。入学試験でかなりの評価だったって聞いたぞ」とレオが言った。


「そんな話がもう出回ってるのか」とライルは眉を寄せた。「……魔力量を測ったとき、計器が少し跳ねただけだ」


「少し跳ねた、じゃないだろそれは」


俺は黙って聞いていた。ライルは言葉数が少ないが、嘘はつかなそうな人間だと直感した。


「お前は? アルマーレって上位貴族の家名だよな。属性は何だ?」


ライルが俺を見た。


「属性はない」


「……は?」


「属性魔法は使えない。ユニークスキルがあるだけだ」


少し沈黙があった。


「ユニークスキル持ちか」とレオが目を輝かせた。「なんていうスキルだ?」


「【?】って記録されてる。俺にもまだよくわかってない」


これは本当のことだ。正確には少しわかってきているが、全部話すつもりはない。


レオは「謎! おもしろい!」と声を上げた。ライルは「そういうこともあるのか」と小さく呟いた。


そこへ、もう一人が来た。


「……あ、席、あいてますか」


おどおどした声で言ったのは、眼鏡をかけた細身の少年だった。水色がかった髪が前に垂れていて、どこか落ち着かない様子で俺たちのテーブルを見ている。


「もちろんだ、座れ座れ!」とレオが答えた。


「ありがとうございます……ノール・ゼフィア、水属性です。その、Sクラスで一人で食べてる人を探してたら、ここに三人いたので……」


「変わった探し方だな」とライルが言った。


「一人でいる人のほうが、話しかけやすくて……」


正直な奴だ、と俺は思った。


「ジン・アルマーレだ。よろしく」


「あ、はい。よろしくお願いします」


ノールが席に着いたとき、彼はふと俺のほうを見て、少しだけ首を傾けた。


「あの……アルマーレさんって、何か、魔力の感じが変わってませんか?」


「変わってる?」


「なんというか……普通の魔力とちょっと違う層がある、というか……すみません、うまく言えなくて」


レオが「ノールって変わったこと言うよな」と笑った。ライルは黙って聞いていた。


俺はノールの顔をもう一度見た。


(魔力感知……か)


噂には聞いていた。ユニークスキルの【魔力感知】持ち。それが今、俺の魔力の何かに引っかかった。


「気のせいじゃないか」と俺は軽く返した。


「そうかもしれません。でも……」


ノールはまだ何か言いかけて、やめた。


俺は話題を変えた。「ところで今日の講義、魔力干渉の計算式のあたり、わかったか?」


「あそこ難しかったよな!」とレオが乗ってきた。


会話が動き出した。


食堂の喧騒の中で、俺たちは昼飯を食べた。


気づいたら、笑い声が出ていた。


(こういうのも、悪くないな)


内ポケットの奥で、カゼマルがそっとぴよっと鳴いた。


俺は素知らぬ顔で、スープを口に運んだ。


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