「最高の目覚まし時計」
「短い話ばかりですが、油断すると泣いたり笑ったりします。」
1分で読める話も、3分で考え込む話も。
気軽に読めて、ちょっとだけ深い。
そんなショートショートを詰め込んでいます。
矢田は遅刻癖に悩んでいた。
ある日、通販サイトで「絶対に起きられる目覚まし時計」を見つけた。レビューは満点。即購入した。
翌朝、アラームが鳴った瞬間、矢田の体は勝手に跳ね起きた。まるで操り人形のように。
「すごい…」二度寝の誘惑が一切ない。完璧だ。
毎朝、時計通りに起床する日々。上司に褒められ、仕事の効率も上がった。
一週間後、矢田は気づいた。アラームを設定していない休日も、同じ時刻に体が跳ね起きる。
時計を捨てようとしたが、手が動かない。コンセントを抜こうとしても体が拒否する。
ある朝、いつもの時刻に目覚めた矢田は、自分が病院のベッドにいることに気づいた。
医師が言った。
「過労で三日間意識不明でした。不思議なのは、毎朝決まった時刻になると、あなたの脳波が覚醒パターンを示すんです。体は眠っているのに」
矢田の枕元で、時計が静かに時を刻んでいた。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回もまた、ちょっとした物語をお届けします。
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