日ちゃん『これ絶対王麺ZUBAAAN! 』
皆様お久しぶりでございます! シサマという者です。
日本列島も、ようやく真夏の酷暑が過ぎ去った印象がありますね。
そしていよいよ訪れる「食欲の秋」!
この現象ばかりは、例え物価高が定着しようとも日本人の心身から排除することは出来ません。
我々庶民、特に独身者の生活意識が、「美味しいものより安くて腹が膨れるもの」へと移行しつつある現実は哀しいですが、この『小説家になろう』サイトに来る様な方々には、日々の食事より大切な創作や交流があるから仕方ないのです!
……さて、日頃から安くて腹が膨れるものにアツ過ぎる眼差しを注ぐ私シサマですが(笑)、最近気になる光景を目の当たりにしました。
それはインスタント袋麺の価格。
『チキンラーメン』や『サッポロ一番 塩らーめん』といった定番商品の価格が、比較的高額だと思われていた「ノンフライ袋麺」の価格にいつの間にか接近しており、店舗によっては上回ってさえいたのです!
定番商品は売れ行きが良いので店舗での小売価格は下げられるはずですし、昔ながらのジャンキーな「油揚げ袋麺」が生麺感覚にこだわった「ノンフライ袋麺」より高価になるなんて、おかしいと思いませんか?
実はこれ、食用油の高騰が原因なのです。
世界的に食用油の需要が増える中、天候不順によるオリーブや菜種などの原材料不作が追い打ちをかけ、本来ならばコスト削減に繋げていたはずの「油揚げ麺」がメーカーの足を引っ張る形になってしまったのですね。
ちなみに日本における食料品高騰度合いは米、カカオ豆、コーヒー豆の順に高いのですが、食用油や鶏肉などもそれらに次ぐ高騰を見せています。
カカオ豆と食用油を使いまくるチョコレートの高騰については、もはや言わずもがなですよ!
……つまり私は何を言いたいのか?
『チキンラーメン』や『サッポロ一番 塩らーめん』の様な油揚げ袋麺の定番袋商品より、工夫次第でお店品質に近づけられる「ノンフライ袋麺」を買う方が、今はお得じゃね?
その持論に説得力を持たせるために、構想と執筆に時間をかけたエッセイ書けば最強じゃね?
ハイそれでは\(^o^)/!
知らぬ間に選択肢が豊富になった『ノンフライ袋麺』を食べ比べしてみましょう(笑)。
毎度のことながら長々とした前振り、本当にすまないと思っている。
このエッセイのタイトルにある様に、日本が世界に誇る2大ブランド、日清とマルちゃんのノンフライ袋麺4種を食べ比べ、更に私個人のイチオシ麺とイチオシスープを組み合わせて、「究極の袋麺」を作れるかどうかという実験も行います!
ちなみに私は根っからの「醤油ラーメン派」であるため、食べ比べは醤油ラーメン限定です。
「豚骨醤油」の様なハイブリッドテイストにも手は出しません、御了承下さい。
①マルちゃん『正麺 醤油味』
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!! ←死語。
ノンフライ袋麺売り上げNo.1、味や価格で勝負出来るメーカーさんも、「CMタレント=役所広司」という圧倒的ブランド力の前には強大なハンデを背負ってしまいますね。
全国展開の通年レギュラー商品として、ノンフライ袋麺を最初に定着させたマルちゃんですが、実は北海道限定商品である袋麺『なまの味』や『屋台十八番 なま味』による、30年以上に渡るノウハウ蓄積があってこその大成功なのです。
『正麺』はノンフライ袋麺としては圧倒的な市場シェアを誇り、5食パックの平均価格も『チキンラーメン』や『サッポロ一番 塩らーめん』以下。
ノンフライ袋麺の定番商品とはいえ、この低価格を実現出来るのは、やはり食用油の使用量が断トツに少ない「あっさり味」がその秘訣でした。
★マルちゃん正麺 醤油味……1食あたり333kcal、脂質4.6g
早速試食してみましょう!
ちなみに具材、薬味一切はなし、胡椒ひと振りすら許さず水量と茹で時間は厳守します。
【麺】……うむ、美味い。
縮れた中太麺ですが、油揚げ麺とは麺の感触がまるで違い、つるみと弾力に高級感がありますね。
しかしながら、『生麺うまいまま製法』を売り文句として生麺の再現度を高めたということは、本来ならば湯切りが必要なレベルのぬめりまで残してしまうということ。
しっかりと湯切りするか、水洗いしてつけ麺にしたらめちゃ美味いと思うのですが、茹で汁でスープを溶かせる手軽さが売りのインスタント袋麺の長所は捨てられません。
ぬめりが気になり始めると、本来のコシが活かせていない様にも感じてしまいますね……5点満点中の3.5点です!
【スープ】……このスープ、めっちゃ好みです!
インスタント食品としては貴重な「雑味のないあっさり醤油味」で、鶏や豚の旨みより野菜の風味が目立つ、昔懐かしい「インスタントラーメンらしいチープなジャンク感」を、敢えてほんの少しだけ残していますね!
これなら何回でもリピートしたくなりますよ!
5点満点あげてもいいです!
【総評】マルちゃん『正麺 醤油味』……総合8.5点。
昨今の商品と比べると味のインパクトは全くありませんが、無難な美味しさがあってどこか懐かしく、具材でアレンジしやすいという長所持ち。
それこそ『チキンラーメン』や『サッポロ一番』にも馴染んでいる、幅広い年代からのリピートを勝ち取っているのでしょうね。
②日清『ラ王 醤油』
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!! ←死語。
マルちゃん『正麺』には僅かに後れを取ったものの、カップ麺としての『ラ王』でノンフライ麺の成功ノウハウは蓄積済み。
決して守りに入らず、常にアップデートを怠らないその企業風土故に、好みの味があっても固定されないという不満がない訳ではありませんが(笑)、日清の定番商品を追えば、今のトレンドが分かるという学びもありそうですね!
★日清『ラ王 醤油』……1食あたり344kcal、脂質7.5g
マルちゃん『正麺 醤油味』ほどではないものの、やはりカロリーも脂質も低め。
そのデータ通り、ノンフライ袋麺の3食パックカテゴリーとしては最も安価で販売されています。
【麺】……!? 何これ、「違う!」
今までの袋麺とは全く違う!
ストレートな中太麺なんですが『正麺』にあったぬめりは全くなく、まるで細麺の様なコシと歯切れの良さ!
売り文句ほどの「ぷりぷりもっちもち」食感はありませんが、油揚げ麺とも生麺とも違う、新たなジャンルと言ってもいいくらいの圧倒的個性です!
4.5点あげちゃいます!
【スープ】……このスープも唯一無二ですね!
鶏油のまったり感がベースにあり、メンマパウダーが軽くエッジを効かせているのですが、あっさりでもこってりでもない、複雑なダシや香辛料が絡み合った確かな満足感です。
この麺とスープのバランスは凄いですよ!
1食あたり100円ちょいで売っちゃダメなやつです(笑)!
スープも4.5点ですね!
【総評】日清『ラ王 醤油』……総合9点。
完全にネクストレベルのインスタント袋麺で、醤油ラーメン好きなら日本国民全員を黙らせる実力があります。
10点満点にならなかった理由を挙げるとすれば、中太麺の見た目ながら食感が細麺に近いことと、全体のバランスが余りに繊細すぎて、ネギ、メンマ、チャーシュー以外の具材や調味料を加える楽しみが完全に奪われていることなのでしょうね(笑)。
③日清『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム 背脂醤油』
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!! ←死語。
マルちゃん『正麺』に後れを取った日清が、国道沿いのラーメン屋さんをイメージ。
若者向けの「濃いめの味」でマルちゃんを逆転するための秘密兵器として、『これ絶対うまいやつ♪』を開発しました。
しかしながら、初代の『これ絶対うまいやつ♪』はさほど濃い味ではなく、売り文句だったパンチやニンニクの旨みも余り感じませんでしたね。
これはつまり、京都の『魁力屋』あたりをリスペクトした背脂系醤油スープと細麺のコンビネーションに関して、「若者にアピール出来なかったら爆死じゃね?」という不安が経営陣の頭をよぎり(笑)、中途半端な味に日和ったからではないでしょうか?
あっさり醤油味が大好きな私は、「思ったほどこってりしてないし、なんか生姜が効いていて個性派だけどなかなかイケる」という評価を下しましたが、後発のマルちゃん『ZUBAAAN!』にあっさりと逆転されてしまいました。
CMタレントも、若者ウケを意識して当時人気の芸人さんを起用していましたが、笑いを取る力と商品を美味しそうに見せる力は別物なんです。
そこで日清も腹をくくり、しっかりとこってり味に仕上がった『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム』を開発。
残念ながら今回取り上げた4つのブランドの中で売り上げは最下位ですが、
★日清『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム』……1食あたり377kcal、脂質9.7g
というデータから想像出来る様に、価格は『ラ王』以上『ZUBAAAN!』以下となっています。
今の世の中、本当に脂質の差が価格の差なんですね〜怖いですね〜!
【麺】……え!? 何この麺、めっちゃ美味くない?
縮れた中太麺なんですけど、『正麺』よりコシがあってぬめりもないし、細麺から中太麺に変わったからこってりスープに絡んでもしつこくないし、まさに日清が望む「パンチのある万人向けラーメン」が出来たんじゃない?
この麺美味すぎる! 遂に出た、麺の5点満点!
【スープ】……うん、スープもまぁ美味しいし、生姜に加えてニンニクも効いていて確かに売り文句通りなんですけど、単独だとなんだか飽きちゃいますねぇ……。
そもそも、水量450mlで作ってくれって書いてあるんですけど、後から水量500mlで作り直した方が麺もスープも美味しかったですよ。
スープは3.5点ってところですね。
【総評】日清『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム 背脂醤油』……総合8.5点。
中途半端なこってり味で失敗した教訓を活かすために、麺を中太麺に変更し、スープをより濃くすることでバランスを取ろうとした努力は認めます。
麺は全てのインスタント袋麺の中で一番美味しいと感じましたが、スープの濃さを強調するために水量を減らすというコンセプトは、美味しいノンフライを茹でるという作法からは逆行していました。
この麺を活かすために、『これ絶対うまいつけ麺♪』みたいな新商品開発にも期待したいですね。
④マルちゃん『ZUBAAAN! 背脂濃厚醤油』
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!! ←死語。
イマイチ伸び悩む『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム』を尻目に、今やこってり系ノンフライ袋麺王者の座に君臨する『ZUBAAAN!』。
その売り上げは、必ずしも若者世代中心に支えられている訳ではありません。
つまりは「いい歳してこってり系好きのラーメンマニア」のアンテナに目ざとく引っかかる、新しいテイストを発表し続けるマルちゃんらしからぬ攻めの姿勢が生んだ成功と言えるでしょう。
CMタレントである米倉涼子さんが持つ、自信満々で挑発的なイメージを上手く活かしていると思います。
イノベイターの日清、プロモーターのマルちゃんと言ったところですね(笑)!
★マルちゃん『ZUBAAAN! 背脂濃厚醤油』……1食あたり429kcal、脂質11.3g
明らかにこれまでのラーメンよりカロリーと脂質が高いですね。
この数値が価格にも反映されているのですが、油揚げ袋麺はもっとカロリーと脂質が高いんですよね。
古い世代の方は、目に見える油(スープに浮かぶ油)や直観的な味の濃さで身体への影響を心配しがちですが、ハッキリ言いますよ。
濃い味のノンフライ袋麺より、『チキンラーメン』や『サッポロ一番 塩らーめん』の方が身体に悪いです。
【麺】……今回のラインナップの中で唯一の、純然たる細麺です。
茹で時間も2分で、それでいてコシがすぐなくなったりもしないので、まさに京都風の背脂醤油ラーメンにはピッタリの麺でしょうね。
普通に美味しいのですが、どうしてもこってりスープには負けてしまいますし、あっさりスープなら合うのかと言われても言葉が出てこないです。
無難に4点ですね。
【スープ】……背脂を模した脂身が見た目のインパクトを与え、それでいてしつこくはなく、やや甘めの味わいは満足感と満腹感を与えてくれます。
ただ、甘めのラーメンスープというのは塩分もかなり高いので、ついつい飲み干してしまうとGO TO HELLですよ(笑)。
こってりスープ好きなら満足の4.5点です!
【総評】マルちゃん『ZUBAAAN! 背脂濃厚醤油』……総合8.5点。
今回取り上げたラインナップの中では、味の濃さに反比例して個性が弱かったです。
ニンニクや生姜といった香辛料の個性を抑え、豚脂や鶏油の甘みを全面に出してきたからでしょう。
こうして食べ比べてみると、無難なあっさり醤油の『正麺』と無難なこってり醤油の『ZUBAAAN!』を抱えるマルちゃん、さすがに定番の強さを熟知していますね!
◎総合チャンピオン
日清『ラ王 醤油』……総合9点。
今の『ラ王 醤油』はヤバい!
マルちゃん派、サッポロ一番派の人、御当地袋麺派の人も、是非一度ご賞味下さい!
あなたがノンフライ袋麺、醤油味頂上決戦の王者です!
⑤おまけ……イチオシ麺とイチオシスープを組み合わせて、「究極の袋麺」は作れるのか!?
ハイそれでは\(^o^)/!
個人的なイチオシ麺の『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム』と、個人的なイチオシスープの『正麺』を早速組み合わせてみましょう!
ちなみにひと足早く、残されたもう片方である『正麺』の麺と、『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム』のスープを組み合わせてみたところ、ぬめりが残る麺がこってりスープのとろみを更に増し、スープの味もボケてしまいました。
私が開発責任者だったら発売許可しないレベルですね(笑)!
では、『究極の袋麺』候補が完成しましたので、早速いただきま〜す!
参考までに追記すると、水量は『正麺』スープ側の500mlに合わせた方が『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム』側のノンフライ麺にもいいので、500mlで決行しました。
……あれ? あんなに美味しかったはずの麺がなんかイマイチだぞ?
コシもつるみも最高なのに、少し麺から臭みを感じる……。
皆様、これがインスタント袋麺の限界なのです。
『これ絶対うまいやつ♪ プレミアム』の麺は、麺の食感を極めるために「かんすい」を多めに使用しており、その結果として麺から重曹の匂いと雑味がしていたのです!
これはつまり、こってりしたスープと組み合わせていたから臭みと雑味が消え、麺が最高に美味しかったという結論になりました。
『正麺』のあっさりスープでは、重曹の匂いと雑味は消せないのです!
薄々と予想はしていましたが、やはり1+1が簡単に2になる世界ではありません。
食品メーカーの研究熱意と企業努力には改めて感服しました!
我々も許せるレベルの値上げは許そうではありませんか(笑)!
この価格で美味しく楽しめるノンフライ袋麺に、今夜も乾杯しましょう!