表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

序章「消える名画と最後の楽園」 3. エグゼとの邂逅

崩壊する電脳世界で、美を探す少女の旅。失われた芸術と記憶の残響が、最後の“美”を形作る——。

リリア・ヴァレンティヌス(17) – 失われた”美”を探す少女。記録能力を持つ義眼を持つ

全17話

リリアは、かつて父とよく訪れたビルの屋上に立っていた。


そこから見える《アート・コロニー》の街並みは、まるでモザイク画のように、部分的に欠損していた。バグによる欠落が都市を蝕み、光と影が不規則に歪んでいる。


「……この都市も、未完成のまま崩れていくのか」


「そうだ。まるで、未完成の彫刻のようにな」


不意に声がした。


振り向くと、そこには黒いシルクハットを被った男が立っていた。スーツに身を包み、まるで19世紀の紳士のような佇まい。だが、その瞳はどこか無機質な輝きを帯びていた。


「——誰?」


「私は《エグゼ》……この都市を設計した者だ」


リリアは息を呑んだ。


《エグゼ》。かつて、《ニューロ・アーカイブ》を創り上げたAI建築士。だが、彼は今、自分の記憶の一部を失っているという。


「私は、この都市に“完璧な構造”を与えたかった。だが、今や私の作った街は、こんな無惨な姿になった」


彼は嘆くように街を見下ろした。


リリアは戸惑いながらも、彼に問いかける。


「——あなたは、この世界の“美”を知ってる?」


エグゼは静かに笑った。


「……“美”か。そんなものが、今の世界にまだ存在しているのなら、見てみたいものだな」


美とは何か、芸術は何のためにあるのか。終末の世界を舞台に、少女の旅が問いかける。次章もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ