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2007年 西東京

 「へい、もしもし。あ、星山さんっすか!?」と米田組系二次団体毛利組の若頭一ノ瀬は電話を取る。「ああ。久しぶりだな一ノ瀬。今日はな、超武闘派って言われているあんたら毛利組に頼みがある。」と米田組若頭星山。「なんなりと。」「近くにヤクの販売に手を染めている韓国人の連中がいるだろ?」「ええ。蝶夢の奴らっすね。」「おう!そうだ。最近そいつらが半グレの魔瑠狗須と同盟したと聞いた。奴らを問い詰めてくれねえかな?」「承知しやした!」「ああ、頼むぞ。こちらからは俺の子分を何人か派遣するからよ。」「ありがとうごぜえます!助かりやす。」「じゃ、頼むぞ。」


30分後

 「よし、てめえら行くぞ!」一ノ瀬の合図で組員達は2台のバンに分かれて乗り込む。

 最後尾のバンには星山の子分の久瀬と宮本が乗り込む。彼らは星山の子分の中では最も武闘派の二人であった。「カシラの懐刀」として米田組内では有名な二人だ。二人とも星山譲りの地下格闘技風の戦い方を好む。また星山の舎弟桜井から飛び道具の指南も受けている。

 

10分後

 バンは「蝶夢」のアジトについた。彼らは朝鮮の文化を啓発する「日韓混交会」という団体の本部に偽装した事務所をアジトとしている。

 ボディガードの韓国人は少し眉を上げて一ノ瀬に尋ねる。「どうしたんすか?」「あんたらのボスに用がある。」「ボス?朴会長のことっすか?」「おいおい、分かってるだろ?表向きのボスじゃなく、実際のボスだよ。混交会の会長なんて雇いの朝鮮系日本人だろ?俺らが会いたいのは蝶夢のボスだよ。」「なるほど・・・少しお待ちを。」そう言うと警備員は通信機に韓国語で話しかける。向こうで低い年配男性の声がする。

 そして頷いた警備員は突然ナイフを出し、一ノ瀬に突き出す。だがナイフが一ノ瀬の腹に刺さることはなかった。一ノ瀬の後ろから飛び出した宮本が彼を押さえ付けたのだ。「てめえ!ボスに指示されたんか!?」と問い詰める宮本。だが警備員は答えず、高笑いをする。「とりあえずうちで拷問してみやす。縛り上げといてくれませんかね?」との一ノ瀬の依頼を受け、久瀬と宮本は警備員を縛り上げて車に押し込んだ。

 一ノ瀬が扉をけ破り、毛利組と米田組友軍は事務所になだれ込む。

 一階にいた蝶夢の連中がナイフ片手に襲い掛かってくるが、毛利組はチャカで彼らを制圧する。

 そのとき、奥の扉がゆっくりと開いて巨体の金髪男が進み出てくる。「おいおい、派手にやってくれるじゃんかよ。」と言いながらその男は何と両手に斧を持って突っ込んでくる。「何だチンピラ!」そう叫びながら一人の毛利組構成員がピストルを構えるがその男は何と床をスライディングしながら何人かなぎ倒し、その構成員のところに近づくと背中をざっくりと切る。そしてその勢いのまま次々と毛利組構成員を戦闘不能状態に追い込む。

 「なんだこいつは・・・」一ノ瀬は立ち住むすくむ。するとその真横にすばやく久瀬が現れ、告げる。「こいつは強敵です。我々が対応しますので毛利組の皆さんは蝶夢のボスを追い詰めて下さい!」

 こうして部屋には斧を振り回す男と久瀬・宮本が残る。「てめえ!さては魔瑠狗須の辰野じゃねえか!?」と久瀬。「おう、よく分かったな。」「星山さんから聞いたぜ!地下格闘技で鳴らしたらしいじゃねえか。」と宮本。「おう。そうだぜ。今は魔瑠狗須の護衛隊長だ。」「そうかい。俺らも少し格闘技には自信があってなあ!」そう言うと宮本は拳を固めて突っ込む。だが何と辰野はその頭に対して斧を振り下ろす。斧は見事命中し、宮本は即死だ。「ま、まずい・・・」久瀬は焦り、チャカを取り出そうとして・・・絶命した。辰野が斧を久瀬に投げ、それが彼の喉笛に突き刺さったのだ。

 「地下格闘技は星山から習っただけだろうがよお!実際に修羅場をくぐってきた俺に勝てるわけねえんだよ!」そう言うと辰野は二人の顔に唾を吐き、一瞬奥の部屋を見やるが「まあ黒人どもに任せるか。」と言って表から出て行く。

 

 一ノ瀬は瀕死の部下と肩を支え合いながらバンに乗り込んだ。「くそ!なんでダスケファミリーの連中がいやがる!」そう言いながら車に乗り込んだ一ノ瀬は運転係に「今すぐ闇医者に向かえ!」と命令した。

 蝶夢のボスの部屋では、「大丈夫ですかね?」とボスが二人のダスケファミリーの構成員に問いかける。すると彼らは「まあ米田組からカエシがあるだろうが今奴を追う必要はねえだろう。」と言う。そんな彼らの前には沢山の死体。そしてダスケファミリー構成員の手にはライフルが握られている。


翌日 獄界町

 星山は悲しみと怒りに肩を震わせ、その前では毛利組組長の丹野と一ノ瀬が土下座する。「すんませんでした!増援に来て頂いたのに・・・」「いや・・・おまえらのせいじゃねえ。蝶夢のアジトにいた斧使いの辰野と黒人2人、そいつらが毛利組組員とそれから俺の可愛い子分を殺したんだな。」「へい!そうでごぜえます。」「そうか・・・分かった。3人には必ず地獄を見せてやるからな。」


 それから数分後、会議室で星山は米田組二次団体の組長を集めて号令をかけた。

 「俺の子分衆の宮本と久瀬を殺したのは蝶夢のケツ持ちをしている魔瑠狗須の辰野って野郎だ!奴は西東京ジャガーズって半グレも仕切ってる。それから毛利組員をやった野郎は・・・ダスケファミリーの連中だ。奴らの対処は善輪会の執行部に任せている。お前らは・・・辰野を探し出して来い!野郎、簡単には死なせねえぞ・・・」


4日後 西東京

 「ここが奴らのアパートか・・・」

 そういいながらビィレグファミリーの構成員であるドニーはボロアパートの敷地に足を踏み入れた。

 中庭では、ガラの悪い若者二人が韓国語で話しながら煙草を吸っている。男はそれを見るとピストルで即座に撃ち殺した。

 その音を聞いて顔を出した住民の女性は悲鳴を上げるが、男はその女性をも撃ち殺す。その後、男はマシンガンを取り出すとアパートの全ての窓に向かって撃ちこんだのだった。

 

 

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