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善輪会激震

2007年 場所不明

 「何だこれは!」半グレ集団魔瑠狗須の頭目富樫は支部に派遣した部下が持ちかえってきたものを見て驚いていた。

 それは魔瑠狗須内の粛清を行う幹部孟の死体だった。明らかに折られた首のところに札のようなものがかけられていた。その札には以下のような文言が炭で書かれていた。

 

 魔瑠狗須の総長そして元舎弟富樫

 お前の本性がヤクをばらまく外道だったことは悲劇的だ。

 そしてその本性を見抜けなかったのは指導係である俺、星山泰全の責任だ。

 だからこそ俺はその責任を取る。

 お前を必ず殺し、ヤクをばらまくゴミのような組織ともども殲滅させる。

 元組員だから葬儀くらいはしてやるつもりだ。骨壺を用意しておけよ。

                    善輪会系原山太闘会米田組若頭星山泰全


 「くっ・・・クハハハハハ・・・!」富樫は狂ったように笑う。「あの野郎、俺がいつ刺し殺してやろうかと考えていたとは思わなかったみてえだな。馬鹿なおっさんだぜ!まあいい・・・勝つのは俺だ!ヤクで獄界町・・・いや日本全土を支配してやる!」


4日後 神奈川県 鬼斬町

 「兄弟、久しぶりだな!」善輪会会長の武田は出迎えてくれた舎弟別府と握手した。

 別府は善輪会系鬼斬鉄拳会会長であり、善輪会相談役も兼任している。今回は、獄界町を中心に薬物が流通し始めていることとその裏で暗躍している海外マフィアへの対応を話し合うために訪れたのだ。

 「申し訳ないが今日は理事長の穂村が用事で来れねえ。俺と副会長の原野で対応させてくれや。」「もちろんでごぜえます。原野さんもお久しぶりですな。では中へ。」「へい、失礼いたしやす。」

 そうして武田、別府、原野という3人の善輪会老幹部による会合は鬼斬鉄拳会本部の和室で開始された。「米田組からの情報によるとな、ヤクを売っている奴らは魔瑠狗須という半グレ連合だ。そして、奴らにヤク供給しているのはアメリカのダスケファミリーだとよ。」と武田。「それは・・・厄介ですな。」と別府は少し驚いているようだ。「ああ。ボスのダスケとは何度か会ったことがあるが、あいつは危険人物だな。暴力で成り上がって来た奴だが、頭も良い。」「できれば敵に回したくねえっすね。」と原野。「そうだな。それに加え・・・原野、説明を。」「へい会長。実はそれに加えてダスケファミリーに対抗するためにビィレグファミリーの連中が支部を作りやがった!」「噂には聞いていましたが・・・やはり事実でしたか。」「ああ。奴らは今のところ魔瑠狗須対応に当たっている米田ー小原連合への武器供給ですんでいるが、今後本格的にダスケファミリーとやり合う可能性が高い。」「アメリカの抗争を日本に持ち込まれたら厄介ですな。」「その通りだ。兄弟、どう思う?」「そうですなあ・・・」別府は顎鬚をなでて考える。「米田ー小原連合と提携している以上ビィレグファミリーを追い出すのは難しい。では、米田ー小原連合の魔瑠狗須対策と連動してダスケファミリー追放作戦を展開した方がよいかと。」「なるほど。分かった。原野。」「へい!直ちに幹部会を開きやす。別府の叔父貴も是非ご出席を。」「分かりました。そこで直系組長にダスケファミリーのへの対応を指示するんですね?」

 その後この会合は食事を挟んで3時間程続いた。

 「では失礼したな、兄弟。」「ええ。お気をつけて。」そう言って武田と別府が握手した時であった。本部の門を突き破って突然2台のバンが侵入してきた。

 「何だ!」と鬼斬鉄拳会の護衛4名と武田・原野の運転手がピストルを抜くが時既に遅し。バンから飛び出してきた男達はマシンガンを取り出すと護衛と運転手を排除。

 「こちらへ!」原野のバンから原野が雇う傭兵の大久保と寺沢が飛び出てきて原野を守りながらバンに誘導する。

 だが武田と別府には凶弾が襲い掛かってしまい、二人は血を流して倒れたのだ。


翌日 東京 蔵部町

 突然招集された善輪会緊急会合は重苦しい雰囲気に包まれている。

 議長席は空席であり、その右側の席に座る善輪会理事長穂村が会議を開始する。

 「もう既に電話連絡済みですが、昨日武田会長が神奈川の鬼斬鉄拳会本部にて銃撃されました。幸い居合わせた原野副会長は無事でしたが、武田会長は・・・意識不明。別府の叔父貴は・・・即死でした。」

すると次に口を開くのは善輪会副会長原野だ。「ヒットマンの一人をうちの護衛が捉えた。あの野郎、しぶとくて口を割らなかったが・・・黒幕は四谷会だとさ。」すると幹部陣がざわめき始める。

 「四谷会・・・確か上部団体は荒木組ですな?」と言うのは善輪会本部長の韮澤。「ええ。その筈です・・・布山さんがいますね。」と緊張感を孕んだ声で穂村は言う。

 布山は善輪会元理事長だったが武田と意見が合わず現在は自身が会長を務める丸堂繪共々善輪会から離脱している。そして現在は荒木組組長代行の職にある。善輪会離脱後、病床の荒木組組長と兄弟盃を交わして実質的に荒木組を乗っ取った。

 「あんたの言いたいことは分かるぜ韮澤。確かに布山が怪しい。だがあの野郎は今朝電話を入れて来た。指示したのは四谷会若頭の岸本だ。四谷会が岸本と奴の組堂嶺会は絶縁処分にしたから好きなようにしろ、とのことだ。今下手に四谷会や荒木組を敵に回すとより厄介がことになる。とりあえず下手人の堂嶺会にカチこまねえとな。」「しかし副会長、どう考えても・・・」と反論しようとしたのは副理事長の木戸だ。だがそれを原野が怒鳴りつける。「いいか!?これ以上善輪会を崩壊させたくねえなら俺と穂村理事長の話を聞け!」「しょ、承知致しやした・・・」と木戸は黙る。「堂嶺会を壊滅させる部隊を出せる者はいるか!」すると「俺出せやすよ。」と善輪会副本部長の稲垣が手を挙げる。「はい。他には?」と穂村が問うと韮澤も手を挙げる「最近は半グレどもとの抗争もあまり忙しくないようですし、うちの二次団体の米田組が使えますよ。」

 

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