守屋の襲撃
2006年 獄界町
武闘派として名高い米田組事務所は慌ただしい空気に包まれている。部屋住みが皆会議室として利用される巨大は和室の掃除に駆り出されている。
組長の米田が現在抗争中の小原一家との抗争の中緊急会議を開いたのだ。
星山が米田の隣に座ると同時、米田が口を開く。「突然の招集、すまない。今日の会議の目的は小原一家と奴らと同盟しているグレ組織魔瑠狗須への対処だ。」すると本部長の勝田が言う。「親父、それは簡単なことですぜ。両組織とも叩き潰すんです!トラックで特攻したっていいですぜ!」「そうだな勝田。だが小原一家も武闘派だ。また魔瑠狗須のほうは元々稲垣連合を中心とした暴走族・愚連隊・不良グループの緩やかな同盟にすぎなかったが今のボス海棠は圧倒的なカリスマ性で組織を強固にした。どちらの組織も侮れん。」「親父、申し訳ねえ。ただ俺らの仲間に大勢のけが人が出て、瀕死の奴もいて・・・」勝田は声を詰まらせながら謝罪する。米田はその肩に静かに手を置くと話を続けた。「とりあえず、我々は小原一家からシマを取り返し、奴らを降伏させることを第一に考える。奴らの後ろ盾を失えば魔瑠狗須は弱体化するだろう。そうしたら・・・半グレごとき我々の手でつぶせるだろ?」「さて・・・親父の言ったとおり俺らはまず小原一家に攻勢を仕掛ける。」と星山が言うと組員全員が「へい!」と勢いよく答えた。「よし、まず俺らは小原一家傘下の組織事務所に攻撃を仕掛ける。奴らの事務所は東京中に散らばっている。各場所のにシマを置いている友好団体には一報入れてある。明日、俺は数人引き連れて楼零街の芭露会事務所を攻撃する!」
翌日
「馬鹿野郎!星山を殺すのにどんだけかかってるんだ!」小原一家副総長片山に蹴りつけられ、幹部の守屋は血を吐く。「すみません・・・副総長・・・」「お前の舎弟には役立たずしかいねえのかこの野郎!」そう言うと片山は怒りのあまり置いてあった花瓶を守屋に投げつける。
副総長室からふらふらと出てきた守屋に舎弟の川上が歩み寄って濡れタオルを渡そうとする。だが守屋は「どけ!」と怒鳴って川上を突き飛ばして自分のオフィスに走り込んだ。
椅子に座った守屋は唇をかみ、体を震わせる。「星山泰全めえ・・・俺が直々にてめえを地獄に送り込んでやるぜ!」片山からの焼き入れの傷のより守屋の顔は恐ろしい形相だ。
彼は卓上電話を取ると情報屋に電話をかけ始めた。
4時間後 楼零街
「ここが芭露会の事務所っすか。」とマシンガンを握りしめて言うのは米田組の土井だ。普段は組長のボディガードをしている男だが、米田が小原一家系組織粛清のため貸し出したのだ。
「そうだ。玄関前に二人のボディガード・・・流石の警戒態勢だな。だが・・・車で突っ込まれたら一たまりもねえ筈だぜ。」星山がそう言うと同時、運転手の舎弟がアクセルを全開にする。
車はボディガードを吹き飛ばし、事務所の玄関に突っ込んだ。「カチコミだ!」と吹き飛ばされたボディガードの一人が腹を抑えながらが叫び、奥からピストルを抜いた組員達が出てきた。「てめえら俺らを襲撃したことを後悔させてやるぜ!」と言った彼らだがそこに星山と土井が放つ弾丸の雨が降り注ぐ。彼らは次々と弾丸に貫かれ、倒れていく。
「なんだ!」と出てきた芭露会会長にボディガードが多い被さり、裏口に誘導する。「まてこらあ!」舎弟がピストルでボディガードの背中を撃ち抜く。
「よし、裏に回ろうぜ!」星山はそう言うと入り口から飛び出し、裏口に走ろうとする。だがその足元にいきなり弾丸が飛んでくる。
「星山ぁ、やりやがったな!」と言いながらバイクで迫るのは守屋だ。顔は星山に対する憎しみのあまり歪んでいる。
「おいおい顔の傷すげえな!だがその禿げ頭は分かりやすいな守屋!」そう言うと星山は守屋のバイクのタイヤを撃ち抜き、止めた。
「星山!今日がてめえの命日だぜ!!」と言うと守屋はマシンガンを取り出した。「ふん!」星山もピストルを捨ててマシンガンを取り出す。そして両者同時に撃ち合いを始めた。「くそ!」先に弾が当たるのは星山だった。「へへへ・・・俺の噂を聞いたことがあるか?」「ふん。たしか元殺し屋か?たしかに金のためならどんな殺しもやる下衆の見た目だなあ!」と言いながら星山は後退する。
「兄貴!」走り出てきた土井がマシンガンで加勢しようとするが星山は肩から血を流しながらも言う。「こいつは俺が処理しておく。てめえらは逃げた会長を追って仕留めろ!」「へ、へい!」
「おっとお!」守屋がタックルを仕掛けてくる。「痛いじゃねえかコラ!」と倒れた星山を押さえつける守屋。「へへへ・・・てめえを殺せば米田一家は終わりだな。」と言って守屋は星山の首に手を伸ばす。「ふん。そうはいくかよ。そろそろ本気出すかあ!」「うん?」その途端、守屋の体が吹き飛ぶ。「おりゃあ!」星山は何と足で守屋の体を挟み、放り投げていた。
地面に叩きつけられた守屋は呼吸困難になっている。「くそ・・・てめえ・・・やりやがったな・・・」守屋は立とうとするが星山はその首筋を踏みぬいた。嫌な音がして守屋が口から血を吐き出して絶命した。
「くそ・・・強敵だな・・・」星山は腕を抑えて蹲った。
「カシラ、会長を仕留めまし・・・うわっカシラ!?」土井が駆け寄ってくる。その土井の肩を借りながら星山は言う。「奴らへの攻撃を開始した。抗争はまだまだ激化するだろうな。いよいよだぜ、土井!」
三日後 獄界町
路地裏で魔瑠狗須トップ2の太田は待ち合わせていた人物を発見すると駆け寄る。「太田、呼び出してすまねえ。」と言うのはフードを被った謎の人物だ。「へえ、どうしたんです?」「守屋がやられた話、聞いたか?」「ああ、聞きました。奴の死体はねえらしいっすが多分星山ですね。」「ああ。そうだろうな。奴は地下格闘技場で何人も瀕死に追い込んだらしいからな。中々の強敵だぜ。」「でしょうね。でもね、俺も奴の運転手を殺しましたから。」「おお、やるじゃねえか。」「俺は押坂医院で星山に投げ落とされた時たまたま近くに奴の車がありましてな。そこの運転手を殺してやりましたわ。」「なるほどな。」「で、今日は星山関連の何か見つけたんですか?野郎の存命の家族が見つかったとか。」「いや。星山の動きも気になるが、今日はお前に預けたい物があってよお。」そういってその人物は小さい機械を渡す。「これは・・・録音機!!」「そうだ。奴らの事務所に入るとき服の中に隠しておいた。俺は片山を誘ったから奴らの中に怪しむ奴はいねえ。そして俺が録音機を持ち込んだのは正解だったな。再生してみろ。」「へえ・・・」太田は録音機のスイッチを入れる。
守屋と魔瑠狗須リーダーの海棠の声が入っている。
守屋「ふん。だけどあのボンボン野郎は死んだろ?」
海棠「ええ。そうですね。ヤクザ組長の息子である割には酷い最期でしたね。まあ、彼を殺したのは私だったんですがね。」
「これは・・・」「そうだ太田、飛田が死んだのはモンスターライダーズの仕業じゃない。海棠が殺して奴らの仕業にみせかけたんだ。」「ふん。であの野郎は嘘涙流しながらモンスターライダーズへの復讐を誓って内心笑いながら奴らを壊滅させたんですね。」「ああ。そういうことになるな。野郎、モンスターライダーズとの同盟関係を切りたがってたからな。飛田が反対していたが。」「どうします?この音声で誰か動かしますか?」「いや。まだいい。まだそれを使うときじゃねえ。しかるべき時に俺が指示する。」そう言うとフードを身に着けた男は歩き去っていった。




