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THE ORION  作者: 黒羽感類
Season One 学院編
27/72

VSサレン

「よーしこの調子でどんどん行くぞぉ。次はサレンだ!」

「アタシかぁー。アタシのはなんか不気味な人形なんだよねぇ」

サレンは人形を持ち上げ眺める。

すると人形が飛びサレンの頭の上に乗る。

「それは主を決めて発動する『呪いの人形』だ。触れて反応があれば主になった証拠だ」

「呪いってアタシ呪われるん?」

「いや呪いの人形といっても少しかっての悪いカウンタータイプの魔道具だ。自分が受けたダメージを人形も受けて、その分相手に返すという魔法だ。詳しくはやってみな」

「えぇ〜それってアタシがボコられるの前提じゃ~ん。世知辛しぃ~」

レンダが言う。

「サレン。逆に考えてみなよ。自分がダメージを受けても逆転のチャンスがあるって」

「確かにっ! レンダ賢いっ!」

(ダメージを受けることで発動って言ってもなるべく受けたくないなぁ。取り敢えず、交わしながら素手で勝負! これでも学院の生徒! 見せちゃる!)





サレンとゴブリンは握手をして位置につく。

「はじめ!」

ゴブリンは棍棒を振り上げてサレンの元へ走り出す。

「呪いの人形ちゃん! 頼んだよぉ!」

サレンはなるべく距離を取ろうと動くがゴブリンはサレンに近付こうとする。

(まあ、簡単に背後はとれないよね)

走ってくるゴブリンに対しサレンもゴブリンに向かって走り出す。

お互いが衝突ギリギリまで近づくとゴブリンは棍棒を振るう。

サレンはゴブリンの横を前転してよける。

「背後とったりぃぃぃぃ」

サレンは瞬時に起き上がり、ゴブリンの背中に飛びかかろうとするが、ゴブリンはしゃがんでサレンを避ける。

ゴブリンを飛び越えたサレンに隙ができ、ゴブリンは棍棒を振り下ろす。

サレンは両腕で受ける。

ゴブリンが棍棒を引く前にサレンは左足でケリを入れる。

ゴブリンは一本足を引く。

サレンは立ち上がる。

「やったなぁ!」

サレンは地面の砂を掴む。

「秘儀! 目くらまし!」

砂をゴブリンの目に投げるとゴブリンは目を痛そうにおさえた。

その隙にサレンは「おりゃぁ」とゴブリンの腹に蹴りを入れる。

「ぐわっぺ」

ゴブリンを腹をおさえながらサレンを睨む。

「へへん。どうだぁ」

ゴブリンの顔つきが変わる。

「ありゃ。怒っちゃったぁ?」

ゴブリンは棍棒を振りながら「サコナルハンハーサコナルハンハー」と呪文を唱え始めた。

するとゴブリンの棍棒が変化をし始める。

グチャグチャと棍棒らしかなる音をたてて、棍棒は蛸の足になった。

ゴブリンは蛸の足を上からたたき下ろす。

サレンはなんとか避けたが八本ある足全てには対処できず、捕まってしまう。

蛸の足はサレンを締め付ける。

ギチギチと容赦ない締め付け。

(やばい。もたない)

サレンは意識が飛びそうになる。

その瞬間、頭の上の人形が震え始めた。

頭上でプルプル震える人形はやがて暴れる様にもがいている。

(人形も苦しんでいる?)

しかし、そんな生易しいものではなかった。

人形の動きは激しくなり、明らかに重量が増えている。

(おっも!! さすがに耐えられないかも)

すると、ふっと頭上の重さが消えた。

何が起きたか考える間もなくサレンの目の前に全長三メートルはある呪いの人形が空から降って来た。

人形は蛸の足をちぎり、サレンを救出した。

「げほげほ」

ゴブリンは叫びながら蛸の足で人形に攻撃を加えようとするも全ての足を引き裂かれてしまう。

逃げようと背を向けたゴブリンを蹴り飛ばして木にぶつける。

ゴブリンが気絶したところで「やめ!!」の声がかかる。





呪いの人形はゴブリンが戦闘不能になったと同時に元のサイズに戻り、動かなくなった。

テピベラはサレンに近付き言う。

「どうだ? お前の趣向に合わせて選んだのだが」

「確かに。勉強になったかな」





するとアネッテが「サレンちゃぁ~ん!!」と言ってサレンに抱き付いた。

「うわぁ。どうしたの!?」

「サレンちゃんがあのまま締め付けられて死んじゃうのかと思ったよぉ」

「アタシもぉ~。テピベラ全然止めてくれないんだもん」

「当たり前だ。これは試練なんだからな」

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