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THE ORION  作者: 黒羽感類
Season One 学院編
17/72

謎と謎

授業前のメタリオスの教室でレンダの席にオリオン、アネッテ、ガブリエル、サレンが集まった。

「オリオンが言ってた魔法の攻撃。私らも受けたんだよね」

「そうそう! 俺なんかマジピンチだったんだから!」

「えっ! 二人も? 犯人捕まえられた?」とオリオンが反応する。

「いや、あと少しのところで逃げられた」

「上級生っぽかったんだよねぇ」

「三人の話を聞く限り、しっかり魔法を使っていたみたいだね」

「なぁんで上級生がアタシらを狙ってくるわけぇ? イミフゥ~」

「それについてだけど」とレンダが言う「実はオリオンの話を聞いた後に、これがテピベラが言っていた試練なのかと思って会いに行ったんだ」

「それで?」

「テピベラは知らないって」

「ていうかぁ。メタリオスの他の子たちも攻撃受けてるらしいんよ」

「じゃあ、なんなんだよぉ! あいつらぁ!」

「先生に相談してみる?」とアネッテが提案すると

サレンは「クリファ先生、怖いからむ~りぃ~」と拒否した。

「僕はクリファ先生でもいいと思うけど」

「レンダ、クリファ先生平気なの!?」

「いや怖いけど、質問にいつも答えてくれるし・・・。意外と真面目な話なら平気かなって」

レンダの言葉に四人は「確かに」と言った。






「そういえば、もう一つ先生に確かめたいことがあるんだよね」と言ってレンダはポケットから一枚の羊皮紙を取り出した。

その羊皮紙は少し劣化が進んでいるようだった。

「なんだ? それ」

「入学式の日にテピベラと会った倉庫で拾ったんだ。面白そうだから持ってきた」と言ってレンダは机に紙を広げた。

その紙には、二匹の蛇が絡み合い、お互いに嚙みつきあっている絵が描かれていた。

「蛇ぃ」とガブリエルが言うとアネッテが反応する。

「私これ知っている! ウロボロスだよね!」

「そうだね。巨大な蛇が絡み合って噛みつく様に人はいろんな意味を持たせてきた」

「で、それがどうしたんだよ」

レンダは「ここを見て」と言って蛇の鱗を指さした。

そこには一文字だけ文字書かれていた。

更にレンダは、他の鱗の場所を指さしていく。

レンダが指さした場所には必ず一文字だけ文字が書かれていた。

「うわぁ。まったく気づかなった」

見つけた文字を全て紙に書いて並べた。

「それでこれをどうすんの?」

「アナグラムさ。これらを並び替えると三つの言葉になるんだ」

そう言ってレンダは文字を並べ替えて、単語を書いた。

そこには『破壊と再生』『地下』『儀式』と書かれていた。

「ほう。なるほどな」と言ったガブリエルの顔に『?』マークがあったのをオリオンは見逃さなかった。

「まあ、だからなんだって話だけど。謎じゃない?」

「確かに。なんのために書かれたんだろう」

「わざわざ、文字を隠すってことは見つかって欲しくないってことだよね」

「でも、こんな紙を作ったってことは、意味があるんだろ」

「そうだね。おそらく、決まった誰かに伝えるために書かれた合図のようなものだろうね」

「誰になんの?」

「わからない。ウロボロスの絵に文字を仕込んだことにも意味はあるのかもしれない」

するとガブリエルが「やっべぇ!! 俺わかっちゃったかも!!」と言った。

その言葉に「えぇ! なになに? ちょー気になるんですけどぉ」とサレンが興味を示すと「聞きたいな」とレンダものった。

四人からの熱い期待の視線がガブリエルに向けられる。

ガブリエルは自信ありげな顔で言う。

「へっへーん。じゃあ、教えちゃおっかなぁ~。ウロボロスの体に『地下』と『儀式』だろ。こんなん地下でウロボロスを復活させる儀式をするから集まれって意味だろ」

「ウロボロスの復活? そのウロボロスはどこにいるの?」

「いや、だから地下だろ。封印されてんだよ。地下に」

「なるほど。じゃあ、『破壊と再生』は?」

「ウロボロスを復活させて、一度国を滅ぼし、新しい国を作ろうってことだろ」

「へぇ。壮大だね」

「で、そのメンバーを集めるためにこの紙を作ったってことよ。なかなか危険な奴らもいたもんだぁ」

それを思いつくガブリエルも危険だとオリオンは思った。

五人は更に、ウロボロス談義に花を咲かせようとしたが、廊下から威圧感満載の足音が聞こえ、全てを察した四人は高速で自分の席へと戻った。

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