15.リライト始動する(神官視点)
最高神官の行った会議の三日後。
『リライト』は、本格始動をした。
「リライト所属聖女たち、整列!」
一級聖女三十名。
準一級聖女二百名。
計二百三十名の聖女たちが、神聖教会の新組織『リライト』の初期人員として、所属することが決まった。
上位聖女たちは、聖女の基本的な職務である祈りの恩恵を天から授かることだけでなく、多彩な戦闘技術も有している。
それ故に、危険度の高い闇堕ち聖女への対抗勢力として、この組織に所属させられたのである。
神官に促され、多くの聖女たちは、ピシッと直立不動のまま、前を向いた。
「我々は、各地で起こる『光』の災害、並びに『上級国民』への被害に対応するために集められた。そして、これら一連の事件の犯人は、過去、我々と同じ聖女だった者。聖女としての敬虔な教えを忘れ果て、邪智暴虐な行いを繰り返す闇堕ち聖女の仕業である可能性が高い!」
一瞬、聖女たちは驚きを隠せないような顔になるが、神官の言葉が続けられる。
「闇堕ち聖女の更生は、残念ながら望めない。故に諸君らには、闇堕ち聖女の殺害を主要任務として命ずる!」
つまりこれは、道を踏み外した元身内を殺せという……あまりに酷な命令だった。
「ねぇ、それって……私たちに殺しをしろってこと?」
「戦闘訓練は、護身用にと思って学んできたのに……」
「闇堕ち聖女って、元々私たちと同じ聖女だった人なのよね。それを殺せって」
「流石に聞いてないわ……」
聖女たちの間に動揺が走る。
「静粛に……っ!」
しかしながら、神官は険しい顔のまま。
その騒めきを一喝して静めた。
聖女たちには不満が溜まっていた。
けれども、聖女は神聖教会に対して忠実な存在。命令に反することは許されないし、行えない。
だからこそ、神官の一言で彼女たちは口を噤んだ。
「色々と納得できない部分はあるでしょう。しかし、我々が守るべきは、この国を支え、発展させていく高貴な方々。すなわち、『上級国民』の方々です。彼らに牙を剥く闇堕ち聖女を野放しにしておくというのは、神聖教会の威信に関わり、貴女たち聖女の存在意義すら疑われかねません!」
聖女とは、人々の信仰を受けることを目的として活動している。
その支持が失われてしまうというのは、神聖教会によって、聖女にとって、死活問題となる。
天へ祈り、その見返りとして活動資金を集めている教会の求心力の低下は、聖女たちに対する待遇の低下にも繋がる。
「これは、神聖教会の生存を賭けた戦いと言えます。敵が、かつて聖女だったとしても、容赦なく殺しなさい。それが、貴女たち『リライト』に与えられた使命なのですから!」
使命と言われれば、断ることはできない。
その場に集められた聖女たちは、頷く。
こうして『リライト』は、闇堕ち聖女ノクタリアを殺害するための敵対勢力として動き出すこととなった。
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