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12.神聖教会の憂い(神官視点)




 聖女とは、国の治安を守る存在。

 人々の心を救い、国の豊穣に寄与する。

 国の民から崇められ、その期待に応えることこそが、聖女の役割であり、使命である。


 だからこそ、この世で巻き起こる不可解な現象を放置したままでは、終われないのだ。





「昨週から、王国奴隷商の名誉代表。ノーマン=グリル=レドルフォンの行方が分からなくなった」


 王国奴隷商の名誉代表。

 ノーマン=グリル=レドルフォン。

 彼の失踪事件について、神聖教会の講堂で最高神官が集まり、会議を行っていた。

 講堂の中央に立つ最高神官が、議題について話し始めた。


「近年頻発している『光』の災害と多くの『上級国民』の死亡、失踪事件。これらのことが無関係であるとは、到底思えない」


『上級国民』


 国の発展に寄与した存在、または、国内で大きな影響力を持つ権力者のこと。

 彼らは国が保護する存在であり、我々神聖統一教会の聖女たちが護衛する対象でもある。

 そんな彼らに対して、昨今、様々な厄災が降り注いでいる。

 行方不明になることが頻発し、彼らが発見できたとしても、その時には既に死亡している。

 

 ……他殺の可能性が高いと考えられるが、犯人は分からないまま。

 しかしながら、彼らの死や失踪と同じくして、近辺では『光』の災害が起こっていることが多い。

 それが、二つの件に関係性があるという見立てが立った理由である。

 

「……これは、解決すべき問題だ。『上級国民』の死亡、失踪の事案は、聖女の力不足を指摘する連中を増長させかねない!」


「『光』に関する問題もそうだ。聖女の祈りによる大地への恩恵が、不信感を持たれている。一部噂では、神からの天罰などという根拠のない話が広がっているらしい」


 両件は、どちらも聖女の威信に関わる。

 神聖教会を信じている国民からの信頼が失われることがあれば、それこそ目も当てられない。


「……今回の奴隷商名誉代表の失踪に関して、少しだけ気になる点がある。これを見て欲しい」


 手元の資料を卓上に広げる。

 そこには、名誉代表の所有奴隷リストがあった。


「これがどうした?」


「このリスト……名誉代表との連絡が取れなくなった日を境に、奴隷の数が大きく減少している」


 そのリストには、ノーマンの所有する多くの奴隷が、一斉に契約破棄されていることが書かれていた。

 それは、彼の失踪が確認された日こと。

 明らかに彼の失踪と、奴隷の一斉契約解除は、関連しているとしか思えないものだった。


「これは……!」


「作為的だな」


「誰かが、名誉代表を殺し、その奴隷たちを解き放ったとしか思えん!」


 神官は口々にそう語る。


 この奴隷契約の記録は、王国奴隷商の本拠地に魔法を介して自動的に送られてくるものだ。

 だからこそ、奴隷が一気に契約から解放されたことを不審に思った奴隷商の人間が、ノーマンの所有する土地に赴いたことで、彼の失踪が発覚した。

 更に、この話には続きがある。


「奴隷商の者によれば、ノーマンの土地……通称『奴隷村』に行った際、その村には、誰一人として人の気配がなかったそうだ」


「────っ!」


「それはつまり、その村にいた奴隷が全員消えていたと……そういうことか?」


 奴隷は、主人の命令に逆らうことはできない。

 奴隷の烙印が押され、奴隷契約を結んでいる限り、主人に危害を加えることもできない。

 だから、奴隷たちが一斉にいなくなることがあるとするならば、それはノーマンが彼らを解放するか……もしくは、外部からの干渉の可能性しかない。


「やはり、奴隷商の名誉代表は、何者かに誘拐、または殺害された可能性が高い」


 神官の一人が、そんなことを告げた途端に教会の講堂内は、シンッと静まり返った。




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