14 モノカお約束
エルサニア王都の我が家に、無事到着。
さくっと挨拶回りのはずだったのに、
短い間に、なんだかいろんなことがありました。
両チームのみんなもシナギさんたちも、報告を聞いてびっくりしていたよ。
「何はともあれ、めでたしめでたし、ですねっ」
そうだね、ノルシェ。
今回いちばんめでたしだったのは、ニケルちゃんの成長、かな。
「それでは、皆さんご一緒に、リグラルト王国について、学びましょうか」
そうですね、フナエさん。
新しい孤児院の件、みんなでお手伝いするためにもいろいろ知っておきたいですし、
カミスも言ってたけど、ツァイシャ女王様に御報告する前に、
予習をしっかりしておかなきゃですよね。
「そうだ、アランさんたちへの挨拶回り、先に済ませちゃおうよ、モノカ」
そうだった、ごめんねアランさんたち、いろいろあって忘れちゃってたよ。
それでは、急ぎ行ってまいりましょうか。
っとその前に、マクラとハルシャちゃんは、いっしょに行く?
「フナエ先生と、お勉強の準備してるね」
「ハルシャも、マクラお姉さんといっしょに準備するよっ」
くっ、聞きましたか、カミスさん。
マクラやハルシャちゃんだって、ニケルちゃんのように、日々成長しているのです。
私たちだって負けてはいられませんよ。
ロイさんみたいな素敵な大人を目指して、人生修行をまっしぐら、ですっ。
「モノカだって日々成長してますって。 というわけで、久しぶりに採寸を」
ネルコには、戻ってきてからたっぷりと、言いたいことがあるのです。
乙女の守秘義務違反の罪、並のお仕置きで済むとは思うなよ。
明るく楽しい人生欲しくば
乙女も男子も日々これ修行
予習・復習もちろんですが
なにより大事なお約束
前を良く見て安全運転
不肖、秘崎萌乃果
なんだか最近
いい感じに
乙女人生満開
「ねえモノカ、なんだか最近お出かけするたびにイベント続きだけど、さすがにアランさんのところは大丈夫だよね」
「どうだろうカミス、玄関開けたら五人目の奥さまがお出迎え、なんてことは、ない、よね」
「フラグって言うのかな、あんまりあれこれ考えすぎちゃ駄目ってことかも」
何はともあれ、アランさん宅へご挨拶に。
それじゃ、ミスキさんたち、お願いします。
「それでは、配達魔導車『システマ』ちゃん、アランさんのおうちへ、出発!」
「「「ハイッ」」」
あとがき
リヴァイスという世界は、ひとりの少年がプレイしている仮想現実ゲームです。
彼は長い時間この世界を旅するうちに『鏡の賢者』と呼ばれる存在になりました。
お供のメイドさんは『伝説のメイド』と呼ばれております。
ここで暮らしている人々はいわゆるAIですが、それなりに大変なこの世界を楽しく生きているみたいです。
リヴァイスの物語は、そういう人々のあれやこれやを短編として紹介するものとなりそうです。
iPadのメモ帳につらつら溜め込んでいたショートストーリーや小ネタをひとつの世界にまとめようとしたら、こういう設定になりました。
整合性や何やらいろいろアレですが、お話しがまとまり次第投稿したいと思っております。
楽しんでいただけたら幸いです。




