13 カミス帰還
「ニケルの事は生涯守ると、妻に誓ったのです」
「節度あるお付き合いを、お願いします」
バルモルトさん、よろしくお願いします。
報告、遅れてすみませんでした。
あと、できれば、プレッシャー、もう少しだけゆるめてほしいです。
「今回の対応は、いつものカミス君らしくなかったよね」
「ハルシャちゃんのパパとして、お相手の父親の気持ち、分かってあげて欲しかったな」
ロイさんから、静かに、諭されました。
確かに、もし突然ハルシャちゃんがアレな婚約者なんて連れてきたりしたら、
僕だったら、心が壊れちゃうかもしれないよ。
反省あるのみ、です。
今は、速達鳥で文通してるだけの婚約者だけど、
なんていうのかな、
ニケルちゃんの真っ直ぐな成長の手助けができればいいな、みたいに考えております。
ハルシャちゃんたちも、見守ってくれると、うれしいです。
ロイさんたちも、もちろんモノカも、新しい孤児院の力になりたいって、いろいろと考えているみたいです。
僕にできることって、なんだろう。
もちろんチームのみんなにも相談だけど、
一度ツァイシャ女王様に、御相談してみようかな。
待てよ、女王様なら孤児院のために積極的に動いてくれるだろうけど、考えてみたら、そもそもよその国の話しなんだよね。
まずは先にロイさんたちの国、リグラルト王国のことを、もっと勉強してから、だね。
そんな感じでいろいろありましたけど、いよいよ帰還です。
ニケルちゃんたちに、ご挨拶。
ロイさんたちに、ご挨拶。
魔導車『システマ』は、準備万端。
それじゃ、ミスキさんたち、お願いします。
「それでは、配達魔導車『システマ』ちゃん、エルサニアのおうちへ、出発!」
「「「ハイッ」」」




