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私の事




私の話し。

お父さん、お母さん、弟と、私の四人家族。

お父さんは銀行マン、お母さんは大学の先生。

弟は出来が良くて、将来の夢はお医者さん。

そして私は……フリーター。



大学も卒業した、いろんな資格だって持っている。

けれどそれは……弟と比べるとかなり劣っているらしい。



弟は幼稚園からお受験して名門小学校からエスカレーター式の格式高い学院へと入学。

もちろんお勉強だけでなく、部活動必須で野球部に所属しておりエースとして活躍している。

絵に描いたような完璧な人生。

そんな弟が産まれて嬉しかった気持ちもあるけれど、それ以上に「女だから」そう言われて育って来た私は自己肯定感の低い人間として出来上がった。

私と弟は3歳差で、学年も違うので余計に目に付くらしい。

弟は凄いけど、お姉さんは……と。

もちろん弟が凄いことは目に見えて明らかだし、私も認めている。

だけど、当てこすったように「姉はダメ」「弟は凄い」と言われてしまうと……段々と自分が何をしているのかなどが曖昧になっていった。



初めは両親に褒められるのが嬉しくて、次は弟にお姉ちゃんは凄いんだと見せたくて頑張っていた、はず。

そんなところも今じゃあ逆転。

家の中で居場所は無いし、家に帰ってもお父さんのエリート云々の話しを聞かされるからずっと仕事しているような感じだ。



今日も朝早くから夜遅くまで仕事をこなして帰路に着く。

もういっそ、誰か車で轢いてくれないだろうか。

毎日毎日無の繰り返しで、生きている意味も無く、楽しみも無く。

ただ生きているだけなのだ。

家ではストレス、仕事場でも自分から話し掛ける様な度胸も無く一人でぽつんと菓子パンを齧っている私。

ああ、腐っているなと自覚がある。



ちょうど真上に綺麗な満月が雲から現れて、私はホッと息を吐き出した。

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