7.〜奈落の底〜
「ちょっと待ってください!」
俺はジンを倒す宣言をしてサラの家をでようとしたが、サラはまたもや俺を呼ぶ。
「私も一様メンバーです!」
そういうサラに俺は愕然とする。
「だから……えぇっと……一様に行きましょ?」
そして俺はサラと一緒に家を出た。
サラの究極魔法は今日一日使えないらしい。究極魔法なだけあって訳があるのだろう。
そして今、キリハにもう一度会うためにに最後に、キリハに出会った校長の屋敷に向かっている。
「いたぞ!」
街の人々の声がする。
……俺達は直ぐにその場から離れて身を潜める。
今捕まったのは俺の学校の担任の先生のようだ。
先生も俺達のせいでゲームに逃亡者として参加している。
先生を助けに行こうとするサラを俺は引き止める。
この状況で先生を助けるのはあまりにも無謀な行為だ。先生の方にどんどん街の人々が集まってくる。
今のうちにと言って俺はサラを連れて校長の屋敷に向かう。
そしてまもなく俺達は校長の屋敷に辿り着いた。
「えっ……」
だが校長の屋敷があった場所や学校は今、跡形もなく無くなくなり、地面が奈落の底まで続いているような何もない空間になっていた。
「嘘、ですよね……」
サラはそう言うと口を半開きにして膝を落とす。
俺も何もない平地を見て何も言わずに呆然としていた。
「そんな……そんな……」
サラは今にも泣き出しそうな顔をしている。
「私のせいで……私のせいで……」
サラは思い詰めた表情をすると頭を抱えて地面に涙をこぼす。
そんなサラを見ていられなかった俺はサラを励まそうとした。だがその声はサラには届かず……。
「私のせいでキリハさんが……皆が……」
もう本当に見てられない。
「違う!」
そう言って俺はサラの両肩を両手で叩く。
そしてサラの目を見て話し出す。
「これはサラのせいなんかじゃない! サラはなにも悪いことはしてない! これは全部、魔王ジンがやった事だ」
「そんなの分かってます! 分かってますけど、私がジンに攫われなければ、最初からこんな事にはならなかったんですよ!」
今の言葉でわかった。サラは本気で自分のことを嫌いになりかけている。
「サラが攫わたから反乱軍はできた。サラがいたからキリハに出会えた。サラは人を嫌いになりかけている俺を救ってくれた」
「シルクさん……」
サラは座り込んだまま俺を見つめる。
「それに、ジンがやってる事は誰かが止めなくちゃいけない。だから俺達がジンを止めるんだ」
「そうですよね……私達は魔王ジンを止める使命がありますもんね」
サラは服で涙をひとぬぐいして笑顔を見せた。
第七章──救い──
「ちょっと待ってください!」
俺はジンを倒す宣言をしてサラの家をでようとしたが、サラはまたもや俺を呼ぶ。
「私も一様メンバーです!」
そういうサラに俺は愕然とする。
「だから……えぇっと……一様に行きましょ?」
そして俺はサラと一緒に家を出た。
サラの究極魔法は今日一日使えないらしい。究極魔法なだけあって訳があるのだろう。
そして今、キリハにもう一度会うためにに最後にキリハに出会った校長の屋敷に向かっている。
「いたぞ!」
街の人々の声がする。
……俺達は直ぐにその場から離れて身を潜める。
今捕まったのは俺の学校の担任の先生だ。
先生も俺達のせいでゲームに逃亡者として参加している。
先生を助けに行こうとするサラを俺は引き止める。
この状況で先生を助けるのはあまりにも無謀な行為だ。先生の方にどんどん街の人々が集まってくる。
今のうちにと言って俺はサラを連れて校長の屋敷に向かう。
そして俺達は遂に校長の屋敷に辿り着いた。
「えっ……」
だが校長の屋敷があった場所や学校は今、跡形もなく無くなくなり、地面が奈落の底まで続いているような何もない空間になっていた。
「嘘、ですよね……」
サラはそう言うと口を半開きにして膝を落とす。
俺も何もない平地を見て何も言わずに呆然としていた。
「そんな……そんな……」
サラは今にも泣き出しそうな顔をしている。
「私のせいで……私のせいで……」
サラは思い詰めた表情をすると地面に涙をこぼす。
そんなサラを見ていられなかった俺はサラを励まそうとした。だがその声はサラには届かず……。
「私のせいでキリハさんが……皆が……」
もう本当に見てられない。
「違う!」
そう言って俺はサラの両肩を両手で叩く。
そしてサラの目を見て話し出す。
「これはサラのせいなんかじゃない! サラはなにも悪いことはしてない! これは全部ジンがやった事だ」
「そんなの分かってます! 分かってますけど、私がジンに攫われなければ、こんな事にはならなかったんですよ!」
今の言葉でわかった。サラは本気で自分のことを嫌いになりかけている。
「サラが攫わたから反乱軍はできた。サラがいたからキリハに出会えた。サラは人を嫌いになりかけている俺を救ってくれた」
「シルクさん……」
キリハは座り込んだまま俺を見つめる。
「それに、ジンがやってる事は誰かが止めなくちゃいけない。だから俺達がジンを止めるんだ」
「そうですね……私達はジンを止める使命がありますもんね」
サラは落ち着きを取り戻し、手で涙をひとぬぐいして笑顔を見せた。
俺はサラの救いになれたのかもしれない。
「ちょっとお二人さーん。何してるのー?」
その声の方に振り向くと、死んでしまったとばかり思っていたキリハの姿が。
「どうしたのその死人でも見るような目は?」
キリハはいつものテンションで俺達に話しかけてきた。俺とあんな事もあったのに……。
「だってお前っ──」
「キリハさーんっ!」
サラは俺を振り払いキリハに飛び込んで泣きつく。
キリハは飛び込んきたサラを受け止め慰めた。しばらくしてサラはそのまま寝てしまった。
「シルク、あんたサラに何したの!」
「誤解だ!」
「そういうことね……」
俺は誤解を解くとキリハに今一番気になっていることを聞いてみる。
「それで、キリハは今生きてるのか?」
「何その質問。私今あんたの目の前にいるじゃない」
それもそうだよな……。
「キリハが居るってことは反乱軍の皆は無事なのか」
「えぇ全員無事よ。案内するわ」
俺は今のキリハの一言に安心した。
「あんた男なんだからサラのことおぶってやりなさい」
「起こせばいいじゃ……」
声に出てた……。
「こんな幸せそうな顔して寝てるサラを起こすつもり?」
「わかったわかった」
そういうと俺はサラをおぶってキリハについて行く。
サラって軽いんだな。それ以外の事はできるだけ考えないようにして、俺はキリハについて行く。
「着いたわ!」
俺達は三十秒も歩かずに反乱軍の皆がいる所に着いたらしい。
だがそこは校長の家があったはずの何もない場所だった。
「おい、何も見当たらないぞ?」
「大丈夫。こっち来て」
そういうとキリハは奈落の底まで続いているような場所に足を踏み入れる。
「危ない!」
俺はキリハに向かって叫ぶがキリハは奈落の底のような地面をスタスタと歩いていく。
俺はキリハが空中を歩いているように見えた。
「何してるのー? 早くこっちー」
どうなってんだ……。
俺が今どういう状況なのかぐらいわかるだろ。てかここ普通に歩けるのかよ……。
そんな事を思いながら俺はキリハについて行く。
「ここが入口よ」
そういうとキリハは何もない空間でドアを開けるような仕草をした。
「どうぞどうぞ」
言われるままに俺は入口に足を踏み入れる。
そして後ろを振り返るとそこは俺が一週間前に見た校長の家の玄関だった。どうやら俺は今、校長の家の中にいるらしい。
本当にどうなってんだ……。
そして俺はおぶっていたサラをベッドに寝かせた。
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