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サタンクローズ〜魔王が転生して人間に〜  作者: 白石 月
第二章 少女の心を救いだせ
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2.~青髪少女の真実が知りたい~

──数時間前──


 「ちょっと待て!」

 ディアスが教室に戻ろうとする俺に声をかける。

 「俺の作戦に乗らないか?」

 「作戦?」


 その後俺達はカオリのいる教室に行き、事情を話してカオリに作戦を立ててもらった。作戦に関してはカオリ便りだ。ディアスの作戦ではなくカオリの作戦だな……。

 そして俺はカオリの作戦通りセリナを商店街に連れてくることに成功した。

 そして俺は足を止めることなくどんどん奥に入っていく。そして……。


 「ここのラーメン屋が一番上手いんだ」

 「そうなんですか……」


 一番上手い店で食事をすることにしたが、やはり少しボロいラーメン屋に入るのは気が引けるのだろう。


 「あのほんとにここに……」

 「いいから、いいから!」


 俺は少し強引にセリナとラーメン屋に入った。


 「いらっしゃい!」


 がっしりとした体型の男性のラーメン屋店主がさわやかに挨拶をする。

 どうやら俺達以外に客は居ないらしい。それもそうだ、今からやることを一般客が見ていては店の評判が落ちる。

 俺とセリナは一人席に並んで座る。そして俺とセリナはメニューを見る。

 実は俺も初めて来た店なのだが美味しそうなものがメニューに多く載っていた。


 「ちょっと俺、トイレ行ってきますね」


 そう言って俺は席を外す。

 そこに背丈の低い少女が店に入りセリナに声をかけた。


 「横の席を使ってもいい?」

 「えっえぇ──どうぞ」


 セリナの許可が出て背丈の低い少女はセリナの隣に座る。その光景を俺は、先にトイレに控えてもらっていたケンの魔法越しに見る。


 「あれ、君どこかで……」


 ディアスが今来た背丈の低い少女に声をかける。


 「私もどこかで見たことがある気がするの」

 「あっ! オーガス村の情報屋じゃないか」


 オーガス村と言う単語に反応したのか、セリナの顔色が少し悪くなる。

 そして二人の会話はどんどん続く。


 「まさか店主がオーガス村出身だったなんてー。驚いたのー」

 「俺の方も驚いたさ。まさか滅んじまった町の生き残りと出会えるなんて」


 セリナはもう限界だったのだろう。今まで俺の帰りを待ってるようだったが、遂にセリナは立ち上がる。そしてラーメン屋を出ようとした。

 それを見て店主はセリナに声をかける。


 「あんた、ラーメン食っていかないのか?」

 「えぇ、すみません。また来ます」


 セリナはどうしても早く帰りたいのだろう。誰から見ても焦っているように見える。


 「でもあんた連れと一緒に入ってきたんじゃ。それにあんたもどっかで見たことがあるような……」


 その言葉にセリナはビクッとする。どうやら冷や汗を書いているようだ。


 「私もあるかもなの……」


 先程より声のトーンを落として背丈の低い少女が思い出すように言う。


 「顔を見ればわかるの。あなた……オーガス村って知ってる? 元々私達が住んでた村なの……」


 その言葉を聞きセリナは急いでラーメン屋の扉の方に向かい、ドアを開けようとする。

 

 ガシャ! ガシャ!

 

 だが扉は開かない。


 「無駄よ。私がこの部屋に入った時、結界魔法を張ったの。もう出れないの」

 「あなた、最初から」


 状況を理解したセリナは驚き叫ぶ。


 「さぁ、あなたの罪を全部話しなさい」

 「私は何もしていない! 私は何もしていない!」

 「なら見せもらうの」


 そういうとカオリは詠唱を唱える。


 「ウィンドカット!」


 カオリの魔法はセリナの服を綺麗に破く。


 「やっぱりなの……」


 セリナの胸元には古傷があった。

 見られたセリナは焦る。そしてどこか脅えているように見える。てか俺はこれを見ててもいいんだろうか……。


 「辞めてください!」


 セリナは涙を浮かべながら叫ぶ。


 「辞めるわけないの……だってあなたは私の妹の仇なの」


 それを聞くと俺はふと思い出す。

 カオリは以前、故郷の南の島に双子の妹がいると言っていた。

 その妹の仇!?

 このままではまずい……カオリはセリナを殺しかねない。

 

 俺はドアを開けようとした。だが扉は開かない。


 「えっ!? 開かないんですか?」


 ケンもドアが開かないことに驚く。

 おそらくこの中の誰かが魔法で扉にも結界を張られているのだろう。だとしたら魔法の発動には詠唱が必要だ。だがこの中の誰も詠唱を唱えていない。

 だとしたら──六人目が居ることになる。それは俺達に黙ってセリナを説得する作戦を変更していたことを意味する。

 まさか最初からセリナを──。


ご高覧ありがとうございます!

感想等頂けると幸いです。

これからもよろしくお願いします!

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