表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サタンクローズ〜魔王が転生して人間に〜  作者: 白石 月
第一章 全て始まりにすぎない
10/19

9.〜魔王の幹部と規格外の男〜

少し書き方を変えてみました。

自分なりに読みやすくしたつもりです。

俺達は街にはられた結界を破るべく、作戦を練っていた。


 キリハの話によると、魔王ジンの幹部は元々五人。

 幹部の一人、雷の魔術師は俺が倒したので、残りは四人の幹部がいるらしい。そして幹部の一人、絶対防御のスケルトンがこの結界を作っているらしい。


 「そういえばディアス、この刀は一体なんなんだ?」


 俺は以前発電所で使った時に光りだしたディアス愛用の刀のことが気になり聞いてみた。


 「それは聖剣だ。その剣で斬った魔のものは消滅させることが出来る。だがその力を聖剣自体が認めない限り形は変わらない」


 心がある刀ってことか。厄介な刀だがものすごい刀なんだなと理解した。


 「それなの!」


 カオリが突然何かを閃いたように叫ぶ。


 「その力があれば魔の力で守られた絶対防御を消滅することが出来そうなの」

 「だが俺はもうこの刀を光らせることは出来ないんだ」


 この刀は発電所以来、俺が持っても光ることはなかった。


 「なら私が持ってみてもいい?」


 そう言うのは前世勇者のキリハだった。

 俺は仕方ないと思いながら刀をキリハに渡してみる。だが刀は光らなかった。俺はなぜか少しだけほっとしていた。嫉妬みたいなやつだ。俺が無理でキリハは出来る。そんなのが内心嫌だったのだろう。俺は嫌な性格をしているなと自分でも思う。


 「この剣本当に光るわけ?」


 キリハは納得いかないのかそもそも光ることはないんじゃないかと疑い始める。


 「やはりこの剣はシルクが持っていてくれ」


 そういうとディアスはキリハから刀を取り上げて俺の方に突き出した。


 「でもこれは元々ディアスの刀だし……」


 俺はディアスに申し訳ないと思い受け取るのを拒んだ。


 「いいんだ使ってくれ。それにこの刀を一度光らしたことがあるシルクが適任だ」


 その口ぶりからするに、ディアスはこの刀を一度も光らしたことはないのだろう。やはり俺は遠慮がちになる。だがディアスが決断したことを俺はそんな理由で断ることも出来ないので刀を受け取ることにした。


 「わかった。だがもう一度光らせることができるかは保証できないぞ」

 「構わん」



 「結局作戦はどうするの?」

 俺は刀の話に夢中になっていて本題を忘れていた。

 「とりあえず戦ってみるしかないの! 絶対防御と言っても何か弱点はあるはずなの」

 俺は司令塔のカオリの考えた作戦が単純すぎて戸惑う。

 要するに闇雲に突っ込めとの事だ。


 「それはあまりにも危険じゃないですか? もし弱点なんかなかったら?」


 今まで何も喋らなかったケンが助言した。ケンの助言は的を射ている。


 「その時はシルクが絶対防御を聖剣の力で消滅させればいいの」


 今日のカオリは少しおかしい。危険で闇雲な作戦ばかり立てる。

 俺達をそこまで信じきっているのか?


 「大丈夫。皆ならきっと上手くいくの」

「カオリさんの言う通りです! 負ける気がしません!」


 カオリの言葉にはなんの保証もない。だがなぜかサラはやる気のようだ。


 

 魔法が展開されているのは街全体。よって魔法の使用者はこの街の中心にいることになる。だが街の地図を見てもそれらしき建物はなかったがカオリの『とりあえず行ってみるの!』というめちゃくちゃな言葉に俺、キリハ、サラは従い街の中心に来ていた。


 だが見渡す限り魔王の幹部らしきスケルトンはいない。

 俺達はそれらしいものを探すため、単独になって動いていた。俺は地下が怪しいと思っていたが、地下に通じる道は何処にもなかった。


 「いたぞーシルクだ! シルクだー!」


 そんな中俺は街の人々に見つかり、必死に逃げる。

 

 「そいつは俺が始末する」


 そんな声が大空から聞こえる。そして空から俺の目の前に大男が降ってきた。


 「お前が指名手配犯シルク=ヴィ=アドルスキだな?」


 髪は短髪、顎に髭があり体はディアスよりもでかい。俺はこんなに見た目が怖い人を見たことがない。


 「しっかしあれだな。こんな子供が多額の懸賞金をかけられるような犯罪者には見えん。……まぁいい。大人しく眠ってくれ」


 そんな事をベラベラと喋ったあと大男は持っている大剣で俺に斬り掛かる。

 俺は大男の攻撃を必死に避ける。家の壁や道は大剣でどんどん破壊されていく。

 俺はこれ以上街が壊されることを防ぐため家と家の間の細い隙間に逃げ込む。

 ここなら大剣を持っている大男なら通れない。そんな事を思っていた俺だがそんなことはなかった。


 「うぅぉぉおおおおお!」


 大声が聞こえたと同時に、今俺のいる家と家の細い隙間の間隔がどんどん開いていく。

 大男が家を動かし家と家の間隔を動かしていた。

 「えぇぇ?」

 俺は大男の異例の馬鹿力に驚くも、その場から直ぐに立ち去る。

 だが俺の逃げた方向目掛けて大男が投げたと思われる壊れた家が降ってきた。


 「この男、規格外すぎるだろ!」

 

 その騒ぎにキリハとサラが駆けつける。


 「これは一体……」


 キリハとサラは呆然と立ち尽くす。

 そして逃げている俺を見つけてようやく状況を理解したのか俺の方目掛けて二人が走ってくる。


 「逃げろー!」


 俺は二人に向かって叫んだ。だが二人は俺の忠告をお構いなしにこちらに走ってくる。


 「サラ、飛行魔法!」

 「わかりました!」


 キリハは降ってくる家の方目掛けて飛んでいく。その時キリハは詠唱を唱える。


 「ライトニングセイバー!」


 そしてキリハは壊れた家を真っ二つに焼き斬った。

 俺はなんとか助かったが、その時地面が揺れ俺達は足がふらつく。

 それにも動じずに大男は真っ直ぐ俺の方に向かってくる。その時大男の真下の地面が盛り上がる。瞬時に大男はその場から離れる。

 地面の下からはとてつもなくでかい蛇がでてきた。手と足が生えている蛇は黒いオーラをまとい、全身が骨だけで構成されている。

 俺達はその蛇こそが魔王ジンの幹部、絶対防御のスケルトンなのだと理解した。

ご高覧ありがとうございます!

感想等頂けると幸いです。

次の投稿も20時とさせていただきます。

これからも【サタンクローズ】をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ