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プロローグ〜終わりと始まり〜
初めまして! 白石 月です。
初投稿となるこの作品。
自分の中では結構いい出来だと思ってます。
是非とも読んでみてください。
〜毎日投稿〜
魔王の俺は今、大量の血を浴びた。
大好きな妹の血を……。
そして妹はこちらを向いて微笑む。まるで何かを成し遂げたかのように。
俺の顔面は血と涙が入り混じる。
こんなの認めたくない。だが今起こっている出来事は紛れもない事実である。
炎の槍は妹の体を貫いて俺の顔面の寸前で止まっている。
そして炎の槍が消えた時と同時に、俺の妹は俺の方に倒れる。荒い息をたてながら妹は、最後の力を振り絞ったかのように俺を抱きしめる。
俺はその妹を抱きしめる。俺の涙が妹の方に流れる。妹の血が俺の方に流れる。
俺は妹の命で救われてしまった……。
情けない自分とこの運命を、俺は認めたくない。
なぜこんなことになったのか。それを今から遡るとしよう。