紹介と昼休み
五月もそろそろ終わりな日の昼休み、動物園みたいな喧騒も一年経てばすっかり慣れてしまった。まぁ、一年経っても動物園なのに変わりはないけど。
「それでさー、昨日ソロスク行って二十キルドン勝してきたんだよ。いやー、最後のヘッショは気持ちよく決まったわー」
「へー、環にも誇れるもんあったんだな」
「いや、ゲームが誇れるものじゃダメでしょ。勉強しなさいよ勉強」
「まぁまぁ、楽しそうだしいいんじゃないですか?」
と、いつも通り四人で机を囲みながらお弁当を食べる。黒板前の一段高くなっているところに座っている、背が高くいかにもスポーツ系女子みたいなツンデレさん(本人は否定)は高校で出来た友人の諏訪 楓。
僕の目の前に座っていて、身長が私より少し大きいくらいのおっとりしたお嬢様がこれまた高校で出来た友人の藤宮 麗子。
最後に、僕の隣に座っている楓と同じくらいの身長で髪をショートで揃えているのが、中学からの友人である杜 若葉だ。
「別に勉強しなくたって授業さえ聞いてればいいんだからいいでしょ」
「その授業も寝てるのは誰だっけなー」
「確かに、環さんが授業中に起きてるところってあんまり見ませんね」
ぬぐぐ、失礼な。僕だってたまには起きてるんだぞ……たまには。ほんとにごく稀にだけど。
「あっ、そうだ!飲み物なくなっちゃったんだ!楓、一緒に買いに行こ!」
「はいはい、分かったわよ」
楓は仕方なくみたいな感じで立ち上がるが、既に手元に財布を持っている辺り、何となく察してたんだろうなぁとは思う。わざわざ言いはしないが。
「あ、ついでに私オレンジジュースで」
「じゃあ私は午○の紅茶の無糖をお願いできますか?」
「貴様らに寄越す飲み物はない!散れ散れぇ!」
なんて言ってると、後ろから楓に一発殴られた。痛い。
「なにやってんのよアンタ。ほら、さっさと行くわよ」
「あー、楓待ってぇー」
自販機前に着いた私たち。最近暑い事もあり飲み物がところどころ売り切れていた。
「あー良かった。カル○ス残ってたー」
僕はお財布の中から百二十円を取り出そうとして……固まる。
「……ね、ねぇ、楓。二十円貸してくれない……?」
「はぁ……全くアンタってやつは……はい」
「ありがとう!楓大好き!」
「あーはいはい、ありがとー」
楓は僕の心からのお礼を軽く流すと、ブラックの缶コーヒーと二人から頼まれていたものを買っていた。やっぱ楓って優しいなぁ。
「ほら環、さっさと教室戻るわよ」
さっさと行ってしまう楓のことを、僕は小走りで追いかけていった。
これからもしょうもない日常をダラダラ書いていきたいです