第1話(異世界へ行くまで)
神社へ参拝に来ていたツクヨミは目を覚ますといつもと何ら変わらない日常にいた。少し変わった事と言えば姉弟が3人共、頭・胴体・両手・両足・生殖器に幻想指輪を首・両腕・両脚に幻想首輪を装着している事位である。
TSm.「っ!!」
ツクヨミが全身に力を込めるとファンタジーリングが発光し、精神像が出現した。
TSm.「やはりか。強い意思があればスピリットは光を伴い出現する。」
As.「ツクヨミも気付いていたのね。このスピリットはどうやら一般の人にもしっかりと見えているらしいわ。」
Sw.「えっ!?そうなのか?」
As.「ええ、だってさっきこの神社に参拝に来ていたお爺さんが入れ歯が取れる位に私のスピリットに驚いていたもの。実際、取れていたわ。」
As.「それじゃあ、俺達はスピリットを使って悪さが出来ない、、のか。」
TSm.「そんな事を考える前にお爺さんの入れ歯の方を心配すべきだよ。可哀想に、、、」
As.「そう言えば私達が気を失う前に鑑定紙みたいな奴を見た覚えがあるわ。」
~鑑定紙の内容~
想像者の性能
身体像…高天原アマテラス/ツクヨミ/スサノヲ
精神像…アマテラス:鏡の天使/ツクヨミ:勾玉の天使/スサノヲ:剣の天使
精神像の性質
破壊力…C
俊敏力…C
運命力…A
強制力…C
活動力…C
精密力…C
精神像の能力…アマテラス:1.触れた物体を大小自在の鏡に変換する。2.その鏡を媒介して世界を作る。/ツクヨミ:1.触れた物体を大小自在の勾玉に変換する。2.その勾玉を媒介して生命を与える。/スサノヲ:1.触れた物体を大小自在の剣に変換する。2.その剣を媒介して記憶を奪う。
As.「鏡を媒介して世界を作る、、謎ね。」
TSm.「ならそのアビリティーを実践してみれば良いんだよ。」
As.「ええ、そうね。やってみましょう。」
アマテラスは東京都世田谷区のとある神社にて目の前の神木に触れた。
As.「ミラーエンジェル!(ヒュイーン)」
すると触れられた神木は球形の小さな全面鏡に変換された。
As.「確かに鏡になったわ。しかも、この神木、相当大きかったのに、変換する時に小さくなるように意識しただけで手に乗る程のサイズになったわ。」
アマテラスが変換した鏡に念を込めると鏡の世界へと引き擦り込まれた。
As.「成る程、こう言う事なのね。理解できたわ。」
TSm.「しかし、僕のアビリティーは勾玉を媒介して生命を与える。どう言う事なのだろう。」
Sw.「やっぱ、試してみるのが一番手っ取り早いと思う。」
TSm.「そうだな。良し!ジュエルエンジェル!(ドュクシュイーン)」
ジュエルエンジェルが神木を殴るとミラーエンジェルの時と同様に葉から根元までごっそりと勾玉に変換された。
TSm.「確かに勾玉だ。しかもイメージ通りの小ささだ。っ!!」
ツクヨミが勾玉に念を込めると勾玉が大きな樹木へと変換された。
TSm.「ああ、こう言う事か。つまり、物体を勾玉に変換してそれを自由自在にイメージした生物に変換できると言う事か。成る程、我がスピリットながら凄く興味深い。」
Sw.「じゃあ、最後は俺か。ソードエンジェル!(ドュリュイーン)」
スサノヲが神木を殴ると神木は手のひらサイズの小さな剣に変換された。スサノヲはその後、変換した剣を側にある木に刺さし、その剣にその木の未来を含めた全ての記憶を略奪させた。スサノヲはその剣をUSBメモリをパソコンに差し込むかの様に自分の腕にぶっ刺した。
Sw.「、!!、、、ぐわっ!、、っ!、」
Am.「どうしたの!?」
Sw.「俺は今この木の一生を垣間見た気がした。この木の死は凄く悲惨だった、、。」
TSm.「大丈夫?」
Sw.「ああ、でも、精神的にもう少し成長できればその記憶の体験にも耐えられそうだ。」
TSm.「でも、スサノヲのアビリティー、とても有能だ。」