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私の腹心の友 エリザベス

中学二年の夏休みに転校してきてから

あっという間に三年生になった幸

転校したての頃、以前の中学校の仲良しの

友達が四人が電車ではるばる

遊びにきてくれました


駅の地下で待ち合わせ

小さなパーラーに入りケーキを食べました

幸にとっても友達にとっても

県が違うということは

遠い、本当に遠い距離だったことでしょう

でも、楽しい時間だけは

距離など感じないように思えました

でも、その一日は夢のように

過ぎていってしまいました


同級生が家に遊びに来て

くれたことがあります

学区内ではない幸の家までです

友達の住む町から

幸の家までは自転車でも

ずっと続くゆるい坂道を

かなりの距離を走らないと着きません

大通りだとバス停にすれば七つ目です

そんな遠い道を友達五人が自転車で

幸の家まで来てくれたのでした


友達の自転車はピカピカで自分の背丈に

ピッタリあったものでした

幸の自転車はママチャリで

色は小豆色でした

でもそれしかありません

幸は友達の素敵な自転車を見て

頭がクラクラしそうでした

それでも

自分の家の自転車が好きでした

「幸の自転車なの?」と乗っている途中で

一人の友達が聞きました

「そうよ、エリザベスって名前なのよ」

そう言った時、みんなの顔が輝きました

「エリザベス?素敵」と

声を揃えるように口々に言うと

エリザベスは輝きを増しました

素敵よ、エリザベス!

いつもそう思ってるのよと呟くと

私は誇らしく風を切って走りました


幸 中学三年生の春休みです


────────────

余談ですが、

思考によって変わる価値観は

他の人に良い影響と

自分の良いプライドを

保つものとなります

子供は特にそうです

いつも子供の一番の弱点を

褒めてあげてほしい

そして胸をはって生きてほしいと

どんな目立たない小さな花であったとしても

そうだよね、幸

そして、あなたが今乗っている

自転車の名前はエリザベス二世

いつも変わらない大切な腹心の友

そうだよね、幸

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