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話せなかった言葉

ニ学期が始まり、幸は教科書を開きます

以前の学校とは違う教科書

しかも数学の先生がすごい方言なので

黒板に書かれる言葉と

数式しかわかりません

クラスメートの言葉も

どこで相槌を打てばよいかとか

言葉の語尾が特徴的に短くて

話しはわかっても

幸から話すことができません

それでもクラスメートの女の子たちは

幸の回りに集まり

わいわい楽しく休み時間や

放課後の時間を過ごします


何日か経った頃、男子が何人か集まって

「話してこいや、あの子をしゃべらせたもんが勝ちや」

何人かの男子が幸の前に押し出されては

逃げていきます

どうやら、幸を話させようという

遊びをしていたようです

幸はいつものように突っ立って

その様子を見ていました

幸はその後もニヶ月以上話しませんでした

しなかったというより出来なかったと

言うほうが正しいのかもしれません


転校して一ヶ月が過ぎた放課後のことです

幸は職員室に呼び出されます

転校初日が映画鑑賞?!

またまた「なに〜?!」という事が

先生から告げられる事を知らずに

幸は職員室へ歩いて行きます

まったくどうなってるのか

物事の針までおかしくなったような…


幸 中学二年生 ニ学期です


─────────────────

幸は今でも育った田舎の言葉も

転校した先の言葉も話しません

というより話せません

そして困る事がやはり

コミュニケーションの問題です

話される言葉にどのように

答えれば良いのか

地元の人たちは上手く

相槌をうって話しが続いていきます

それでも方言でなくても

話してくれる人がいることが

ありがたいなと思う幸なのです


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