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初めてのおつかい

幸の住んでいる家は借家です

田んぼの中に10軒あまりの家の1軒が幸の家です

ひとかたまりの家々の回りは田んぼが広がっています

田舎の集落は点在しているため

隣の集落に行くには 畦道を歩いても距離があります


幸はママに連れられて 隣りの集落に行きました

風防林の垣根の間をくぐると

一軒の農家の庭に入りました

縁側にいるお婆さんとママが話しをしています

幸はママのエプロンの端をつまんで

後ろに隠れるように立っていました

おばあさんが何やら皿を持ってきました

初めて見るものです それは油で炒めたウィンナーでした

ママはそれをつま楊枝に刺すと 幸に渡しました

おっかなびっくり かじってみました

やがてママは新聞の包みを受け取ると

「ありがとう、帰るよ幸」と幸の手をとりました


ある日学校から帰った幸にママが言いました

お婆さんの家に行き 卵を買ってきてちょうだい

田んぼを歩いて隣りの集落をめざしました

縁側にいるお婆さんに近づいて

何も言わずに立っている幸に

何個だろうねと言いながら

新聞紙を広げると 卵が転がらないように

包んでくれました


新聞紙の包みを渡されると

落としませんように 落としたら大変と

呟きながら 畦道を歩き小川をまたぎました


────────────────────────

お婆さんが新聞に卵を並べて

包んでいる様子を

幸は今もはっきりと覚えています

幸 小学校2年生

初めてのおつかいでした


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