楽しく過ぎる日々と嫌な予感
中学一年の夏頃になると
仲の良い友達が増え、楽しい日々の連続です
会社員、果物屋さん、鉄工所、公務員など
様々な環境で育ったことなんて
この年頃では関係ありません
気があえば友達になる!
この頃から女子は仲良しグループで
行動する事が多くなります
幸は、一つのグループではなく部活の友達、
クラスが同じ友達、家が近い友達など、
複数のグループに交わり行動します
気がつけば成績は、あっと言う間に下降の一途
本は好きで読むものの勉強をしないのですから
当たり前です
しかし女の子は、目が悪くなるくらいなら
本も読まないで
勉強もしないでと言うパパ
幸は、ますます調子に乗るわけです
幸の部屋は廊下でしたね
ママがカーテンを買ってくれました
幸が選んだのは小さなピンクのイチゴの模様の生地
開かない窓につけると少し部屋らしくなりました
そしてママは廊下の部屋で寝るのは
寒いだろうとベットの柵に隙間風がこないように
布をかけてくれました
ベットの頭の上の壁にお気に入りの
スポーツカーのポスターを張って
ささやかながらも自分のお城が完成しました
この頃、生まれて初めて兄妹ゲンカをします
時間は夜の八時でした
初めて言い争いをした兄と妹
その様子を見ていたパパが
「世の中にたった二人しかいない兄妹なのに」と
悲しそうに言いました
その一言がズーンとお兄ちゃんと幸の心にも
突き刺さり
ピタリと止んだケンカ、初めで最後の兄妹ゲンカ
その日以来、一度もケンカをする事は
ありませんでした
バタバタと過ぎゆく日々の中で
何か起きそうな予感を幸は感じていました
パパのことです
コタツに家族で入っているとパパはふざけて
足の親指と人差し指で幸の脚をつねってきます
痛くはありませんが驚きます
パパは革靴を一日中履いているので
コタツの中が臭くなります
幸はその匂いを嫌だなと思いながらも
もしかしたら、この匂いを嗅ぐのも
終わりかもしれないなと…
パパが立っている後ろ姿を見ながら
もしかしたらパパは死んじゃうかもしれないなと…
そんな予感は何ヶ月後かに本当になるのです
幸 中学一年生の冬です
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余談ですが
幸は霊感があるわけではありません
ただ動物的な勘のようなものでしょう
そんな勘なんていらないと
幸は今でも思っている事を付け加えておきます




