ネズミの赤ちゃんとヤモリ
転校してから田舎の小学校の担任の先生が
同級生二人と共に訪ねてくれました
転校した幸を気にかけていてくれたのでしょう
ママが玄関で話しをしている横で
幸は何を言って良いか分からず、ただ突っ立っていました
玉子を買いに行った時に何も言えなかった時と同じように…
辛い転校でしたが、家では様々な出来事がありました
パパがその日に履く靴下を出そうと
箪笥の引出しを開けたママが「きゃあ〜」と言いました
幸は尻もちをついたママの隙間から引出しを覗くと
毛の生えていないネズミの赤ちゃんが何匹かいました
幸は可愛いと思いました
プニュプニュな感じで赤に近いピンク色をしています
その同じ和室で学校へ行こうとした幸は
何か柔らかいものを踏んづけました
「キュッ」っと鳴き声がしました
見ると可哀想にヤモリです
ネズミの赤ちゃんは触りませんでしたが
プニュプニュしていましたし
今度は踏んづけたヤモリの感触は
とても柔らかでした
パパはそのヤモリを拾うと
事務所の机の引き出しに入れました
出勤してきた事務員の若い女の人が
引き出しを開けた途端
真っ赤になって「きゃあ〜」と言いました
その後、パパのイタズラに会社の人たちが
笑って談笑していましたが
幸は何が可笑しいのだろうと黙って見ていました
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自然の少ない町の家で起きた動物に関する出来事は
幸の心に残る出来事だったようです
寡黙な性格はこの頃から大人になった今でも
変わらないようですね
ただパパのイタズラは代わりに謝っておきます
事務員さん、ごめんなさい




