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応接セットと後悔のピンクのブラウス

ある朝のこと

縁側に応接室にあるような椅子が一つと

小さな机が置いてありました

珍しく休日にパパが家にいて椅子に座っています

ママはカメラを持ってくると

幸にパパの後ろに立つように言いました

あまり裕福ではない家に机と椅子があることが

記念すべきことだったのか

パパが休日に家にいたためか

家族みんなうれしくて幸もはしゃいでいます

立派な応接室に比べれば

縁側のたった一つの椅子とテーブルなんて

たいそう貧相なものでしたが

パパとママも嬉しそうにしているので

家族みんながとても幸せでした


五年生になると、学校でバス遠足など

楽しい行事が増えていきます

小柄でやせっぽっちの幸の体も少し

大きくなってきましたが

髪型はいつもママの好きなショートカット

夏もTシャツに短いパンツ姿で

女の子らしさとは程遠い出で立ちです。

そんな時、クラスでも最高に美人の

女の子の誕生会に呼ばれました

幸は誕生会に呼ばれるのは初めてで

緊張しています

そして誕生会に出るための洋服を

買いに田舎の町から電車に乗って

デパートに行きます。

幸は今まで自分で洋服を選んだことが

ありませんでした


フリルのついたブラウスが

ほしいくてたまりません

ママは「幸には似合わないと思うから」と言いました

幸は生まれて初めてママにわがままを言って

ピンクのブラウスを買ってもらいました

電車で家に着くと、買ったブラウスを着てみました

鏡に映った自分を見てガックリ肩を落としました

ショートカットで日焼けした肌に

フリルのついたピンクのブラウスは

全く似合いません

ピエロのようだと思いました

ママの言うことを

聞かなかったことを後悔したのでした


幸 小学校五年生です


─────────────────

余談ですが、

幸は大人になってからも

自分で服を買うことはありませんでした

あの時の後悔のためではないことを

付け加えておきます

ではなぜ?と思われるかもしれませんね

多分洋服に興味がなかったため?

今でも幸にはわかりません


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