中学校の先生?!
幸は小学校四年生になります
春休みも郷里の伯父さんの家で殆どを過ごした幸に
新学期が間もなく始まります
四年生になるとクラス替えがあります
なぜか不思議と幼なじみの結ちゃんと同じクラスになれないままです
幸は四年三組です。
担任の先生も変わります。クラスの担任の先生は今年この小学校に初めて赴任した
男の先生です。四角い顔、背丈も大きくがっしりとした体格で眼鏡をかけています
どんな先生でも、幸はあまり変わりませんでした
あまり目立つ子供ではなかったからかもしれません
幸はテレビがあっても見ることが少なかったのは
ママの影響があったように思います
幸のママは掃除や洗濯などをよくする人でしたので
テレビを見る時間がなかったのでしょう
布団のシーツは毎日洗濯したものでしたし
掃除は隅からすみまで拭き掃除をしていました
畳を拭くときは幸もよく手伝いをします
先ず濡れた雑巾で拭き、その後乾いた雑巾で拭く、つまり二度拭きです
幸はママに怒られた事は一度もありませんでしたが
躾けは厳しかったように思います
玄関の上がり段は腰板を拭くようにと教えてもらいました
ただ左利きの遺伝的傾向があったために
雑巾の絞り方がどうしてもママと反対になります
子供の力では固く絞れないため
ママに一度絞った雑巾を渡してもう一度ママが固く絞ってくれるのですが
いつも絞り方が反対のため、もう一度広げてから絞り直してくれました
ご飯を食べる時はお茶碗を持って食べる事や肘をテーブルにつけてはいけない事も習いました
理科の授業がとても興味深い教え方をする担任の先生です
教室で蚕を育てて観察するのは、とても新鮮な経験です
蚕の幼虫は食欲旺盛です
授業で桑畑に行き葉を採ると、教室に帰って飼育ケースに入れました
ある日、何人かの生徒だけで桑の葉を採りに行く事がありました
桑畑で葉を採ると桑の実を一つ口に入れました
桑の実は大きくは黒くてプチプチした木苺とよく似ていますが、とても甘いです
一つだけ食べると、採った葉を持って教室に帰ります
しばらく育てていると、蚕は繭を作るようになりました
繭は白くて鶏の卵のような形をしています
完全に作り終わった繭をそっと手のひらに乗せると
軽くて繊細な事がわかります
幸 小学校四年生の限りなく夏に近い春です
──────────────────────
余談ですが
四年生の時からの担任の先生が理科に詳しいのは、大人になってから知ることになります
先生は本当は中学校の理科の先生でした。大学卒業後、しばらく中学校で教えていました。それで小学生の先生として教えるのは、幸のクラスが最初で最後でした
先生が明かして下さったのですが、理科以外の授業はどうしたら生徒に分かりやすい授業ができるのか毎日毎晩考えて教えて下さったそうです
それで最初で最後の小学生の先生であったためか、生徒一人一人をよく覚えていらっしゃいます
そんな先生を生徒たちは大好きで、生徒にとっても、印象に残る恩師であることを付け加えておきます




