潰されたおたまじゃくし
幼なじみの結ちゃん以外は家に帰ってから
遊ぶということはありません
点在する集落まで遠いからです
そんな幸の家に一度だけ男の子が
遊びに来たことがあります
幸の家のすぐ前は田んぼです
田植えの時期になるとトラクターで
田んぼを耕された後、水がはられます
おたまじゃくの姿がみられるのも、この時期です
遊びに来た男の子と二人で
田んぼのおたまじゃくしを手ですくい
捕ると田んぼに戻します
男の子が田んぼの脇のコンクリートに
数匹のおたまじゃくしを並べました
すると並んだ五匹ほどのおたまじゃくしを
足で踏みました
幸は潰されたおたまじゃくしを目の当たりにして
何て事をするのだろうと驚きました
男の子は同級生で普段とても優しく
女の子かと思うくらい可愛い顔をしています
ま・まさか!
幸は潰れたおたまじゃくしを
見ながら「バイバイ」の挨拶もせずに
その場を離れたのでした
幸 小学校四年生の春です
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足で踏まれて潰れたおたまじゃくしと
女の子のように優しく可愛い顔をした
同級生の男の子のギャップに衝撃を受けたのでしたが
今になって考えれば、男の子というものは
そんな一面を持っていて当然ですよね
余談ですが、つい先日の同窓会で
その男の子に会い、その話しをしたところ
遊びに行ったことは覚えているけど
おたまじゃくしのことは覚えていなかったようです
横にいた同級生の一人の男の子が話しを聞いていて「おう、俺もやったやった」と言いました
「本当に驚いてもう遊びたくないと思ったのよ」
と言うと「お前なんちゅうことするんや」とその子に言いました
今自分もやったと言ったのにと
その掛け合いに笑ってしまいました
まあ、同窓生は良いものですと付け加えておきます
遠い所から遊びにきてくれて「ありがとう」の言葉と共に




