先生のストッキング
小学校二年生になると、担任の先生が代わりました。小公女セーラに出てくるような先生が、二年生になる年に定年退職されたからです。代わりに担任になった先生は太めの体格でおっとりしている年配の女性です。
幸はお昼休みの給食の後に先生が教壇の机の中に入れてあるゼリービーンズをこっそり食べているのを見ました。
(今でも同級生で知っている人はいなくて幸だけが知っています)
小学校で演劇の発表会がありました。お母さんや家族の方々が見にいらっしゃいます。
クリスマスのお話しで、幸は赤い洋服の何人かの小人さんの役です。その日、幸は発表会の衣装で使う白いタイツを忘れていきました。半泣きの表情の幸に先生は自分が履いていたストッキングを脱いで持ってきました。ふくよかな先生のストッキングは小さな幸にはダブダブです。ママが体育館の舞台の裏で何とかずれないように履かせてくれました。
その時の写真が残っていますが、みんな白いタイツなのに幸だけが肌色の生地の薄いストッキングです。
そんなこんなで発表会の劇が終わりました。
今でも写真を見ると、先生が履いていたストッキングを履いた幸の姿は違和感たっぷりなのす。
幸 小学校二年生です。
────────────────────────
余談ですが、
先生がお菓子を机に入れてそっと食べていたことを同級生の誰も見たことがないと言うので驚きです。
いつも「あの時こうだったよね、こんなこと言っていたよね」と話しをすると、大抵キョトンとされた後に「そうだった?」たいう答えが返ってきます。
これは良いとも悪いとも言えませんが、良い面ばかりではありません。与えられた変わった特性に戸惑いながら生活をしていること、そして自分のストッキングを脱いで履かせてくれた先生に今も感謝していることを付け加えておきます。




