じいちゃんちの柿の木
秋晴れの日
男の子が屋根の上にいます
柿をもいでいるようです
男の子は一つ採ると窓から覗いている
女の子に手渡しました
屋根の上にいるのはお兄ちゃん
窓から見ている女の子は幸です
お兄ちゃんのところに行こうとして
窓から屋根の上に一歩足を出すと
「熱っ!」
太陽の光で屋根が熱くなっています
「火傷するほどでもない大丈夫。スリッパ履くと危ないから」
お兄ちゃんが言いました
身を屈めて柿の葉をくぐりながら
ソロソロとへっぴり腰で幸は屋根の上を歩きます
実を一つ採るとカリッと音をたてて食べました
少し細長い形でゴマが中に沢山ふいています
やがて「幸、下に降りるぞ」とお兄ちゃんが言いました
「シナンタロに気をつけろ、刺されると痛いぞ」
庭から二人を見ていた祖父が言いました
シナンタロって何?と幸が聞くと
触れるだけで刺す毛虫だと祖父が教えてくれました
「あっ、それ見た!黒くてチクチク毛がたってた」
幸が言うと祖父は気をつけろと笑っています
祖父は納屋から長い竹とバケツを持ってくると
竿で柿の枝を折りました
竹の先が割れていて、枝を挟めるようになっています
これを使えば高い所の柿を簡単に採ることができます
祖父は「さて、行くかな」
どこへいくのでしょうか?
それは次のお話しで…
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余談ですが、郷里の母方の祖父つまり
お兄ちゃんがよく滞在していた家に
幸も遊びに行くことがありました
祖父のクリーニング店は昔からの道の狭い
町中にありました
明治時代に建てられた家で
裏庭が広く柿の木が二本あり
毎年二本の柿が交互に実をつけました




