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納豆ご飯の朝
日曜日の朝です
髭を剃り歯を磨いているパパがいます
幸は不思議そうにパパの後ろ姿を見ていました
朝パパが家にいるのを見たことがないからです
朝ご飯ができましたよ
ママがいつもより弾んだ声で言いました
丸いテーブルに家族が揃って座ります
パパは納豆を茶碗に入れて
生卵を割り醤油をかけます
楽しそうにかき混ぜると
ご飯の上にかけてくれました
パパが作った納豆は粘りがあって糸をひきます
おかわりほしい人はいるかな?
納豆は殆ど残っていません
なんだろう?
兄妹はキョトンとしました
パパはご飯を入れてとママに言いました
納豆の茶碗に熱々のご飯が入りました
丁寧にかき混ぜると
ネバネバ納豆ご飯が出来上がりました
ほしい人いるか?
少しだけと言って
幸は自分のご飯茶碗を差しだしました
朝食が終わると
ママは後片付け
パパはもう少ししたら
散歩に行こうかと言いました
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幸は大きくなってから 納豆を食べる時は
パパがしていた事を思い出します
無駄がなかったんだと