小麦色の少女
田舎の自然いっぱいの村で育つ少女さち(幸)
家庭や学校での出来事や
回りの人々との関わりの中で
成長していくのですが…。
これは同じ体験したことがある
これは違うなと思う方々もいらっしゃると思います
少女の頃を思い出して今
書いていきます
麦わら帽子をかぶった少女が歩いてきます
少女の名前は幸と書いてサチと呼びます。
手には水着の入った透明のバック
夏休みの学校のプールからの帰りのようです
小さく細い身体ですが 顔は小麦色に日焼けして
片田舎の農道を元気よく飛ぶように走っています
あらあら途中 大きなお屋敷の石垣で
何かを見つけたようですね
何かしら?
石垣で脱皮した蛇の皮を手にして
眼を輝かせました
ママが待つお家に向かってダッシュで
駆け出して行きましたよ
「ただいま!お兄ちゃんは?」
「お兄ちゃんはまだ学校から帰って来てないわ まったくあなたはいつもお兄ちゃんお兄ちゃんね」と真っ白なエプロン姿のママが言いました。
「ふーん、帰ってないのね それよりねママ、蛇の皮を見つけたの」とママに差し出しました。
「本当ね。お財布に入れておくとお金がたまるかもね」ママはそう言うと取り込んだワイシャツに
アイロンをかけ始めました。
実はママは蛇がとても苦手です。
でも少女にはそんなことを一言も言いません。
夕方になればトントンとまな板の音をたて
ママは夕食の支度を始めます
少女はその音に合わせて足でリズムをとりながら
大好きな本を読んでいます
今夜もパパは遅くなるそうよ
ママはそういうと温かな料理をテーブルに
並べました
昼間は田畑の中を駆け回って遊ぶ少女は
9時になればぐっすり眠ってしまいます
だからパパには時折しか会うことはできません
パパが帰ってくる夜中まで
起きていることが出来ないのです
寝るときは本の続きを読んでいる少女は
物語に夢中になっているようです
大好きなお兄ちゃんは二段ベッドの上で
もう眠りについています
野球で疲れたのかしら
電気消すわよ そろそろ寝なさい
ママは電気のスイッチを消しました
少女は灯りの消えた
二段ベッドの板を見ながら
読んでいた本を閉じると
いつの間にか快い眠りにつくのでした