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ステイタス

その後、受付のお姉さんにお礼を言って、孤児院に戻ることになった。

リリアの冒険者カードの更新?も大丈夫だったみたいだ。

これで半年ぐらいは狩りをしなくてもいいらしい。

普段は薬草採集や王都内のお手伝いのクエストをやってるらしい。


「ただ今、先生。」


「あらあら、今度は元気になったわね。上手くいったの?」


「うん、ジュンがいろいろ言ってくれた。それでこれもジュンが。」


そう言って、山の様なボアーの肉をテーブルに取り出した。


「まあまあ、どうしたのこんなに。」


「ジュンが、冒険者ギルドの窓口のシャルルさんに交渉してくれて、ホーンラビットの買い取り分をこれに変えてくれたの。」


「まあまあ、これだけあったらしばらく皆にお肉をお腹いっぱい食べさせられるわね。でもジュンくんはいいの?このうち半分はジュンくんの物じゃないの?」


「いえ、僕がお肉を持っていても料理が出来ませんから。よかったら使って下さい。それにしばらくお世話になるのに、僕は何も持ってないですから。」


「そんなこと心配しなくていいのよ。子供は、自分のことだけ考えてなさい。」


「じゃあ、折角、リリアとジュンくんがお肉を持ってきてくれたんですからね、今夜はお肉を焼いて皆で食べましょう。リリアお手伝いお願いね。私は、先にジュンくんを部屋に連れて行きますから。」


「はーい先生。」


「じゃあ、ジュンくん、こっちに。」


「はい、それで、僕もジュンと呼び捨てでお願いします。」


「まあいいの?もし身分の高い子供さんなら失礼にあたるわ。」


「いえ、そんなのじゃないと思いますから。」


「じゃあ、ジュンと呼びますね。えっとお部屋はここね。空いてるお部屋がここしかないの。ちょっと離れてるけど。シーツとかは換えてるから清潔よ。」


「あの変なことをお尋ねしますが、自分の状態を知るにはどうしたらいいんでしょうか?」


「まあ、どこか調子が悪いの?状態異常が出ているの?」


「いえ、そう言うことではなく。例えば、マリア先生なら、自分の状態を知りたい時にどうしますか?」


「えっ?ステイタスで見て、状態異常がないかどうか確認するわね。それでも調子が悪ければ、上級の調合師さんか、司教以上の方に確認して貰うしかないわ。特に何らかの呪いのアイテムで異常をきたしている場合、ステイタスでは出てこないそうだから。」


「ステイタスですか」


おっ、出た、これがそうか。


「どうしたの?何か問題があるの?」


「いえ、問題なさそうです。ちなみに他人のステイタスと言うのは見えるものなんでしょうか?」


「さっきも言ったように、司教様以上の位の方が使える魔法だと、見えますよ。普段は他人のステイタスについて見たり聞いたりすることはタブーですからね。」


「そうですよね。えっと、しばらくここで休んでいていいでしょうか?」


「勿論よ。夕食が出来たら、誰かを呼びに来させますからそれまでゆっくりしてなさいね。怪我はなかったと言っても、心は疲れてるでしょうから。」


そう言って、マリアさんが出て行った。

もう一度ステイタスを呼び出してみる。

うーん、多分これって普通じゃないよなー。



名前 ジュン・ミソラ

年齢 15歳

種族 人族

所属 迷い子

LV  1

経験値 10

HP 60

SP 60

筋力 20

防御 20

回避 20

敏捷 20

知恵 200

精神 200

幸運 200

固有スキル 学習(認識)、

スキル 身体強化(物理攻撃防御)

加護 博愛神の加護

補正 異世界(言語、無詠唱、アイテムボックス)



いろいろ検討しないといけないけど、まず、ここは地球ではない。

俺の夢の中でもない。

名前はいいとして、年齢が15歳。

確かに、常々この頃の自分に戻りたいとは願っていたけど。

異世界だとして、転移と言うより転生に近いのか?

しかし、誰かに召喚されたとか、可愛い女神さまとか、偉そうな神様に会った訳でもない。

説明もなしにここに放り込まれてもな。

まあ、いいや。


で、種族が人族。

ってことは、人族以外があるわけで、リリアのあの獣耳は本物ってことか。

種族とか解らないけど。

大体、耳以外は、人間と同じだしな。

強いて言えば、足が速かったか?

まあ、俺も早かったからこの世界では普通なのかもしれないが。


所属が迷い子ねー。

所属って何だ大体。

と考えていると、頭の中に、ぶわーっと知識が広がった。

おっ、なんだこれ。所属に関する知識が急に解ったぞ。


「所属とは、都市核が認定する身分?」


都市核って何だよ、都市核って。

あーそっちの知識は出て来ないのね。


取り敢えず、次だな。

えっと、LVと経験値はそのままの意味だよな。

ホーンラビットを倒して、経験値10ってところか。


HPやSPは、ゲームにあるのと同じか?

あー同じみたいだな。

解説が出た。

ゲームでよくあるMPマナポイントと言うのの代わりに、

SPスキルポイントって言うのを消費するらしいな。


筋力から敏捷まで20。

初期値ってことなんだろうけど、それ以降の知恵200、精神200、幸運200って凄くない?

何々、能力値というのか、能力値はレベルアップ時に増えることもある。

増えることもあるってことは、ゲーム的にレベルと連動して増える訳じゃないんだな。

となると、200って言うのは凄いのか?


その辺りの情報はでないのか。

そこは周囲の人の情報を集めるしかないか。


次は、スキルか。

固有スキルって何か、俺だけ特別感があるけど、ショボくねぇ?

学習とか何だよって感じだ。

カッコで認識ってことは、別の学習スキルがあるってことか?

あんまり特別感はないな。


学習ねぇ。

おっ、出てきた。

何々、固有スキルは、神に愛された者に極まれに生まれながらに与えられるスキル。

学習スキルは、手に触れることで、手に触れた物の情報を知ることが出来る。

深く知ろうとすることで、そのことに対する知識を得ることが出来ることもある。

また、知り得た知識を自分の核に取り入れることが出来る。


うーん、もしかしていいスキルか?

ショボイと言ってごめんなさい。

手に触れて情報が解るってことは、鑑定みたいなものか?

次の、得ることが出来ることもあるってとことが微妙だけどな。

それより、自分の核って何だよ。核?


核とは、生物全ての生命の根源。生命の全ての情報が記されているもの。

魔物の核は、魔核と呼ばれ、魔道具の動力源として用いられている。


解る様な解らない様な。

要するに、俺の中にも核って言うのがあって、そこにこのステイタスだとか、スキルだとかが記録されるってことか。


身体強化ってスキルは、ガドナーさんが言ってたスキルか?

まあ、身体が頑丈になるスキルってことだろうな。


あと、加護か。

博愛神の加護ねー。何だろうこれ。

加護とは、神の祝福により、様々な恩恵を授けられること。

8大神の加護それぞれに、祝福を受けるための条件がある。

多くは迷宮討伐の功績によりその祝福を受ける。


神様の加護ねー。この世界には8人も神様がいるってことか?

その中で、博愛の神様って言うのに、俺が加護を受けたらしいけど、何で受けたのかは不明だな。

それより、博愛の神の加護って、何気に凄い感じだ。

えっと、HPとSPが基礎値の3倍。

HPとSPの自然回復速度5倍。

スキル習練率アップ。

スキル使用時の消費SP半減。


つまりだ、俺がスキルを覚えたら、かなり有利ってことか。

どうやって覚えるのかは不明だけどな。


最後に、補正。

異世界から来たってことで優遇されてるのか?

確かに言語は意識してなかったけど、普通に喋れるし、聞き取れる。

そう言えば、若干口の動きに違和感があるな。

自動的に翻訳されてるってことか?

まあ、このステイタス画面も、日本語だしな。

英語切り替えも出来るんだろうか。

って思ったら出来た。

何気に凄いな。

自分が理解しやすい言語に自動的に翻訳してくれてるってことか。


アイテムボックスって言うのがある。

リリアが使ってたやつだな。

どうやるんだ?

あーアイテムインとか呪文を唱えてたっけ。

でも無詠唱とかあるしな。

って言うか、こっちの世界で使ってる言語は俺は発声できない筈だからな。

それで異世界補正で無詠唱がついてるってことか?

まあ試しにやってみるか。


おー、蒲団が消えた。

なるほど、アイテムボックスを意識したら、中に入れてる物が解るのか。

そう言えば、枠があるとか言ってたっけ?

アイテムボックスの制限とか聞いておかないとな。

って言うか、この世界の人全員が使えるなら、異世界補正とか関係なくない?

まあ、あるものは仕方ないけどな。


そのあと、部屋のある物、ベッドとか、タンスとか、テーブルとかいろいろアイテムボックスに出し入れしてみた。

何気に便利だな、アイテムボックス。

と言うか、皆アイテムボックス持ってるんだったら、タンスとかいらなくない?

そう言えば、街に入った時、荷馬車とかもあったし、大きな荷物を抱えてる人もたくさんいたな。

アイテムボックスも万能じゃないってことか?


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